[管理番号:2075]
性別:女性
年齢:28歳
左胸の付け根(谷間の辺り)の疼くような、ズキズキ、ビリビリとした痛みが数日間続いています。
ずっと痛いわけではなく、痛かったり痛くなかったり、違和感だけだったりします。
また、乳頭のあたりも時々ピリピリとするような感覚があり、心配です。
胸が痛くなる前からですが、脇や背中もズキズキすることがあり、関係があるのかどうか…先月脇と背中の痛みでは内科や整形外科でCT、レントゲン、血液検査、尿検査で異常はなかったのですが…
乳がんの症状として当てはまるのでしょうか?
年内には病院に行けそうにないので、こちらに質問させていただきました。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「左胸の付け根(谷間の辺り)の疼くような、ズキズキ、ビリビリとした痛み」
「ずっと痛いわけではなく、痛かったり痛くなかったり、違和感だけだったり」「乳
頭のあたりも時々ピリピリ」
⇒典型的な「女性ホルモンによる刺激症状」です。
乳癌を心配する様な症状ではありません。
「乳がんの症状として当てはまるのでしょうか?」
⇒全くあてはまりません。
何故「乳癌が、そんなに広範囲な症状を引き起こす」と考えるのでしょうか?
♯ 「しこりが実際に触れて、そのしこりが痛い」のであれば心配する気持ちは解りますが、「正体不明の乳癌が、谷間の辺りから、乳頭や脇の痛みの原因になる」などは「考え過ぎ」です。
もしも、「ネットかテレビの情報」であれば残念なことです。
我々、実際に多くの診療をしている乳腺外科医としては、大変残念に思います。
質問者様から 【質問2】
こんにちは。
先日は質問にお答えいただきありがとうございました。
その後、痛みが治まったと思っていたのですが、先日生理終わっても、左乳房の谷間付近の疼きはまだあるようなのです。
ホルモンバランスの刺激症状というものは、そんなに長く続いたりする
ものなのでしょうか?気になって何度も胸を触ってしまいます。
押したりすると少し痛みもありますのでやはり心配です。
今までに生理での胸の張り以外こういったことがなかったので、ぜひ教えて下さい。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「その後、痛みが治まったと思っていたのですが、先日生理終わっても、左乳房の谷間付近の疼きはまだあるようなのです。」「ホルモンバランスの刺激症状というものは、そんなに長く続いたりするものなのでしょうか?」
⇒その通りです。
ストレスなどで「長期間、続く」ことも多いです。
「気になって何度も胸を触ってしまいます。押したりすると少し痛みもありますのでやはり心配です。」
⇒心配は解りますが…
「痛み症状」自体は「乳癌を疑う症状ではない」のです。
テレビやネットで「偏った情報」に「余計な不安を煽られている」としたら残念な事です。
○大事なことは「自己検診」です。
「しこりが気になる」ならば、「検診ではなく、乳腺外科を受診」してください。
「今までに生理での胸の張り以外こういったことがなかったので、ぜひ教えて下さい。」
⇒生理前に「胸が張る」のは「卵巣からの周期的なホルモン刺激症状」です。
この周期が乱れることが「ホルモンバランスが(ストレスその他で)崩れた状態」というのです。
つまり「生理と無関係にホルモン刺激症状が引き起こされた状態」と言えます。
その原因は決して「癌ではなく」 『ストレスなど』なのです。
質問者様から 【質問3】
こんにちは。
先日は質問にお答えいただきありがとうございました。
その後、痛みが治まったと思っていたのですが、先日生理終わっても、左乳房の谷間付近の疼きはまだあるようなのです。
ホルモンバランスの刺激症状というものは、そんなに長く続いたりするものなのでしょうか?気になって何度も胸を触ってしまいます。
押したりすると少し痛みもありますのでやはり心配です。
今までに生理での胸の張り以外こういったことがなかったので、ぜひ教えて下さい。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「その後、痛みが治まったと思っていたのですが、先日生理終わっても、左乳房の谷間付近の疼きはまだあるようなのです。」「ホルモンバランスの刺激症状というものは、そんなに長く続いたりするものなのでしょうか?」
⇒その通りです。
ストレスなどで「長期間、続く」ことも多いです。
「気になって何度も胸を触ってしまいます。押したりすると少し痛みもありますのでやはり心配です。」
⇒心配は解りますが…
