[管理番号:2467]
性別:女性
年齢:44歳
初めてまして。
先月、部分切除手術を受け、先週病理検査の結果をきいてきました。
浸潤性硬癌 大きさ1.5センチ リンパ・遠隔転移陰性 ホルモン受容陽性 核グレード2 ki67
10%低 リンパ管浸潤陽性です。
乳管内進展がもう少し広いと思われるので、追加手術をするのですが全摘出を進められました。
また、術後はノルバディックスのホルモン療法のみとのことです。
核グレードとリンパ管理浸潤があるのにホルモン療法だけでいいのでしょうか。
小さい子どももいるので完治したいです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN0, luminalA, NG2
「術後はノルバディックスのホルモン療法のみ」
⇒標準治療と言えます。
抗がん剤は不要です。
「核グレードとリンパ管浸潤があるのにホルモン療法だけでいいのでしょうか。」
⇒全く問題ありません。
「核グレード2」も「リンパ管侵襲」も普通のことです。
質問者様から 【質問2】
先日はご回答、ありがとうございました。
抗がん剤をしなくてよいという先生のお言葉、安心しました。
追加手術について、今週決めないといけないので教えてください。
病理検査で放射線で当てる範囲より広めにガンが残っているように見受けられるので追加で部分切除手術をするか全摘出手術かのどちらかに決めないといけません。
先生はどちらがよいと思いますか。
再発リスクを考えると、やはり全摘出でしょうか。
その場合、同時再建を予定していますが、再建リスクはありますか。
また、追加手術はいつまでにした方がよいのでしょうか。
ホルモン療法をはじめているとはいえ、ガンが残っていると思うと、この期間中にリンパや臓器に転移してしまうのではないか、再発したら…と考えると夜も眠れません。
小さい子どを残したままなんて…完治可能は可能なのでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「広めにガンが残っているように見受けられるので追加で部分切除手術をするか全出手術か」「先生はどちらがよいと思いますか。再発リスクを考えると、やはり全摘出でしょうか」
⇒これは「実際の病巣の拡がり」を見ないと決めれらないことです。
一方向だけの「断端陽性」であれば、「再温存でいい」と思いますが、「多方向に断端陽性」であれば「全切除が安全」となります。
「その場合、同時再建を予定していますが、再建リスクはありますか。」
⇒「再建リスク」とは?
もしも「再建する事で、再発率が上がる」事を心配しているとしたら、無関係です。
「また、追加手術はいつまでにした方がよいのでしょうか。」
⇒基準はありませんが…
3カ月以内だと安心です。
「ホルモン療法をはじめているとはいえ、ガンが残っていると思うと、この期間中にリンパや臓器に転移してしまうのではないか」
⇒考え過ぎです。
心配ありません。
「完治は可能なのでしょうか。」
⇒pT1c(15mm), pN0, luminalA, NG2
十分な早期乳癌です。
根治の可能性のほうが、圧倒的に高い状況です。
質問者様から 【質問3】
お忙しいところ、何度も申し訳ございません。
先日、追加手術の件で受診したのですが、私の不安な気持ちを事前に看護婦さんに話していたため、今回も温存手術でも大丈夫ですよ、と言われました。
ただ、病理検査によってはまた手術が必要になり、次は全摘出になります、と。
前回は再発リスクを一番に考えると全摘出がいいとおっしゃっていたので、私も頭ではかわかっていたのですが、気持ちがついてきていないことをあらためて確認し悩んだため、看護婦さんに話したのですが。
私の気持ちに寄り添って頂いた結果の言葉ではありますが、どうしたらいいのかわからなくなってきました。
また、術式のホルモン療法が効いているかどうかは 定期検診ではわからない、と言われました。
女性ホルモンを測定したりして、数値が上がってきていれば、薬の量を増やす、種類を変えるなど、定期検診では再発リスクを下げるための対策はとられないのでしょうか。
再発しない=薬が効いているということでおしまいなのでしょうか。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
まず大事な事は「術後療法=再発予防」は「効果が解らない」ものであり、「何事も無く、無事に過ぎ去る」ことを目的としているのです。
○つまり、結果として再発しなかった人は「術後治療をしたから再発しなかったのか、(何もしなくても)再発しなかったのか」は永遠に解らないのです。
「術後のホルモン療法が効いているかどうかは 定期検診ではわからない、と言われました。」
⇒その通りです。
あくまでも「再発予防」です。
「ターゲットがない」のですから当然です。
「定期検診では再発リスクを下げるための対策はとられないのでしょうか。」
⇒そのようなものは「一切」ありません。
「再発しない=薬が効いているということでおしまいなのでしょうか。」
⇒「薬が効いているから再発していない」のか「薬が無くても再発しない」のかも含め「永遠に解らない」のです。