[管理番号:2600]
性別:女性
年齢:37歳
昨日乳がんと言う結果になりました・・・。
去年の6月頃から右胸上部にしこりがあり、不安になりすぐに大きな病院でマーモグラフィーと超音波をして、
触診もしてもらったところ、乳がんではないと先生に言われてホッとしていました。
次回は半年後でいいと言われ今年の1月に受診。
超音波の結果を見るだけでは数ミリしか大きくなっていないとの事。
また安心していました。
次回は7月にと言われました。
先生に言われた診断結果は乳腺腺維腫。
しかし自分自身で触ってなんか大きくなった気がして、2月に急遽受診しました。
その時しこりに注射針で吸い取って調べる検査をしました。
結果は良性。
良性でもしこりが気になるので手術を希望したら、今度はしこりの部分を採取して検査してからでないと、万が一ガンの場合二度切る事になるという事で検査。
その結果が昨日、乳がんと言う事に・・・。
先生が言うには成長がそんなに早くないとの事。
来週CTで転移を調べます。
手術は4月(上旬)日にと思っています。
良性からの悪性の結果・・・とてもつらいです。
しこり自体にも悪性・良性の場所って結構あるんですか?
小学校低学年と2歳の子がいるので、先の事を考えると
とても心配・不安ばかりです。
気持ちの切り替えがなかなか出来ません。
でも日本の医療を信じて頑張ろうと思います。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
それにしても
「去年の6月頃 乳がんではないと先生に言われ」
「超音波の結果を見るだけでは数ミリしか大きくなっていない 次回は7月にと言われ」
「大きくなった気がして、2月に急遽受診 その時しこりに注射針で吸い取って調べる検査をしました。結果は良性」
⇒この診療経過は「あまりにも酷い」ですね。
診断がつくまで「8カ月」もかかり、しかも「細胞診まで失敗している」わけですから(質問者には気の毒ですが)「目もあてられない診療」と言えます。
「先生が言うには成長がそんなに早くないとの事。」
⇒そのようですので、「気持ちを切り替えて」前向きに頑張りましょう。
「良性からの悪性の結果・・・とてもつらいです。」
⇒お気持ち、お察しします。
画像診断の甘さや、(更に)「細胞診の精度の悪さ」など、ちょっと考えられない状況と言えます。
「しこり自体にも悪性・良性の場所って結構あるんですか?」
⇒それは全くありません。
その「細胞診」は「腫瘍を外していた」と考えるのが普通です。
「でも日本の医療を信じて頑張ろうと思います。」
⇒頑張りましょう。
そうです。「そんなレベルの診療」の医師ばかりではないのです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生こんにちは。
以前、良性から悪性判断をもらったものです。
今の病院では今後が心配なので、転院することにしました。
(中旬)日にCTを撮ってもらってからですが。
早く手術、治療を開始して欲しいですが・・・。
そこで、判定結果が出てから首の後ろ、鎖骨と胸の間の肋骨、反対の乳房、脇の後ろ辺りが痛い気がしたり・・・
遠隔転移か気になってしまいます。
しこりの大きさは2.4cmぐらいかと思います。
CTを撮ってみないと何も分からないと思いますが、リンパの腫れはありません。
気持ちが不安定も関わっているのかと考えたいのですが。
しこりが2cm超えるとリンパに転移、遠隔転移はすぐ起こりえることですか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「そこで、判定結果が出てから首の後ろ、鎖骨と胸の間の肋骨、反対の乳房、脇の後ろ辺りが痛い気がしたり・・・遠隔転移か気になってしまいます」
⇒それは、ありえません。
御心配無く。
「しこりが2cm超えるとリンパに転移、遠隔転移はすぐ起こりえることですか?」
⇒「リンパ節転移」と「遠隔転移」は全く違います。
○リンパ節転移は「確率的には低い」とはいえ、あり得ます。
○遠隔転移は絶対にありえません。
質問者様から 【質問3】
管理番号2600
田澤先生よろしくお願いします。
昨日、CTを撮り右胸ステージ1・腫瘍径1.1mm・リンパ転移なし(微量にあるかも)と言われました。
転移の場合2Aか2Bにもなる可能性はあると自分では思っています。
手術してみないと分からないと言われました。
詳しい数値の説明はないです。
乳がんである右側のあちこちが痛みます。
痛む箇所はいつも一緒です。
「浸潤がんなので早期ではない」と先生に言われたので心配になってしまいました。
ステージが1からステージ4になる事はありますか?
