［管理番号:2380］
性別:女性
年齢:33歳
初めまして。
お世話になります。
術前薬物療法中で、今weeklyパクリタキセルの10回目が終わったところです。
その後に予定されているACについてですが、3週に1回と2週に1回のどちらが良いでしょうか。
細胞診の結果:
核異型スコア2
核分裂スコア2
核グレード2
ER Allred PS2 IS1 TS3
PgR Allred PS1 IS1 TS2
HER2 score0
Ki67 34.0%
波及度:g in situ ca+
invasive ducal carcinomaを認める。
内部は壊死。
中級度のリンパ球湿潤を認める。
少量ですが間質に基質様物質沈着あり。
matrix producing
carcinomaの可能性あり。
dose denseは前の細胞診をした病院で進められたものです。
欧米では主流で効果が高いと言われているし、やや強くでる副作用も若い(33歳)なら耐えられると。
今治療を受けている病院では、stageが低いなら効果はそんなに変わらないから無理してやることはないのではないかと言われています。
私はほんの少しでも効果が上がるのなら副作用にも耐えきりdose denseにしたいと思います。
でも、期間が短くなるのがdose denseのメリットだけれども、普通抗癌剤から手術までは1ヶ月あけるところゴールデンウィークをはさむため、1ヶ月と1週間あいてしまうそうです。
なの実際の手術日は2週間しかかわりません。
1ヶ月と1週間の無治療の長い間に癌細胞が増殖しないかも心配です。
先生ならどちらを勧められるでしょうか。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「術前薬物療法中で、今weeklyパクリタキセルの10回目が終わったところです。」
「その後に予定されているACについてですが、3週に1回と2週に1回のどちらが良いでしょうか。」
「私はほんの少しでも効果が上がるのなら副作用にも耐えきりdose denseにしたいと思います」
⇒それであれば、「dose dense」でもいいとは思いますが、注意点は2点です。
①化学療法前の状況として（これの記載が無く、不明ですが）リンパ節転移が無い
（疑われていない）場合には「dose denseの有効性は証明されていない」点
つまり「もしも質問者がリンパ節転移無しであれば、無理してやっても意味が無い」
②dose denseをすることで「その副作用により」せっかく順調にいっていた「抗がん剤のスケジュールに中止や遅延などのリスクを高める」ことになる
以上を考慮して決めてもらうといいでしょう。
「１ヶ月と1週間の無治療の長い間に癌細胞が増殖しないかも心配」
⇒それは考え過ぎです。
大差ありません。
「先生ならどちらを勧められるでしょうか。」
⇒「今治療を受けている病院では、stageが低いなら効果はそんなに変わらないから無理してやることはないのではないか」とあるので、「dose denseのメリットはあまりない」と思います。
それよりも「確実に治療を完遂する」ことが重要です。
質問者様から 【質問２】
田澤先生、お忙しいところお返事いただきありがとうございました。
確実に治療を完遂したいと思います。
注意点1より:
抗癌剤前にPET検査とリンパの細胞診をして、転移はみられませんでした。
サイズは2.5cm→1.7cm(8回目終了時)です。
パクリはゆっくり効いていると言われているものの、ACでもっと効果が出て欲しいです。
2より:
先生のおっしゃる通りスケジュール通りに治療をすることを優先する場合についてです。
3週のACだと白血球数が足りずに延期になる場合があると聞いています。
2週だとジーラスタにより確実にスケジュール通りに出来ると思うのですがどうでしょうか。
それとも強い副作用による遅延のリスクのほうが大きいのでしょうか。
ご回答いただけると嬉しいです。
田澤先生から 【回答２】
こんにちは。田澤です。
「注意点1より:抗癌剤前にPET検査とリンパの細胞診をして、転移はみられませんでした。」
⇒リンパ節転移無では「dose denseの有効性」は明らかではありません。
「3週のACだと白血球数が足りずに延期になる場合があると聞いています。2週だとジーラスタにより確実にスケジュール通りに出来ると思うのですがどうでしょうか。」
⇒「3週のＡＣ」でも「中間で（白血球が下がれば）フィルグラスチム投与」行えば大丈夫だと思います。
「それとも強い副作用による遅延のリスクのほうが大きいのでしょうか。」
⇒体にかかる負担を考えれば「当然」そうなります。
「リンパ節転移無」では「dose denseの有効性に疑問視」が有る以上、（一般的な）スケジュールの方が安心と思います。