[管理番号:2058]
性別:女性
年齢:40歳
閉経前のホルモン療法についての質問です。
・40歳 浸潤癌で乳房部分切除
・術前検査では転移の可能性はないと思われていましたが、術中にセンチネルリンパ生検で陽性で腋窩リンパ廓清。
・病理検査結果は腫瘍計2センチ、細胞グレード1、断片陰性、転移は27/2でレベルⅠに2個、レベルⅡは0個でした。
術後は化学療法なしで放射線治療とホルモン療法
・ゾラデックス3か月に1回 + アロマシンの併用
・6年後~ノルバデックス
これから自分が受ける再発予防の治療について調べると、通常閉経前では抗エストロゲン薬5年に、場合によりLH-RHアゴニスト製剤2~5年を併用となっております。
「LH-RHアゴニスト製剤+アロマテーゼ阻害剤」は「LH-RHアゴニスト製剤+タモキシフェン」より効果が高いという最近のデータ(SOFT,TEXTの結果)もあり、併用投与を検討してもよいとなっていますが、これはあくまでも検討レベルであって現状の標準的な治療ではないのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問者は40歳ですから、通常であれば「タモキシフェン5年」が標準です。
「35歳未満」であれば「LH-RHagonistの併用効果も期待」されます。
「ゾラデックス3か月に1回 + アロマシンの併用」
⇒適応外治療です。
「アロマシン」はあくまでも「閉経後乳癌」にしか適応がありません。
海外の臨床試験で有効性が証明されたとしても、「適応外診療」は現に慎むべきです。
「これはあくまでも検討レベルであって現状の標準的な治療ではないのでしょうか?」
⇒その通りです。
少なくとも日本では「アロマシンは閉経後乳癌にしか適応がない」のです。