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全摘後の患部皮膚の状態について

[管理番号:1602]
性別:女性
年齢:51歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:880「リンパ節転移1個での化学療法の適応

 
 
いつもありがとうございます。
以前から不安に思っていることをお聞きします。
全摘でリンパ節郭清手術をしたあと3週間くらい経ってから、下を向いた時患側の奥に少し痛みがありその後その部分が赤くなり、それからどんどん胸全体が赤くなっていきました。
その頃、エキスパンダーを入れていたためそのために赤くなっているのかと思い、形成の先生に診てもらったところ大丈夫でしょうとのことでした。その後も1ヶ月経っても真っ赤なままなので、温泉に行ったときにそれを見た母が驚いてすぐ診てもらった方がいいと言ったため次の乳腺外科の診察で診てもらいましたが、浮腫でしょう言われました。
そのあと(手術から1ケ月半後)エキスパンダ-を抜去したあとはその赤味は黒っぽくなっていきましたが健側の色とは違いまだ赤黒い色が残っているような状態でした。
それからまもなく手術の傷跡の近くに点くらいの小さい穴があることに気づき、針生検の痕かな、と思いましたが、その小さい穴と手術の傷跡を挟んで反対側にも同じようなへこんだ点ができて、だんだん傷の周りの皮膚が硬くきめが粗くなってきました。
しわが寄って皮膚がしぼんでしまったようにみえます。
赤黒い色が残ったまま放射線治療が始まりましたので(現在も治療中)、放射線の影響で色がついてきたため色の変化はわからなくなってしまいましたが、皮膚の色以外にも放射線の前から皮膚に穴があいたように毛穴がぶつぶつとなっていたためQ&Aの炎症性乳がんの症状をみてずっと気にかかっています。
手術直後は皮膚の状態は健側と変わりはなかったのですが、3週間後だんだん赤味がでてきて、さらに1ケ月半後エキスパンダーを抜いてからしばらくしてからは赤味は収まりましたが、皮膚が縮んで硬くなり傷の周りがしわしわできめが粗くなりました。
このように手術の後は皮膚の質感も変わるものでしょうか?
その症状がでてからすぐ放射線治療を始めたため放射線の影響なのかわかりにくくなってきていますが、最近は硬く引っ張られるような感覚と触るとごわごわとした違和感があります。
手術後、乳腺外科の担当医は一度しか胸の診察はしてもらっていません。次は2か月後まで診察の予約はありません。形成と放射線科の先生はよく診察をしてもらっていますが、
専門外の先生でも炎症性乳がんは診てわかるような症状でしょうか。
炎症性乳がんは乳腺を取った後でも起こることはあるのでしょうか。リンパ節もLevelⅡ
まで郭清しています。乳腺ではなく皮膚に起こるものなのでしょうか。最初は真っ赤でしばらくすると赤黒くなったのですが、炎症性乳がんは色の変化はありますか?
それから、以前針生検をした部分の直上の皮膚は手術で取り除くことが多いとお聞きしましたが、私は手術後見た目では皮膚が取り除かれたようには見えません。2か所の針生検の部分がありますが、もし皮膚が取り除かれたなら通常見てわかるものですか?
次回の診察で担当医にこのことを聞く場合、「針生検した皮膚は取り除かれましたか?」とういう聞き方で間違いはありませんか?
とりとめのないことを書き連ねてしまい申し訳ありません。
だんだん怖くなってきました。よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず確実に言えることは「炎症性乳癌ではない」ということです。
理由は3つもあります。
①炎症性乳癌は「抗がん剤を使わない限り」改善することは無い。どんどん酷くなります。
②質問者は乳腺を既に摘出しています。 その状態で「炎症性乳癌」は全くナンセンスです。
③(形成外科医や放射線科医はおいておくとして)乳腺外科医も一度診ています。
乳腺外科医が「よもや、炎症性乳癌を見逃したとしたら、何を信じるのでしょうか?」
私が(文面から経過のみで)判断するには「普通の炎症(エキスパンダーが影響してそう)」による「赤みと浮腫」と思います。
理由としては
・エキスパンダーを抜去して改善していった
・術後しばらくしてからの症状である