CTでは転移は分かりませんか?先生から転移の説明はなかったので。
あと、CTで左胸に短い線状の石灰化を発見し、大丈夫だとは思うけど一応エコーと細胞診をするとの事。
(下旬)日にMRIのため針生検は辞めるとのことです。
もしガンでもおとなしいといっていました。
この場合もしガンだとしてもしこり前?なので早期になりますか?
はっきり分からないと右胸の手術が出来ないとのことで
早く結果が出るといいなと思っています。
MRIと細胞診での結果で分かりますか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
cT1c(11mmの間違いですよね?), cN0, cStage1
十分な早期乳癌です。
「転移の場合2Aか2Bにもなる可能性はあると自分では思っています。」
⇒考えすぎです。
「乳がんである右側のあちこちが痛みます。痛む箇所はいつも一緒」
⇒乳癌とは無関係です。
「ステージが1からステージ4になる事はありますか?」
⇒1000%ありえません。
「CTでは転移は分かりませんか?先生から転移の説明はなかったので。」
⇒そもそも、「その腫瘍径で」CTなど無駄な検査です。(遠隔転移など、ありえません)
無駄な医療被曝です。
「あと、CTで左胸に短い線状の石灰化を発見」
⇒これは「何かの間違い」ですよね?
CTで「石灰化を発見」する前に「マンモで石灰化は発見」して欲しいものです。
「この場合もしガンだとしてもしこり前?なので早期になりますか?」
⇒これらの記載からは「石灰化ではなく、造影される部位が他に見つかった」ということのようです。
○ただし、「乳腺内の所見」については「CTではなく、(後日行う予定のようですが)MRIでの判断を待つ」方がいいでしょう。
(もし、あったとしても)「乳管内病変もしくは、小さな病変」だと思います。
「MRIと細胞診での結果で分かりますか?」
⇒転院先の医師が「細胞診をきちんとできる」ことを祈っています。
質問者様から 【質問4】
右胸は乳癌と診断済みです。
左胸に石灰化が見つかり昨日MRIの結果を聞きに行きました。
その結果乳腺症か乳癌の可能性かはっきり分からないとの事で、針生検をしてきました。
結果は2週間後の4月(上旬)日との事です。
3月(中旬)日に石灰化を言われてから2日後から左胸が痛くなりました。
(生理が3月26日きました)乳腺症だと思いたいのですがそうともいかず・・・もやもやしています。
先生からははっきり何とも言えずという感じで。
「迷宮入り」なんて言葉まで出てどうしたらいいのか不安ばかりです。
そんなにはっきり結果がでないなんて事あるのでしょうか?
針生検の次はマンモトーム生検と言われています。
右胸の手術も先延ばしになる事をとてもつらいです。
左胸が万が一ガンだったら一緒に手術した方がいいのは分かっているのですが。
先生どうしたらいいのでしょうか・・・。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
どうも、その転院先の医師にも困ったものです。
「そんなにはっきり結果がでないなんて事あるのでしょうか?」
⇒MRIの所見なんてものは「其の程度」です。
「乳腺症」か「乳癌」か区別できないなんていうケースはざらにあります。
大事な事は
MRIで「疑わしい所見」を拾い上げ、その部分を『確実に』組織診断すればいいのです。
「針生検の次はマンモトーム生検と言われています。」
⇒最初から「マンモトームで100%の診断をしてあげるべき」です。
私であれば、(バネ式針生検では、確定診断が得られないかも入れないケース①腫瘤非形成性病変②病変が不均一で広範囲 などでは)迷うことなく最初から「マンモトーム生検」していまいます。
マンモトーム生検で「超音波で気になる部位を」きちんと広範囲に採取すれば「100%自身を持った診断」となります。
★マンモトーム生検を「日常的に行っている」私には、担当医が「最初からマンモトーム生検を選択しない理由」が全く理解できません。
質問者様から 【質問5】
今月(中旬)日に手術しました。
温存+センチネル生検をしました。
センチネル生検でリンパを2個とった結果、1個に微小転移だけだったので郭清はせずにすみました。
病理結果がが出るには3週間ほどかかりますが、微小転移だとステージは上がりますか?