「痛み症状」自体は「乳癌を疑う症状ではない」のです。
テレビやネットで「偏った情報」に「余計な不安を煽られている」としたら残念な事です。
○大事なことは「自己検診」です。
「しこりが気になる」ならば、「検診ではなく、乳腺外科を受診」してください。
「今までに生理での胸の張り以外こういったことがなかったので、ぜひ教えて下さい。」
⇒生理前に「胸が張る」のは「卵巣からの周期的なホルモン刺激症状」です。
この周期が乱れることが「ホルモンバランスが(ストレスその他で)崩れた状態」というのです。
つまり「生理と無関係にホルモン刺激症状が引き起こされた状態」と言えます。
その原因は決して「癌ではなく」 『ストレスなど』なのです。
質問者様から 【質問4】
こんにちは。
度々の質問、申し訳ありません。
そして、お忙しい中いつも丁寧なご回
答ありがとうございます。
前回の左乳房痛の件で、自己検診ではシコリがあるかどうかさえ分からないので、乳腺科の先生に診てもらいました。
触診→エコーで、左胸に約8ミリほどの真っ黒な楕円が見つかりました。
先生曰く、形がきれいなので「嚢胞」もしくは「乳腺線維腺腫」で、とりあえず問題はないけれどマンモもやりましょう、と言われ予約しました。
良性とはいえデキモノがある事がショックです。
帰宅後冷静になって疑問がわいてしまいましたが、
・嚢胞と乳腺線維腺腫は、確かに形が似ているようですが専門医でも区別が難しいものなのでしょうか。
嚢胞にしても、痛みがあるものですか?(私は今も胸の痛みがあります)
・乳腺線維腺腫は葉状腫瘍とも似ていて間違い易いというような情報も見ました。
これも、嚢胞か線維腺腫との診断でも実は葉状腫瘍だったと言う事はあるのでしょうか。
線維腺腫は触ると動くらしいですが、私は手で触ってもシコリすら分からないのです。
昨年秋から体調を崩すことが多く、体の痛みや不調にはかなり神経質になっています。
右乳房も痛くなってきました…。
嚢胞や線維腺腫がある限り痛みも消えないのでしょうか。
お忙しい中たくさん質問をしてすみません。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「自己検診ではシコリがあるかどうかさえ分からない」
⇒勘違いされる方が多いですが…
「何だか解らない」から自己検診しない。ではなくて、「自分の正常な状態を指に記憶させておく」ためにも「自己検診は継続」してください。
「左胸に約8ミリほどの真っ黒な楕円」「形がきれいなので「嚢胞」もしくは「乳腺線維腺腫」・嚢胞と乳腺線維腺腫は、確かに形が似ているようですが専門医でも区別が難しいものなのでしょうか。」
⇒典型的なのう胞(内部が完全な液体)であれば、「嚢胞と断言できる」のですが、「(ミルクがチーズになるように)内部の液体が固まる(=濃縮嚢胞と表現します)」と、「線維腺腫との鑑別が困難」となるのです。
「嚢胞にしても、痛みがあるものですか?(私は今も胸の痛みがあります)」
⇒勘違いされているようです。
「嚢胞とか線維腺腫が痛みの原因」となっている訳ではなく、「女性ホルモンの刺激による症状」があるので痛いのです。そして「その女性ホルモンによる刺激」により「乳管が閉塞して(内部の液体が貯留して)嚢胞ができる」のです。
「嚢胞か線維腺腫との診断でも実は葉状腫瘍だったと言う事はあるのでしょうか。」
⇒「(濃縮)嚢胞と区別しずらいような」線維腺腫は「葉状腫瘍」とは容易に(画像上)鑑別つきます。
安心してっください。
「線維腺腫は触ると動くらしいですが、私は手で触ってもシコリすら分からないのです。」
⇒「大きさ」です。
「大きければ」嚢胞でも線維腺腫でも乳癌でも触知するようになりますが、「小さいうちは」どれも触知しないのです。
「昨年秋から体調を崩すことが多く、体の痛みや不調にはかなり神経質になっています。」
⇒「体調不良」は「女性ホルモンの分泌の不安定」の原因とはなります。
「乳癌の原因」にはならないし、「乳癌が原因で体調不良になる」こともありません。
全く心配ありません。
「右乳房も痛くなってきました」
⇒これも「女性ホルモンの刺激」です。
「乳房痛を腫瘍と関連付ける」ことは辞めましょう(超音波で確認したのだから、心配する必要はありません)
「嚢胞や線維腺腫がある限り痛みも消えないのでしょうか。」
⇒全く逆です。
「痛みのあるようなホルモン環境」だから、「嚢胞」ができるのです。
線維腺腫も時に「乳腺症(=女性ホルモンによる刺激により乳腺が硬くなったり痛くなったりする症状を言います)」に伴ってできます。
○質問者も「超音波をして、乳腺専門医が心配無い」と言っているのだから、安心してください。