回答

「このように手術の後は皮膚の質感も変わるものでしょうか?」
⇒これは「炎症後の変化」でしょう。
 
「専門外の先生でも炎症性乳がんは診てわかるような症状でしょうか」
⇒当然解らないとは思いますが…
 ただ、「只事でない」ことは解ります。
 ○質問者が実際に見た事がない(当たり前ですが…)ので仕方が無い事ですが、
「炎症性乳癌は一目で只事でない」事は誰の目にも明らかです。
「形成の先生に診てもらったところ大丈夫でしょうとのことでした」「乳腺外科の診
察で診てもらいましたが、浮腫でしょう言われました」
⇒「炎症性乳癌」をみて、こんなコメントにはならないことは「断言」できます。
 
「炎症性乳がんは乳腺を取った後でも起こることはあるのでしょうか」
⇒起こりません。
 
「最初は真っ赤でしばらくすると赤黒くなったのですが、炎症性乳がんは色の変化は
ありますか?」
⇒治療しない限り「どんどん真っ赤」になります。
 私は実際に見た訳ではありませんが…
 2人の医師が見て「見逃す」ような「炎症性乳癌」なんて… 心配し過ぎです。
 
「もし皮膚が取り除かれたなら通常見てわかるものですか?」
⇒通常は、乳房切除する際に「針生検の部分の皮膚を含むような」皮切ラインとする
ことで対応します。
 つまり「そのようにした場合」には「全く見分けがつかない」のです。
 
 
『「針生検した皮膚は取り除かれましたか?」とういう聞き方で間違いはありませんか?』
⇒間違いありません。
 要は「針生検の跡を含むように皮膚を切除したのか?」ということです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

いつも心の支えにしております。
本日は、手術後の検診についてご相談申し上げます。
乳がん切除手術から9ケ月が経過しました。
病理診断の結果です。
右乳房に浸潤がん巣(小葉がん)3箇所あります。
 
センチネルリンパ節転移(1/1)LevelⅠⅡ(0/14)
①Grade1 0.9cm ER95% PgR95% Ki-67 2.5%
②Grade1 0.6cm ER95% PgR10% 腺内にとどまります。
③Grade1 0.5cm ER95% PgR0%  Ki-67 0%
  広い範囲(約7cm)にLCISの所見が観察され、複数個所で間質浸潤が確認されます
が、おおむね上記の3箇所と判断されます。
リンパ管浸潤、脈管浸潤は認めません 
手術後、乳腺外科にフェマーラの処方で約3ケ月毎に通院しておりますが、患側、健側共に一度も超音波検査をしていただいたことがありません。
手術当初は、手術から3ケ月後の診察の時に診ていただけるのかと思っていましたが
視診や触診もなく、その時はこちらから皮膚の赤味について伝えたため皮膚の状態だけ診ていただけました。
さらに手術から半年後に受診したときにも超音波か何かで診ていただけるのかと思いましたがやはり薬の処方だけだったので、思い切って今後の検診の予定について尋ねてみると、手術から一年後に健側のマンモグラフィをするだけで超音波は推奨されていないのでこれからもしないというお話しでした。
そこで、ほかの検査はどうですか?と聞くと、主治医がご希望ならやります、とおっしゃたので、PET-CTは術前に撮ったばかりで線量が心配だったため咄嗟にMRIでの検査をお願いしました。
その後MRIの結果は異状なしとのことでした。
このように一年目までは患者からの申し出がないと何も検査はなく、超音波検査は今後もないということでした。
私は小葉がんのため対側の新たな発症をとても心配しています。
また、手術した側の筋肉?全体が硬くなり、痛みやつっぱり感があります。
瘢痕拘縮によるものかと思いつつ様子を見ていますが、手術の傷周りだけではなく胸全体がかちかちに固まって、胸の外側辺りがどんどんへこんだように締め付けられてでこぼこしています。
そのせいか肩があがりません。
こんなふうに乳腺を全部取っているからといっても定期的な検査がないと、胸壁の再発がこわくてとても不安です。
胸壁の状態を超音波で診ていただきたいのですが、乳腺をすべて取った場合(リンパ節郭清LevelⅡまで)は、通常、乳房の超音波はしないものでしょうか?
胸壁の再発やその他の再発は自覚症状で気づくようなものですか?
また、LevelⅠLvelⅡまでリンパ節郭清をしたら、ほとんど鎖骨や首のリンパ節に局所再発はしないのですか?手術直後から手術側の鎖骨の上辺りが痛かったので主治医に聞いてみたところ、手術であちこちいじくっているから、というお答えでした。
今も時々痛むのですが、超音波であれば胸壁の状態や鎖骨、首、腋窩のこともわかりますか?
私は昨年度の市の健診のマンモグラフィで異状なしと言われていましたが、同時期に
たまたま対側の良性のしこりのことで別の医療機関を受診してがんがみつかりました。
それまでしこりなどの自覚症状や健診での指摘はありませんでした。
このように対側の良性の検査でみつかったがんですが、当初はその病院でもマンモグラフィや超音波ではみえにくく、MRIと併せて疑わしいということになり針生検で確定しました。
その時の先生のお話しでは、画像上見えたしこりは中心があまり鮮明ではなくて、超音波で見えたり見えなかったりするようでした。
また触診においてもしこりは感じられず、あとで考えると大きさの左右差がかなりありました。
がんのある右胸の方が左胸に比べてかなり小さかったです。
これが唯一はっきりわかる異状でした。
がんがわかったときに右胸が明らかに小さくなっていたことから、今手術した方が硬く
引っ張られたように感じる痛みは小葉がんの症状ではないかと思い不安でいっぱいです。
右胸の中がどうなっているのか内部のことがとても気にかかります。
  