手術前はステージ1・腫瘍系1.2センチ・リンパ節に転移微小にありかもでした。
治療方法は放射線治療+薬物療法(化学療法・ホルモン療法のいずれか)は絶対と言われています。
解答お願いします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
手術が終わりましたね。
診断がもたもたしていましたが治療はスムーズにいって良かったです。
「センチネル生検でリンパを2個とった結果、1個に微小転移だけだったので郭清はせずにすみました。」
⇒微小転移は予後に影響しないことが解っています。
気にしないようにしましょう。
「病理結果がが出るには3週間ほどかかりますが、微小転移だとステージは上がりますか?
手術前はステージ1・腫瘍系1.2センチ・リンパ節に転移微小にありかもでした。」
⇒浸潤径が解らないのでステージは今のところ未定です。
ただ、「微小転移も規約上はリンパ節転移有」となっていますので2期にはなります。
「治療方法は放射線治療+薬物療法(化学療法・ホルモン療法のいずれか)は絶対と言われています。」
⇒リンパ節転移の有無にかかわらず…
乳癌は腫瘍径が5mm以下で無い限り、何らかの全身療法(化学療法、ホルモン療法、抗HER2療法のどれか、もしくは全て)の適応があるのです。
質問者様から 【質問6】
病理結果が出たので田澤先生の意見をお聞かせ下さい。
浸潤癌(右乳房温存)
大きさ13×10mm
グレード→1
リンパ管侵襲→+・血管侵襲→-
リンパ節転移あり(1/2)微小転移
切除断端→陰性
病期Ⅰ
ホルモン受容体→あり
ER:8
PgR:8
HER2→陰性(1)
ki67→低い(20%以下と聞きました)
サブタイプ→ルミナールA
との事です。
主治医の考えは放射線(温存なので必ず)
ホルモン療法(服用TAM)+(注射LHRH…)と言う感じです。
注射は術前はなくてもと言っていましたが、年齢を考えての事だそうです。
田澤先生ならどのような治療方法でしょうか?
再発率・生存率はどうなりますか?
オンコタイプDXで化学療法が本当に必要か調べた方がいいのでしょうか?
質問ばかりですみませんが回答お願いします。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
pT1c(13mm), pN1mi, luminalA, NG1
十分な早期乳癌です。
心配ありません。
「ホルモン療法(服用TAM)+(注射LHRH…)と言う感じです。注射は術前はなくてもと言っていましたが、年齢を考えての事だそうです。」
⇒迷う処ですが…
ASCOのガイドラインからは「タモキシフェンのみ」ということになりそうですが、感覚的には(SOFT試験でも)「年齢は無視できない」30歳代台だと、LH-RHagonistも併用することが多いと思います。
「田澤先生ならどのような治療方法でしょうか?」
⇒担当医と同じです。(上記)
「再発率・生存率はどうなりますか?」
⇒ 再発率11% 10年生存率97% となります。
「オンコタイプDXで化学療法が本当に必要か調べた方がいいのでしょうか?」
⇒不要だと思います。
「Ki67が高くても、RSが低リスクとなることがある」事は解っていますが、逆(Ki67が低いのにRSが高リスクとなること)は非常に少ないことが解っています。
これはSABCS(2015)で発表された(Ki67が低値である)「luminalAでは(リンパ節転移があっても、腫瘍径が大きくても)化学療法のベネフィットが無い」という結論を裏付けるものと言えます。
質問者様から 【質問7】
管理番号2600です。
放射線治療25回も無事に済み、今はタモキシフェン+リュープリン注射を3か月おきで通院しています。
田澤先生と自分の主治医の治療方針が同じとの事だったので安心して治療しています。
先生にちょっと質問したいのですが・・・。
今週のコラム49回「ちょっと待った。それって本当に受診が必要?」にも乳房痛の事を書かれているのですが、最近手術側の右胸と左胸の奥の方?がズキズキ痛みが続いていて。
乳房全体ではなく、一部分(同じ場所)が痛いです。
放射線治療から5か月ほど経ちますがまだ傷口辺りがヒリヒリもします。
傷口のちょっと上の皮膚の奥?に一部固い所があり、主治医に相談・診察(触診)してもらったところ、体でもけがをした時にその周辺が固くなる事があるので、それと同じような事だから大丈夫との事でした。
大丈夫との事ですが、体を洗っていても触るのでちょっと気になります。
そう言った事は体質によってありますか?
