Site Overlay

術前MRI検査での大きさの違い

[管理番号:2716]
性別:女性
年齢:50歳
マントモーム生検で早期の浸潤性抗癌(ルミナールA)で
エコーでは15mmの範囲でした。
その際は温存の方針でしたが、
生検の一ヶ月後の術前MRI検査では、かなり広範囲に広がっているため
(35mm~40mm)全摘出手術をすすめられています。
こうようにエコーとMRIで癌の範囲が大きく異なることはあるのでしょうか?
(実は早期ではなかった?)
範囲が大きくなると予後のリスクも当初の診断より高くなる
と考えたほうがよいのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「エコーでは15mmの範囲」
「術前MRI検査では、かなり広範囲に広がっているため(35mm~40mm)全摘出手術をすすめられて」
⇒MRIは(エコーでは捉えられないような)「乳管内進展等の所見を捉える」ことができます。
 そのように(エコーでは解らないような、病変の微妙な拡がりを見逃さないために)MRIの存在意義があるのです。
 
「こうようにエコーとMRIで癌の範囲が大きく異なることはあるのでしょうか?」
⇒上記コメント通りです。
 ○逆に言えば、「異なる事が有るからこそ、両方の検査をする意義がある」のです。(もしも、常に同じ結果であれば、両方行う意味は無いですよね?)
 (エコーとMRIでは)「捉えられる病変の拡がりに対する情報量」が違うのです。
 
「実は早期ではなかった?」
⇒そのような意味ではありません。
 たとえば、「乳管内の拡がり(非浸潤癌としての大きさ)が広くても」ステージは同じなのです。
 
「範囲が大きくなると予後のリスクも
当初の診断より高くなると考えたほうがよいのでしょうか?」
⇒必ずしもそうではありません。
 「浸潤部分」こそが「予後に影響」するのです。