[管理番号:1901]
性別:女性
年齢:53歳
はじめまして。
現在以下の症状があり、乳がん(転移性乳がん)ではないかと心配になっています。
左胸の上の方(鎖骨と胸のちょうど中間あたり)、副乳~腕の付け根(前側と後方の両方)、左肩、左肩甲骨の辺りに痛みがあります。
慢性的にズキズキ、ピリピリするような痛みです。
乳房や脇の下のしこり・腫れ/乳房のへこみ、ひきつれ/湿疹や分泌液が出る等の乳頭の異常/
乳房の皮膚の発赤、ただれ等は見受けられません。
2ヶ月くらい前から痛みが酷くなってきました。
2年前くらいには左胸全体が痛み、MRIを撮りましたが特に異常はみられませんでした。
また5月に人間ドックでマンモとエコーを受けましたが、診断はBで「両側乳腺嚢胞」
「両側乳腺良性石灰化像」が見られましたが、一年後の経過観察で大丈夫でしょうとの診断でした。
ただ痛みがあまりにも強いので、しこりとして現れない乳がん(ごく小さい物)から発する転移性乳がんではないかと不安になっています。
昨日からは吐き気もあり、神経的なものかもしれませんが、頭か肝臓に遠隔転移しているのでは・・など悪い事ばかり考えてしまいます。
来年の末に初診でメディカルプラザ江戸川の予約が取れましたが、その前に田澤先生の所見が伺いたく質問させていただきました。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール読みました。
沢山の方が「同様の不安」を抱いているようですが、結論からいうと「癌ではありません」
「左胸の上の方(鎖骨と胸のちょうど中間あたり)、副乳~腕の付け根(前側と後方の両方)、左肩、左肩甲骨の辺りに痛み」
⇒典型的な「女性ホルモンによる刺激症状」です。
全く「転移を疑う」症状ではありません。
「しこりとして現れない乳がん(ごく小さい物)から発する転移性乳がんではないかと不安になっています」
⇒今まで「手術症例、転移再発症例併せれば、おそらく1万人以上は診療」している
経験で言わせてもらいますが、
「そんな特殊な乳癌」はありません。 安心してください。
①「非触知の小さな乳癌」は存在します。
②「皮膚から顔を出して出血する様な状態」だと「遠隔転移」もありえます。
ただし①と②を組み合わせて「非触知の小さな癌でも遠隔転移がある」というのは、
完全な誤りです。(絶対にありません)
(術後の再発というのとは話が別で)「初期治療の段階で乳癌が遠隔転移を伴うことは極めて稀」と覚えておいてください。
ましてや、「自覚しないような癌」で「遠隔転移を心配」するなど、とんでもありません。
ご安心を。