[管理番号:2618]
性別:女性
年齢:40歳
初めまして。
先月に乳房全摘手術を行い、今後の治療について迷っています。
術後の結果、
invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma
25×20×18㎜大
核グレード2
リンパ節転移なし、切除断片陰性
リンパ管侵襲は中等度、静脈侵襲は軽度と考える。
術前生検の結果より、
ER、PGR、ともにほぼ100%陽性
ki-67 20%
HER2 陰性
主治医の先生からは、5年間のホルモン治療を勧められています。
乳がんと診断される前から妊娠出産を希望しており、
現在もあきらめきれないでいます。
年齢的にも5年後の妊娠は厳しいと思っているので、できることなら
ホルモン治療前に妊娠・出産を目指したいと思うのですが、
早期とは言えない(しかもホルモン強陽性)状態でこの選択をするのはリスクが高すぎるでしょうか?
また、すぐにホルモン治療をする場合は受精卵凍結をしようと考えていたのですが、
卵巣刺激の際に使用するホルモン注射の影響はどの程度のものなのでしょうか?
一時的なものだから心配はないのでしょうか?
お忙しいなか恐れ入りますが、先生のご意見が伺いたくメール致しました。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT2(25mm), pN0, luminalA(Ki67=20%)
十分な早期乳癌です。
「主治医の先生からは、5年間のホルモン治療を勧められています。」
⇒妥当な治療方針です。
「乳がんと診断される前から妊娠出産を希望しており、現在もあきらめきれないでいます。」
「できることならホルモン治療前に妊娠・出産を目指したいと思う」
⇒それでいいと思います。
私の患者さんでも(時々)同様の相談がありますが、「妊娠を優先」してもらっています。
「早期とは言えない(しかもホルモン強陽性)状態で、この選択をするのはリスクが高すぎるでしょうか?」
⇒十分早期だし、リスクはそれ程高くはありません。
「また、すぐにホルモン治療をする場合は受精卵凍結をしようと考えていた」
⇒抗ガン剤をしないのならば、「関係無い」と思います。
「卵巣刺激の際に使用するホルモン注射の影響はどの程度のものなのでしょうか?
一時的なものだから心配はないのでしょうか?」
⇒一時的なものです。
(抗癌剤とは異なり)月経は殆ど回復します。(40歳であれば、尚の事)
○妊娠、出産、授乳は「乳癌の再発率をあげない」ことは解っています。
それでいいと(私は)思います。