[管理番号:2296]
性別:女性
年齢:34歳
はじめまして。
昨年末、左胸乳がん温存手術、腋窩リンパ郭清を受けました。
そして病理検査結果が以下のようにでました。
腫瘍径2.10×1.70×1.80cm
核異型スコア2 核分裂スコア1 核グレード1
ER.Allred PS5 IS2 TS7,PgR.Allred PS5 IS3 TS8
HER2.score1弱陽性30%
リンパ節転移Level1 (15/1) Ki-67 8%
担当医は抗がん剤、放射線、ホルモン治療を勧めてきました。
また、術前検査ではルミナールAと診断されていたのですが術後はルミナールBと言われました。
なぜルミナールBなのでしょうか?
また本人の納得する治療法で決断をして欲しいと言われ判断に困っています。
今後妊娠出産を強く希望しています。
田澤先生なら今後の治療法をどのようにお考えになりますか?
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
はじめまして。
pT2(21mm), pN1, NG1, luminal A
「担当医は抗がん剤、放射線、ホルモン治療を勧めてきました。」
⇒「luminal AでNG1, Ki67=8%」では抗がん剤の効果はかなり限定的であり、「リンパ節転移1個」は抗がん剤を進める根拠には極めて乏しいと思います。
「術前検査ではルミナールAと診断されていたのですが術後はルミナールBと言われました。なぜルミナールBなのでしょうか?」
⇒このメール内容からは「明らかなルミナールA」です。
○可能性があるとしたら、「手術標本で免疫染色(ER, PgR, HER2, Ki67)を追加」して、どれかの数値が変わった場合となります。(このメールからは読み取れません)
「今後妊娠出産を強く希望しています。田澤先生なら今後の治療法をどのようにお考えになりますか?」
⇒まず抗がん剤は不要です。
34歳なので「LH-RHagonistの適応」もあります。
結局「タモキシフェン5年+LH-RHagonist(この投与期間のデータは無)」となります。
あとは、「妊娠出産」と「ホルモン療法」の順番ですが…
一般的には「2~3年ホルモン療法」⇒「妊娠出産」の選択が多く見受けられますが…
私であれば「むしろ、妊娠出産を先行」⇒その後「ホルモン療法」を勧めます。
○妊娠出産は「再発リスクを上げないことが解っている」のです。