[管理番号:2529]
性別:女性
年齢:47歳
こんにちは。
初めて利用させて頂いております。
今年1月上旬、近所のクリニックで乳がん検査(マンモグラフィー)を行ったところ、石灰化が見つかりました。
エコーには写りませんでした。
その後、マンモトーム生検をしたところ、左胸に非浸潤癌が2つ見つかりました。
大きさは、どちらも2ミリ程度の小さなもので、2つの距離は2センチです。
すぐに大きな病院に行くように紹介状を渡され、翌日、とある病院を受診しました。
そこの先生は、よくこんなに小さいものを見つけてくれたと感心していました。
手術方法には、温存、皮下乳腺全摘、全摘があり、それぞれのリスク、良い点も話して頂きました。
私は最初は温存を希望していました。
その場合は、直径6センチ程メスを入れて、中を取る方法だと言われました。
ただ、クリニックでマンモトーム生検をしたときにクリップを入れてなかった為、今どこに癌があるのかよくわからないという手術の困難さがあると言われました。
もし取り残しがある場合は、再手術になると説明を受けました。
もし、温存を選んだのであれば、その後、MRIの検査に入る予定でした
が、決断に1週間時間をもらい、最終的には皮下乳腺全摘を選びました。
その理由は、「再発が怖いから全摘にして欲しい」という母の言葉でした。
手術は3月下旬ですが、正直な所、この自分の判断に非常に迷っています。
せっかく初期に見つけてもらったステージ0の癌なのに、全部取る必要があるのかと。
そこで質問があります。
①クリップを入れていないことで、いま癌がどこにあるのか正確に分からない困難さがあると言われました。
温存にしなかったのでMRI検査をしなかったのですが、もしMRIをしたら、どこにあるのか正確にわかるのですか?それとも、MRIにも映らない位小さい癌などあるのですか?
②非浸潤がんと思って手術したら、周りに浸潤癌があったり、非浸潤から癌細胞が飛び出していたりすることもあると言われました。
手術と病理検査をしないと分からないことが多いと説明されました。
手術前に分からないことって本当にあるのですか?
③温存→放射線治療した場合の、再発率はどれ位ですか?
以上です。
もし過去に似たような質問あれば申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
石灰化ですね。
「マンモトーム生検をしたところ、左胸に非浸潤癌が2つ見つかりました。大きさは、どちらも2ミリ程度の小さなもので、2つの距離は2センチです。」
⇒これは(マンモグラフィーで2cm離れた)2箇所の石灰化を「其々ステレオガイド下マンモトーム生検をして、そのどちらも非浸潤癌だった」ということですね。
「クリニックでマンモトーム生検をしたときにクリップを入れてなかった為、今どこに癌があるのかよくわからないという手術の困難さがあると言われました。」
⇒私自身はステレオガイド下マンモトーム生検(ST-MMT)で「クリップを入れた事は一度もありません」
実際は、
①超音波で「針の通り道がわかる」
②マンモグラフィー(ST-MMT前)の石灰化の部位から、推定できる
この①と②を組み合わせて「十分、安全に」温存手術が可能です。
「①クリップを入れていないことで、いま癌がどこにあるのか正確に分からない困難さがあると言われました。」
⇒上記コメント通りです。
私は、「常にその状態で手術をしている」ので、何も問題には思えません。
「温存にしなかったのでMRI検査をしなかったのですが、もしMRIをしたら、どこにあるのか正確にわかるのですか?」
⇒MRIを万能に思っているようですが、それは誤りです。
MRIはあくまでも参考程度です。(他に見逃しがないかどうか)
「それとも、MRIにも映らない位小さい癌などあるのですか?」
⇒「石灰化病変」は殆どMRIでは見えません。
「②非浸潤がんと思って手術したら、周りに浸潤癌があったり、非浸潤から癌細胞が飛び出していたりすることもあると言われました。」
⇒私のデータではST-MMTで非浸潤癌と診断されたものの92%は非浸潤癌ですが、8%は(手術標本では)浸潤癌でした。
「手術と病理検査をしないと分からないことが多いと説明されました。手術前に分からないことって本当にあるのですか?」
⇒沢山あります。
全体が「非浸潤癌」なのか、「微小浸潤が存在するのか?」も、その内のひとつです。
「③温存→放射線治療した場合の、再発率はどれ位ですか?」
⇒きちんとした断端を確保すれば、5%程度だと思います。