質問ばかりですみませんがよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
質問者と同様なケースは良く遭遇します。
数カ月経っても創部は痛いものです。
「傷口のちょっと上の皮膚の奥?に一部固い所があり、主治医に相談・診察(触診)してもらったところ、体でもけがをした時にその周辺が固くなる事があるので、それと同じような事だから大丈夫」
⇒担当医の言う通りだと思います。
そもそも「何か悪いものができれば、痛くなる筈」という発想が誤りなのです。
(だから検診が必要なのです)
少なくとも乳がんに関して「痛みが何かのサイン」ということはありません。
(初発にしろ、局所再発にしろ、遠隔転移再発にしろ)
♯強いて言えば骨転移は痛いですが、部位などを照らし合わせれば区別がつきます。
質問者様から 【質問8】
乳がんとはちょっと違うのですが…。
今、ノルバデックスとリュープリン3か月投与をしています。
今年もインフルエンザの予防接種をする予定ですが、11月(中旬)日に診察とリュープリン3か月の注射があるのですが、いつ頃うてばいいのか…。
リュープリンをうつ前、うった後で違う注射は間隔をあけるとかはありますか?また、風邪をひいているのですが、ノルバデックスを飲んでいるのですが、風邪薬などは普通に飲んでも大丈夫でしょうか?
こんな質問ですみません。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。
田澤です。
「今年もインフルエンザの予防接種をする予定ですが、11月(中旬)日に診察とリュープリン3か月の注射があるのですが、いつ頃うてばいいのか…。」
⇒いつでもOKです。
全く無関係です。
「リュープリンをうつ前、うった後で違う注射は間隔をあけるとかはありますか?」
⇒ありません。
「また、風邪をひいているのですが、ノルバデックスを飲んでいるのですが、風邪薬などは普通に飲んでも大丈夫でしょうか?」
⇒その通りです。
○ホルモン療法は全く他の事(市販の内服薬や予防接種などなど)とは無関係です。
質問者様から 【質問9】
田澤先生よろしくお願いします。
3ヶ月に1度の通院(ノルバデックス+リュープリン)をしています。
今回お聞きしたいのですが、痛みについてです。
手術側の胸の奥の方・手術側の脇から背中にかけて・手術側の鎖骨・首の後ろ・反対側の胸がここ最近頻繁に痛みます。
頭痛も頻繁にあります。
悪く考えたくないのですが不安な日々で。
ホルモンの関係と考えていいのでしょうか?
来月で術後1年になりますがあちこち痛いと言われる患者さんはいますでしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
「ホルモンの関係と考えていいのでしょうか?」
⇒その通りです。
典型的な「ホルモン療法に伴う」症状です。
○「痛み」と「転移」を関連付けてしまうことは仕方が無いかもしれませんが…
そもそも「転移再発で痛みが出るもの」は骨転移だけと考えていいのです。
よく、「乳がんと診断」されて針生検のあとに「脇の下が痛い」⇒「腋窩リンパ節転移ではないか?」という心配をしている人がいます。(このQandAでも多いですが、実際の診療の場でも多いです)
⇒しかし、「リンパ節転移で痛みが出る」ことなどそもそもないのです。
「来月で術後1年になりますがあちこち痛いと言われる患者さんはいますでしょうか?」
⇒その通りです。
たくさんいらっしゃいます。
質問者様から 【質問10 】
今後の治療について
性別:女性
年齢:41歳
病名:
症状:
リュープリン注射についてなんですが2年のところを1年
延ばして3年やりました。
先月病院へ行った時に主治医の先生からリュープリン注射を延ばすか聞かれました。
5年と言われましたがぜったい5年やらないといけないと言うわけではないから途中で辞める事も可能と言われ「続けます」と返事をして帰ったのですが、正直今後もリュープリン注射を続けるべきか悩んでいます。
田澤先生のご意見をお願いします。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答10】
こんにちは。田澤です。
「田澤先生のご意見をお願いします。」
→5年間です。
LH-RHagonistは過去には「2年~3年」と言われていましたが、現在
5年が標準です。