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葉状腫瘍の手術後の経過について

[管理番号:1657]
性別:女性
年齢:33歳
はじめまして。
インターネットで葉状腫瘍について検索しているうち、このサイトを見つけたので、お伺いさせて頂きます。
地元が○○ですので、何となく勝手にご縁を感じてしまいました。
何卒よろしくお願い申し上げます。
私は現在33歳、未婚、出産経験なしです。
2014年の年末に胸のしこりを発見(左胸内側、その当時で2.9cm程度)、針生検の結果繊維腺腫と診断されるとのことで経過観察をしておりましたが、2015年4月の検診ではサイズが5cm近くになっていたため、検査専門のクリニックより大学病院の紹介を受け、2015年5月に摘出手術を受けました。
摘出した結果、良性の葉状腫瘍との診断でした。
主治医からの説明では、未婚ということもあり、胸の形を考慮しながら摘出したため、一部充分なマージンをつけなかった、でも腫瘍自体はつるんと取れたので葉状腫瘍であっても再手術の必要性は感じられない、と言われました(詳細な分析結果は渡されていませんが、腫瘍を輪切りにした写真を見せられ、良性との話をされました)。
何となく心配だったため、検査で通っていたクリニックにもその話をしに行くと、「私もリスク等考慮するとそのような手段を取ると思う」と言われました。
2015年11月、半年後検診が大学病院でありました。その際、エコー検査を行ったのですが(摘出したしこり以外にも小さいしこりが、2015年5月の手術時も複数ありました)、
2015年5月と比較して特に大きくなっているしこりはありませんでした。
一方、「左胸の1つのしこり(しかし非常に小さい、手術した場所からは遠い)」が新たに1つ見つかったこと、「葉状腫瘍を摘出したすぐ近くにあるしこり」には今後も注意を要すると言われました。
「葉状腫瘍を摘出したすぐ近くのしこり」は、手術の際にも把握していたが取らなかった、と言われました(しかし手術前にはそのしこりがある話は聞かされていませんでした)。
確かに、手術時の画像と現在の画像を比較すると、両方、同じ個所にしこりのようなものが見え、新たに増えたわけではないようでした。
摘出した葉状腫瘍が圧迫していたため、以前は長細い形になっており、葉状腫瘍を摘出し組織を引き延ばしたため、はっきり画像にうつるようになっている、といった状況でした。
葉状腫瘍を摘出する前からあったしこりのため、再発ではないというのは私も画像から見て分かったのですが、それを手術時に摘出しなかったこと、「手術前から把握していた」という話ですが、その際には一切説明がなかったこと(胸の他の箇所のしこりについては説明があったため)に不信感、不安感がつのっている現状です。
画像の比較からこの半年間では肥大傾向はなさそうなので、このしこりは葉状腫瘍ではないという判断なのかもしれませんが、素人目にはわかりません。
但し、今後の関係性を考慮して、医師に対し、深く追求することができず、言われるままに帰ってきてしまい、未だもやもやした気持ちでいます。
次の検査は、半年後と言われております。
このまま針生検などせずに、経過観察という判断は通常のものなのでしょうか。
セカンドオピニオンとして先生のところにお伺いしようかも迷っています。
よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私の出身大学での診療のようですね。
診察室の風景も覚えています。(15年位は前ですが…)
私がまず注目したのは「2014年末で2.9cm⇒(僅か4カ月で)5cm近く」というところです。
そもそも「5cm」と言う時点で「注意すべき(万が一、葉状腫瘍を考えたら、マージンをきっちりつけるべき)」ですが、「増殖スピードが速い」ことを考えれば、私なら「マージンを1cmはつけます」
その辺りが大学病院らしい診療(私の出身大学なので、特に厳しく言いますが…)と言えます。
○葉状腫瘍の怖さを知っていれば、もう少し「安全性を優先すべき」なのです。

回答

「このまま針生検などせずに、経過観察という判断は通常のものなのでしょうか」
⇒画像を見ていないので、コメントしずらいのですが…
 
『「葉状腫瘍を摘出したすぐ近くにあるしこり」には今後も注意を要すると言われました。』
⇒「注意を要する」と言う位「気になる」のであれば、「針生検するべき」と思います。
 エコーで写る限り、「小さくて刺せない」などということはありません。
 
「セカンドオピニオンとして先生のところにお伺いしようかも迷っています」
⇒状況的には「緊急性は無い」とは思います。
 もしも、その「注意を要するしこり」の針生検を希望されるのであれば、「市川でも江戸川でも」受診してください。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先生、早速のご回答をありがとうございます。とても嬉しいです。
先生のおっしゃる通り、手術をするからにはなぜしっかりマージンをつけてくれなかったのかが非常に気になりました。
手術前は、葉状腫瘍だと怖いからマージンも取るし、これだけしこりが大きいと、胸の形が多少変わるかも、、
などと散々言われていたので覚悟していたものの、術後も胸の形がきれいなままでしたのでその点は大変感謝しているのですが、術後の話で先の質問のように「一部充分なマージンをつけず・・・」といった話をされたので、なぜ手術前にはあんなに言っていたのに実際そうしなかったのだろう、と不審に思ってしまっております。
針生検ですが、今回の腫瘍摘出の際も2.9cmの大きさで針生検をした結果は繊維腺腫で問題ないけど一応経過観察しましょう、という結果でした(診察専門のクリニックでの話です)。
少し変な質問になりますが、針生検の結果についても病院により分析結果が異なることはありますか。
今回ももし針生検をしても結果は繊維腺腫と出て、結局葉状腫瘍だった、、、というリスクがどの程度あるのか知りたく再度ご質問させて頂きました。
また、不自然な点があればすぐ来てほしい、と大学病院には言われていますが、傷痕は固く、違和感や痛みがある日もあり、ある意味しこりがあった時とあまり変わらない感触で、何を持ってして変化と言うのかイマイチわからず、不安な日々です。
そういった点につきましても何か変化確認のポイントなどがあればご教示頂けますと幸甚です。
葉状腫瘍は癌などの方と比べれば緊急性もないとは思いますが、情報が少ないことで、ただただ再発するのではないか、と不安を抱えた日々を過ごしています。
先生のような専門性をお持ちの方にこのようなサイト上でお答え頂けることが凄く救われます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
追伸:私の文章が誤解を招いたかもしれませんが、出身は○○ですが、現在は東京に暮らしており、手術は東京の某大学病院で行いました。こちらは病院がたくさんあるので全然良し悪しが分からない中、ネットで先生のことを見つけて何となく安心できたのでご質問させて頂いた次第です。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「針生検の結果についても病院により分析結果が異なることはありますか。今回ももし針生検をしても結果は繊維腺腫と出て、結局葉状腫瘍だった、、、というリスクがどの程度あるのか」
⇒これは、難しい質問です。
 「病院により」というよりも「病理医により」というのが実情です。
 「線維腺腫と葉状腫瘍(特に良性)」は「針生検での鑑別は困難」と考えてください。
 ただし、「明らかに線維腺腫」と判断できるものは大丈夫です。
 つまり、「fibroepithelial tumor 線維腺腫の可能性が高いが、葉状腫瘍も否定できない」という結果が出やすいのです。
 この場合には「葉状腫瘍だとしても、良性が殆ど」だと思います。
 「摘出するかどうか」は「エコー像で臨床的な判断」も必要となります。
 
「変化確認のポイントなどがあれば」
⇒質問者は「勘違い」しています。
 「変化」というのは「現状と異なる状況」になることをいいます。
 つまり「今の硬さや違和感は気にしない」ことです。
 ★シコリが大きくなったというのが「変化」です。