[管理番号:2653]
性別:女性
年齢:39歳
おはようございます。
私の妻39歳の診察について質問いたします。
妻39歳 子供7歳、4歳、8ヶ月
今年の一月に下の子を卒乳させてから二月の初旬に左胸上部にしこりがあるのを発見して、すぐに掛かり付けの病院で触診、マンモをした結果特に問題が無いと言われました。
しかし、しこりが何かハッキリしたいのでネットで色々と病院を探して3月(中旬)日に乳腺外科のクリニックで改めて検査していただきました。
触診、マンモをして一応細胞診も行いました。
先生も待つのは苦痛だろうから4~5日後電話で取り合えず連絡しますとなり、土曜に連絡がきました。
結果は、悪性の反応が少しでてますので組織診に追加でだしました。
(下旬)日(明日)付き添いの方を連れて来院してくださいと言われました。
結果として悪性(乳癌)なんでしょうか? 妻が言うには細胞診(針を刺す)した時に先生が思ってたより柔らかいと言ってたみたいです。
下の子もまだ小さく四月から妻も働く予定でしたが気が落ちてつらいです。
文章がおかしいのもご了承ください。
(下旬)日に追加で針の太い(マンモ~名前は忘れてしまいましたが)を一応しましょうといわれました。
組織診でやっぱり良性でしたとかありますか。
長々とすみませんがよろしくお願いいたします
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
、
「悪性の反応が少しでてます」
⇒この表現が微妙です。
所謂クラス3(鑑別困難)~クラス4(乳癌疑い)までの可能性があります。
○さすがに、「クラス5(乳癌)ではなさそう」に思いました(表現からの印象です)
「(下旬)日に追加で針の太い(マンモ~名前は忘れてしまいましたが)を一応しましょう」
⇒これは「マンモトーム」ですね。
これであれば「確定診断」となります。
「組織診でやっぱり良性でしたとかありますか。」
⇒その可能性はあります。
悪性と決めつけてはいけません。
○ただし、「曖昧では終わらさない。必ず確定診断までいく」ようにしてください。
質問者様から 【質問2】
おはようございます。
先日は相談ありがとうございます。
妻の細胞診で悪性が少しでて組織診の結果を聞いてきました。
結果は、左上部にしこり17ミリがあり癌(浸潤)と判定されました。
組織学的所見では
ER,0%(intensity score0,proportion score 0)
PgR・,<1%(intensity score 2, proportion score 1) (10% cut・off)
HER2/neu equivalent(score 2+)
となりました。
どういう状況でしょうか?頭が真っ白でつらいです。
HER2は、また検査に出して陰性か陽性かわかると言ってた思います。
妻は大丈夫でしゅうか?
今の段階でステージ1と言われました。
来週、県立病院に診察に行きます。
文章がまた、おかしくすみません
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
癌でしたか。
お気持ち、お察しします。
ただ「早期:cT1c, cN0, cStage1」とのことなので「前をむいて」治療に向かいましょう。
「どういう状況でしょうか?」
⇒早期乳癌だから、「MRIで拡がりを確認」して「手術」をします。
あとは術後療法ですが、これは「サブタイプに基づいて」行います。
FISH-の場合:トリプルネガティブとなり(この場合)抗癌剤が適応となります。
FISH+の場合:HER2タイプとなり、(この場合には)抗HER2療法(ハーセプチン+抗ガン剤)を行います。
「HER2は、また検査に出して陰性か陽性かわかる」
⇒FISH検査中ということです。
「妻は大丈夫でしゅうか?」
⇒早期乳癌です。
「手術」をして「きちんとした術後療法」を行えばいいのです。
質問者様から 【質問3】
管理番号2653の物です。
先生の回答で一先ず安心しました。
癌の宣告をうけたクリニックの先生は、ERが0なのでホルモン療法は効きません。
エコーで診たら左上部以外は腫瘍は無く、リンパもエコーで見るかぎり腫れてはいないです。
紹介する病院はどうしますか?と、簡潔な感じで説明を受けました。
頭が真っ白で組織学的所見の紙を見ても専門語(英語)で聞きたい事も分からず帰宅した状況でした。
先生にまた、質問なんですが、組織学的所見を見て頂いて 早期と言う事なんでしょうか? 後、最近妻が咳をしてるのが気になります大丈夫でしょうか?
来週、紹介書の病院に行きますがまた、検査等で手術まで時間が掛かりそうなので、
進行などは大丈夫でしょうか?
年齢が39歳と若いので。
度重なる質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
進行度(ステージ)は「腫瘍径」と「リンパ節転移の程度」の2項目で決まります。
早期乳癌とは一般的に「1期」のものを指し、これは「腫瘍径2cm以下」及び(画像上)「リンパ節転移の所見がない」という条件を満たしている場合なのです。
「エコーで診たら左上部以外は腫瘍は無く」
⇒拡がり診断としては(術式決定のために)乳房MRIが必要となります。
「リンパもエコーで見るかぎり腫れてはいない」
⇒「腫瘍径が17mm」で、「リンパ節転移の所見がない」ので「ステージ1」となるのです。
「組織学的所見を見て頂いて 早期と言う事なんでしょうか?」
⇒違います。
上記でコメントしたように「早期=ステージ」は「腫瘍径」と「リンパ節」だけできまるのです。
○組織的所見は無関係です。
「最近妻が咳をしてるのが気になります大丈夫でしょうか?」
⇒絶対に「遠隔臓器転移などない」のでご安心を。
「来週、紹介書の病院に行きますがまた、検査等で手術まで時間が掛かりそうなので進行などは大丈夫でしょうか?
