[管理番号:2261]
性別:女性
年齢:35歳
いつも拝見させていただいています。
とても勉強になっております。
昨年、35歳でトリプル
ネガティブ乳ガンになってしまいました。
まだ幼い二人の子どもがいます。
35歳になったので検診に行ったところ、エコーで見つかりました。
12月に手術、持病があるので全摘しました。
病理結果
トリプルネガティブ 浸潤
部分1、8ミリ 硬癌
ER,PR 0% 核グレード1
組織グレード2
Ki67 13%
リンパ管浸襲あり
微小転移あり
ステージ2a
早期発見だと思っていたのに、この病理結果にショックを受けています。
トリプルネガティブでリンパ節転移。。。
不安しかありません。
主治医の先生は、全摘したし、何もしなくていい。と言われました。
もし、抗がん剤をしたいのならば、TC療法とも言われました。
まだ、35歳だし、トリプルネガティブなので私は抗がん剤をしたいと思っております。
また、微小浸潤なのに、リンパ節転移をおこしていることが、勢いがあるのではないかと思い、不安です。
トリプルネガティブで微小浸潤、微小転移の場合の治療方針はどのようにお考えされますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1a(1.8mm), pN1mi, NG1, triple negative(但しKi67=13%と非常に低値なので、一般的なtriple negativeではないようです)
⇒十分な早期です。
「早期発見だと思っていたのに、この病理結果にショックを受けています。トリプルネガティブでリンパ節転移」
⇒全く心配ありません。
○triple negative…最大浸潤径1.8mmでは、全く問題ありません。「腫瘍(浸潤径)の小ささは最大の武器」なのです。
○微小転移(pN1mi)…これも全く問題ありません。 「微小浸潤は予後に影響を与えない」ことが解っています。つまり「リンパ節転移無し」と考えていいのです。
「不安しかありません。」
⇒無駄な心配です。
私の患者さんなら「再発のリスクなど考えず、安心」します。
「35歳だし、トリプルネガティブなので私は抗がん剤をしたいと思っております。」
⇒NCCNのガイドラインでは「pT1a, pN1miでは術後化学療法を考慮する」とはなっていますが…
「微小転移がリンパ節転移無と同等である以上」私は不要と思います。
「また、微小浸潤なのに、リンパ節転移をおこしていることが、勢いがある」
⇒イメージを膨らませ過ぎです。
「トリプルネガティブで微小浸潤、微小転移の場合の治療方針はどのようにお考えされますでしょうか。」
⇒無治療でいいと思います。
質問者様から 【質問2】
質問させていただいた翌日に返事をいただき、頭が下がる思いです。
本当にありがとうございます。
先生の返事の内容を読み、とても安心しています。
私のような症例は珍しいらしく主治医も正直、驚いています。
すみません、再度質問させていただきます。
私はリンパ管浸襲が目立っていたみたいですが、この事はリンパ節転移している以上仕方ないのでしょうか。
郭清はしていません。
また、トリプルネガティブは抗がん剤しか治療法がないので、高濃度ビタミン注射などをした方がより予後がいいのではないかと考えてしまいます。
トリプルネガティブでショックだけど、早期発見できた事をプラス思考に今後は余計な事は考えないようにします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「私はリンパ管浸襲が目立っていたみたいですが、この事はリンパ節転移している以上仕方ないのでしょうか。」
⇒仕方がないというより、「リンパ管侵襲がリンパ節への微小転移に関係」しているかもしれません。
「トリプルネガティブは抗がん剤しか治療法がないので、高濃度ビタミン注射などをした方がより予後がいいのではないかと考えてしまいます。」
⇒「高濃度ビタミンは効かない」と思います。
余計な事はしないことです。
「トリプルネガティブでショックだけど、早期発見できた事をプラス思考に今後は余計な事は考えないようにします。」
⇒「心安らかに生活する」ことが「ストレスからの解放」となり、いい影響を及ぼすでしょう。