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治療方法

[管理番号:2388]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
12月○日に手術を受け、病理検査の結果が出ました。
pT1c
pN1a
ER 100%
PgR 100%
LUMINAL A
Ki-67 15%
c-erbB-2 10% SCORE2+
Fish Test HER-2neu
海外で手術を受け、こちらのガン科の医師に
予防治療のため化学治療とその後、放射線治療とホルモン療法を勧められました。
この治療方法はスタンダードなのでしょうか?
化学治療をする場合TC療法、AC療法、EC療法どれが適切だと思われますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c, pN1a, luminal A
「c-erbB-2 10% SCORE2+ Fish Test HER-2neu」
⇒この表現の後に「amplification(-)」などとなっていると想像します。
 ♯もしもFISH増幅(+)ならばluminal B(HER2陽性)となってしまいます。
 
「海外で手術を受け、こちらのガン科の医師に予防治療のため化学治療とその後、放射線治療とホルモン療法を勧められました。この治療方法はスタンダードなのでしょうか?」
⇒質問者はluminalAなので、焦点は「luminalA で化学療法を上乗せするとしたら、どんな時(条件)か?」となります。
 私の考えでは(折に触れ、このQandAでコメントしていますが…)リンパ節転移4個以上です。
 ♯その根拠はSt. Gallen 2015 votingでは「リンパ節転移1-3個で化学療法をする」<「リンパ節転移4個以上では化学療法をする」 だったのです。
 
 ★更に参考に以下の「SABCS 2015での発表」を載せます。
 
 高リスク閉経前Luminal A型乳癌患者には、術後化学療法のベネフィットは見られない:DBCG77B(前向き無作為化試験)の後ろ向き研究の結果より(SABCS 2015)
 この高リスクについてであるが
 1977-1983に「腫瘍径5cm超」または「腋窩リンパ節転移陽性」が対象
 化学療法の内容は(時代背景を色濃く示すもので)
 CMFもしくは経口エンドキサン
 結果として対象者は
  腫瘍径2cm超が68%
  リンパ節転移陽性が90%
  化学療法を受けていたのは77%
 ○10年無再発生存に、「化学療法施行群」と「化学療法未施行群」で差が無かったのです。
「化学治療をする場合TC療法、AC療法、EC療法どれが適切だと思われますか?」
⇒もし行うとすれば(私であれば)TCを選択します。
 「TC > AC」(SABCS 2007)があるのです。 AC=ECと思います。