私は西日本在住ですが、もしできるのなら田澤先生に定期的に診ていただきたいです。
3ヶ月に1回か、半年に一回、田澤先生に診ていただくことは可能でしょうか?予約して何か月でもお待ちします。
このサイトで一年以上お世話になっている先生への信頼は特別です。
図々しいお願いで恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
  
[補足]
私は、術後1ヶ月目からフェマーラを服用しています。
また、手術のあと自家組織で再建する予定で手術と同時にエキスパンダーを挿入しましたが、術後リンパ節転移があることがわかり悩んだ末、生存率が数パーセント上がるならとエキスパンダーを抜去して、
放射線25回照射しました。
化学療法については、ルミナールAでリンパ節転移1個の場合
は適応がないということで行っていません。
オンコタイプでも低リスクという結果でした。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「このように一年目までは患者からの申し出がないと何も検査はなく、超音波検査は今後もないということでした。」
「私は小葉がんのため対側の新たな発症をとても心配しています。」
⇒最近、このような悩みを抱えている人が多いことを実感します。
 
「胸壁の状態を超音波で診ていただきたいのですが、乳腺をすべて取った場合(リンパ節郭清LevelⅡまで)は、通常、乳房の超音波はしないものでしょうか?」
⇒胸壁及び所属リンパ節の超音波検査をすべきです。
 ただし、「医師によっては、それをしていない」のが現状のようです。
 
「胸壁の再発やその他の再発は自覚症状で気づくようなものですか?」
⇒「胸壁や腋窩」は体表なので「有る程度、大きくなれば」自覚します。
 
「また、LevelⅠLvelⅡまでリンパ節郭清をしたら、ほとんど鎖骨や首のリンパ節に局所再発はしないのですか?」
⇒鎖骨下リンパ節(レベルⅢ)や鎖骨上リンパ節、頚部リンパ節の再発の可能性は少
ないながら存在します。
 質問者のように照射している場合には「照射している部位の先(鎖骨上リンパ節まで照射していれば、その先である頚部リンパ節)」に注意が必要です。
 
「超音波であれば胸壁の状態や鎖骨、首、腋窩のこともわかりますか?」
⇒それらすべて超音波で解ります。(数秒もかかりません)
 
「今手術した方が硬く引っ張られたように感じる痛みは小葉がんの症状ではないかと思い不安でいっぱい」
⇒乳房全摘しているのだから、「それは絶対にありまえん」
 もしも「胸壁再発をするとしても、全体に再発することはありません」
 「皮下の結節として出現」します。
 ○ただし、「胸壁再発にかんしては、術後照射もしている」ことから全く神経質に
なる必要はありません。
   
「私は西日本在住ですが、もしできるのなら田澤先生に定期的に診ていただきたいです。3ヶ月に1回か、半年に一回、田澤先生に診ていただくことは可能でしょうか?」
⇒可能です。
 是非、市川で予約をとってください。
 その際には「他院で手術後の定期検診目的」とお話ししてください。
 同様のケースが増えているので、「緊急性のある方との区別」が必要となっています。
 
