[管理番号:2100]
性別:女性
年齢:45歳
初めまして。
針生検の結果から、抗がん剤の必要性について、田澤先生の意見をお伺いできればと思います。
病理結果:
ER=陽性(95%以上)
PR=陽性(95%以上)
HER2=score 2のため、FISH検査結果待ち。
Ki 67 =25%
ルミナールB
cT1NoMo, StageⅠ (13 mm大の腫瘤)
全摘手術後の治療方針予定:ホルモン治療+抗がん剤
HER2が陽性の場合は迷う余地がないと思うのですが、FISH検査で陰性となった場合、抗がん剤治療について決心がついていません。
現段階であれこれ悩むのもどうかと思いますが、術後の検査結果が出た
段階で、即時決断を迫られることになるかと思いますので、心に余裕の
あるうちに先生の見解をお伺いしたく思っています。
FISH検査が陰性の場合でも、Ki67が高いことから抗がん剤を進められていますが、このKi67は判断基準、および検査結果にばらつきがあるようなことを聞きました。
上記の情報だけでは不十分かもしれません
が、田澤先生も同じ見解で抗がん剤はするべきと考えますでしょうか。
また微妙なラインと判断する場合、オンコタイブDX検査を受ける価値はあると思いますでしょうか。
個人としては、できることなら抗がん剤治療は避けたいのですが、専門医の先生2人の意見が同じであるならば、治療を拒否できるほど度胸はありませんので、納得した上で治療を始めたいというのが本音です。
尚、今回の治療方針に影響しているかはわかりませんが、反対側の乳房は6年ほど前に非浸潤癌と診断され、温存手術をしています。
(今回はその術後の経過観察中に、対側に浸潤癌が見つかったという経
緯になります。)
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
cT1c(13mm), cN0, cStageⅠ, luminal type
「針生検の結果から、抗がん剤の必要性について、田澤先生の意見をお伺いできればと思います。」
⇒手術病理がまだなのですね。
「Ki67が高いことから抗がん剤を進められていますが、このKi67は判断基準、および検査結果にばらつきがあるようなことを聞きました。」
⇒質問者のおっしゃる通りです。
ただ、「Ki67だけで判断するとしたら」私は担当医とは逆に「Ki67=25%」であれば
「luminalA=化学療法は不要」と思っています。
○Ki67>30%ならば「luminalB」として化学療法を勧めますが…
「上記の情報だけでは不十分かもしれませんが、田澤先生も同じ見解で抗がん剤はするべきと考えますでしょうか。」
⇒できれば、「核グレード」が知りたいところです。
但し、「NewAdjuvant.com」でみると「化学療法による上乗せ効果」は「5%前後」
となるので、私は「ホルモン療法単剤」と思います。
「また微妙なラインと判断する場合、オンコタイブDX検査を受ける価値はあると思いますでしょうか。」
⇒私は必ずしも必要が無い状況だと思っています。
例えば「NewAdjuvant.comで10%前後」であり、「全てが悩ましい」際に行うべき
との立場です。