年齢が39歳と若いので。」
⇒進行に年齢は無関係です。
乳癌の若年齢化が進んでいる現在、39歳は決して「驚くほど若年」ではなくなっています。
普通に考えてください。
質問者様から 【質問4】
2653の物です。
先生のお答えのおかげで大分現実を受け入れるようになりました。
ありがとうございます。
度重なる質問で申し訳ありませんがまたお願いいたします。
病院によって色々なやり方があるでしょうが、初日からどんな検査と診察をするのでしょうか?
大体、検査等から手術までの時間はどれくらいが標準なのでしょうか?
術後から化学療法、放射線療法等まで大体どれくらいの期間がかかりますか。
詳しい検査結果が出た時に、どのような質問をしたらよいでしょうか?
早く治療をして前向きになりたいです。
すみませんがよろしくお願いいたします
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「病院によって色々なやり方があるでしょうが、初日からどんな検査と診察をするのでしょうか?」
⇒エコーをして「腫瘍の大きさ」と「腋窩リンパ節転移所見の有無」をみます。
あとは術式決定のための「乳房MRI」です。
それと必要なのは(手術は全身麻酔なので、そのための)「採血、心電図、呼吸機能、胸の写真」です。
くれぐれも早期なのに「無駄な検査である、骨シンチやPETなどはやらない」ように注意しましょう。
トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
「大体、検査等から手術までの時間はどれくらいが標準なのでしょうか?」
⇒1~3カ月と病院の状況により「様々」となります。
「標準」はありません。
「術後から化学療法、放射線療法等まで大体どれくらいの期間がかかりますか。」
⇒化学療法は通常、術後2週間程度で「病理結果」を確認してから開始するので「手術から1カ月程度してから開始」となるでしょう。
化学療法から1カ月程度空けてから、放射線治療となります。
「詳しい検査結果が出た時に、どのような質問をしたらよいでしょうか?」
⇒「温存できるか、どうか?」それに尽きます。
質問者様から 【質問5】
前日に続いて申し訳ありません。
明後日の検査の前に田澤先生にもう一度ご質問があり申し訳ありません。
術式を聞いて、もし術前に抗がん剤を行う事になれば、
こちらから先に手術をしてほしいと要望してもよいのでしょうか?
手術までの待つ間はどのように過ごせば良いでしょうか? 例えば軽い運動など…
身体を冷やさず暖めて過ごしたら良いでしょうか?
最初に宣告を受けたクリニックの先生の表情や言葉の少なさが凄く気になり色々と考えてしまいます。
田澤先生どうかよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「術式を聞いて、もし術前に抗がん剤を行う事になれば、こちらから先に手術をしてほしいと要望してもよいのでしょうか?」
⇒是非、そうしてください。
腫瘍径が小さく「そのままでも、十分に温存可能」なのに、「トリプルネガティブだから」という「誤った理由で」術前抗がん剤にもっていかれないようにしましょう(大学病院では、特にそのような傾向があるのでご注意を)
「手術までの待つ間はどのように過ごせば良いでしょうか? 例えば軽い運動など…身体を冷やさず暖めて過ごしたら良いでしょうか?」
⇒体調管理です。
風邪をひかない様に「健康的に」行きましょう。
質問者様から 【質問6】
こんにちわ。
2653の物です。
本日紹介してもらった病院で マンモ、エコーによる検査をしてきました。
結果は
左乳癌 腫瘍径17ミリ エコーによる診察でリンパの転移は無しと診断されました。
手術は 5月下旬で(左乳房温存でセンチネルリンパ節生検)を行うみたいです。
術後一ヶ月で病理検査の結果がわかり正式な事が分かると言われました。
手術までの間に乳房MRIを撮り拡がりを見るそうです。
手術まで二ヶ月空きますが心配は無いですよと言われました。
タイプも今は気にしなくて大丈夫ですよと言われました。
田澤先生も同じ所見でしょうか?
同じような所見だと凄く安心します。
よろしくお願いいたします
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「エコーによる診察でリンパの転移は無しと診断」
⇒大変よかったです。
ステージ1です。
「 手術は 5月下旬で(左乳房温存でセンチネルリンパ節生検)を行う」
⇒温存できることは幸いでした。
手術まで「2カ月は許容範囲内」と思います。
「手術までの間に乳房MRIを撮り拡がりを見るそうです。」
⇒これで「術式が正式に決定」するのです。
「手術まで二ヶ月空きますが心配は無いです」
⇒その通りです。
「タイプも今は気にしなくて大丈夫ですよと言われました。」
⇒その通りです。
「田澤先生も同じ所見でしょうか?」
⇒今回の医師の診療は「極めて妥当」です。
「トリプルネガティブだから術前抗がん剤」などと(誤った事を)言わない事に「好感」が持てます。