[管理番号:2568]
性別:女性
年齢:36歳
昨年12月、肉芽腫性乳腺炎と診断された者です。
断乳後7カ月経過してります。
ただ、左は陥没気味だったので、右だけ授乳で使っていました。
左はほとんど使っておらず、古い母乳がたまっている状態だと思います。
11月中旬、乳腺炎の痛みとはれがあり、近くの婦人科へいき絞ってもらいました。
血液検査をし、炎症の数値が少し高いくらいなので、軽い乳腺炎でしょうと診断され、絞って処置をしました。
黄色いどろっとしたものやっとでてくるといった感じでした。
激痛でしたが出したほうが良いというので頑張りました。
抗生物質とポンタールを処方され、1週間飲んでもよくならず、また追加で1週間分処方されました。
飲んでも、しこりはとれず、絞ってももう黄色いどろっとしたものは出てこず、普通の白い母乳がでてきました。
それでもしこりは消えず、近くの乳腺外来へ行ったところ、これはがんかもしれないと、7×5センチのしこりをみて、これはほっておけないとその日のうちに、レントゲン、CT造影剤、マンモ、超音波、針生検(4か所)をおこないました。
2週間後の結果は良性。
おそらく肉芽腫性乳腺炎だろうと結果はでましたが、100%がんではないとは言い切れないと言われました。
針生検査の場所によっては、違う結果になるかもしれないと、また様子をみて針生検をしたほうが良いと。
治療はステロイドで様子を見ることになりました。
1日20mgからスタートして2週間後に1日10mgで様子を見てましが、
1ヶ月後、赤く腫れあがり膿がたまりだしました。
2度ほと注射器で抜きましたが、また貯まるため、切開してドレーンを入れました。
それも落ち着き、傷口もふさがってきたところ、また別のところが痛み出し赤くなってきてます。
今でも1日10mgのプレドニンは服用してます。
しこりは当初よりはちいさくなってきたものの、まだある状態です。
初期に先生に、がんではないとは言い切れないといわれてから不安なままです。
膿がでているということはがんではなく肉芽腫性乳腺炎で間違いないのでしょうか。
いずれ切除手術も視野にいれています。
状況次第だとは思いますが、いつ頃手術を考えてもよいのでしょうか、膿がでている段階では無理でしょうか、よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
肉芽腫性乳腺炎ですね。
結構めずらしいので、慣れていない医師だと診療に不備がでやすいので注意が必要です。
メール内容を読みました。
症状及び、診療経過は「典型的な肉芽腫性乳腺炎」と言えます。
担当医が「初診時、癌を疑っている」ことも、(針生検で肉芽腫性乳腺炎と診断されていながら)「癌の可能性もまだ捨てきれない」とコメントしているところも、『正に、典型的』と言えます。
治療経過としては「ステロイド内服」が開始されているところからは「正しい診療」 プレドニン20mg⇒(改善傾向を認めたら)徐々に減量していきます。(ただ、20からいきなり10mgではやや早すぎる印象があります)
炎症の急性期には「膿瘍形成」することも良くあります。
ただし、「ステロイド継続」していく中で徐々に改善していきます。
○腫瘍が(少しずつでも)小さくなっていけば「癌ではない事が確認」できて安心です。(癌はステロイドで小さくはなりません)
「それでもしこりは消えず、近くの乳腺外来へ行ったところ、これはがんかもしれないと、7×5センチのしこりをみて、これはほっておけないとその日のうちに、レントゲン、CT造影剤、マンモ、超音波、針生検(4か所)」「2週間後の結果は良性。おそらく肉芽腫性乳腺炎だろう」
⇒非常によくある「典型例」と言えます。
「100%がんではないとは言い切れないと言われました。」
⇒このあたりも「典型的なコメント」と言えます。
「針生検査の場所によっては、違う結果になるかもしれない」
⇒可能性は低いと思います。
ただ、最初からマンモトームにすれば「組織量も多いので診断に安心感」があります。
「治療はステロイドで様子を見ることになりました。」
⇒正しい診療です。
「1日20mgからスタートして2週間後に1日10mgで様子を見てましが、1ヶ月後、赤く腫れあがり膿がたまりだしました。」
⇒プレドニンの漸減が「早すぎる」きらいがあります。
改善を確認したら、まずは「15mg」へ減量すべきでした。
「2度ほと注射器で抜きましたが、また貯まるため、切開してドレーンを入れました。それも落ち着き、傷口もふさがってきたところ、また別のところが痛み出し赤くなってきてます。」
⇒まだ急性期が治まっていないのです。
「今でも1日10mgのプレドニンは服用してます。」
⇒ステロイドは「かなりの長期投与(半年見当)」となります。
あまりにも「早い時期に」減量を急ぐと(ステロイドは早く減量したいという気持ちも解りますが…)再燃してしまいます。
「しこりは当初よりはちいさくなってきたものの、まだある状態です。」
⇒そんなに急激には「小さくはならない」ものと思ってください。
「先生に、がんではないとは言い切れないといわれてから不安なままです。」
⇒経過からは「肉芽腫性乳腺炎」の典型例です。
癌はステロイドでは小さくなりません。
「膿がでているということはがんではなく肉芽腫性乳腺炎で間違いないのでしょうか。」
⇒(経過からは)ほぼ間違いないでしょう。
「いずれ切除手術も視野にいれています。状況次第だとは思いますが、いつ頃手術を考えてもよいのでしょうか」
⇒ステロイドできっちり「聞かせてから」すべきです。
中途半端な時期に行うと「再燃」します。
「膿がでている段階では無理でしょうか」
⇒無理(というか、止めるべき)です。
○肉芽腫性乳腺炎」は「じっくり構えないと、再燃し易い」疾患です。
慌てずに腰を据えて治療を進めましょう。
質問者様から 【質問2】
先日は、質問にお答えいただきありがとうございました。
とても助かりました。
昨年の12月に肉芽腫性乳腺炎と診断されてから8か月。
ステロイドの治療も終わり、とりあえず完治となりました。
副作用も大変でしたが、7センチあった大きなしこりもなくなり、ステロイドをやめても膿がたまる様子もなくなり治療も終了しました。
また、先生のコラムを見たところ、最後のステロイドは5→4→3と徐々に下げていきましたが、私は最後は5mgを1ヶ月半続けて終了になりました。
再発がとても心配ですが、たまに膿を出すために1月に切開した傷跡が痛むのか、患部が痛むのか、チクチクといった違和感はありますが今のところ大丈夫です。
お医者さんに聞き忘れてしまったのですが、今後のがん検診はいつから行って良いのでしょうか、というのは最近乳がん検診(超音波)のお手紙が市から届きました。
治療も終わった今、いつ頃また検診へ出かけたら良いのか。
治療も膿がたまっていた頃はエコーをしましたが、膿が落ち着いた4月あたりからはエコーはしておりません
あたりからはエコーはしておりません。
早めに受けておきたいというの
が私の気持ちです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
肉芽腫性乳腺炎の治療が正しく為されて、大変良かったです。
「治療も終わった今、いつ頃また検診へ出かけたら良いのか。」
⇒いつでも大丈夫です。
普通に検診を再開しましょう。