メディカルプラザ市川駅乳腺外科の予約はこちらを参考にしてください。 
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、いつも心の支えにしております。
半年程前、田澤先生に診察していただいた西日本地域在住の○○と申します。
小葉がんのため健側のことがずっと心配で受診させていただきました。
診察の後、信頼する田澤先生に診ていただいたという安心感でいっぱいになって感激のまま帰路に着きました。
本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
早くその時の感謝の気持ちをお伝えしたいと思いつつ、世の中には他にも先生に質問したい方が多くいらっしゃると思いお礼だけのメールは差し控えておりましたが、
最近また新たに不安に思うことがありますので質問させていただくことをお許しください。
4カ月程前から術側の背中が痛み、平常時は何も感じませんが、背中を反らしたときに
ズキっと痛みます。
その痛みが骨なのか筋肉なのかわかりませんが、椅子に座った時
背もたれに背骨があたっていると感じます。
今年に入って痩せたせいかもしれないのですが、
意識するとごつごつと当たっているような気がして、そのうちその摩擦によって
お風呂場の鏡で見ると背骨の真中辺りが黒ずんでしまっているのに気づき驚きました。
骨転移では外から見て骨がでこぼこと飛び出して見えることはありますか?
また、2か月程前から片方の股関節が痛いです。
その頃、フィットネスで軽い筋力トレーニングを始めたからなのか、
片足に力を入れたときにズキッと痛みを感じたり、
足を拡げる角度によって痛みがあります。
その痛みのつながりからか、尾てい骨も痛くて、お風呂の湯舟に浅く座ったとき
湯舟の底に尾てい骨がごつごつあたる感覚がありとても不安な気持ちになっています。
骨転移は、骨がしこりのように大きくなることはありますか?
私が通院する地元の病院では1年検診としてCT等の検査を受けるというきまりはなく、
私自身も被爆のことが心配で(勿論、田澤先生が不必要な検査について常々述べておられるお考えも承知しております)、
まもなく術後1年半となりますが、CT等の全身の検査は受けていません。
今後も病院での定期的な検査はないようですが、このところあちこちが痛くて
不安で眠れない日が多いため思い切って骨の検査をしたいと思い始めてきました。
骨転移の検査としては、骨シンチとCTが一般的ですか?
PETに関しては、手術前に私の希望でに1度受けました。
その時の画像と比較するという意味でPETの方が有効でしょうか?
地元の病院では超音波についても手術後やはり一度もやっていただいていませんが、
超音波検査でも胸骨など骨の範囲までわかりますか?
腫瘍マーカーについても、術後一年間一度も検査していなかったのですが、
田澤先生の診察の後、地元の病院に腫瘍マーカーを調べてほしいと申し出て2度検査を受けることができました。
その数値は以下の通りです。
  
  CEA 手術前0.7→1.0→1.6
CA15-3 手術前4.5→6.4→7.5
こうように数値が上がっていますが、それぞれの検査項目の意味などどのように解釈すればよろしいですか?これをご覧になって問題はないですか?
腫瘍マーカーの小さな上がり下がりに一喜一憂するつもりはありませんが、
経年的な変化を見るという意味で継続して検査してもらいたいのに、
今の病院では腫瘍マーカーについても積極的にすすめているふうではないです。
田澤先生の元で次回の予約の診察日(12/10)に血液検査をお願いすることは可能でしょうか?
以上、貴重な場をお借りして思いつくまままとまりのない文面になってしまい
申し訳ありません。
骨転移のことでこの3~4ヶ月頭がいっぱいで眠れないし、
毎日暗い気持ちで暮らしています。
どうかご回答をよろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
いろいろな身体の変調が、「転移から来ているのでは?」と思えてしまうのは、皆さんの共通の悩みと言えます。
「骨転移では外から見て骨がでこぼこと飛び出して見えることはありますか?」
⇒ありません。考え過ぎです。
「今後も病院での定期的な検査はない」
⇒全身の画像検査(CTや骨シンチ、PETなど)は、そもそも必要ありません。
「このところあちこちが痛くて不安で眠れない日が多いため思い切って骨の検査をしたいと思い始めてきました。」
⇒あまり特別に考えない事です。
 整形外科に行って(痛い部位の)骨のレントゲンを撮影してもらいましょう。
 
「骨転移の検査としては、骨シンチとCTが一般的ですか?」
⇒骨シンチはスクリーニング検査です。(基本的に症状が無い時に行います)
 痛いところがあるのであれば、「その部位をレントゲン撮影」するべきです。
「その時の画像と比較するという意味でPETの方が有効でしょうか?」
⇒比較する必要もないとは思いますが…
 骨転移のスクリーニングには骨シンチよりもPETの方が優れている面があるので、(ついでに全身をチェックして)安心するという考え方もあります。
「超音波検査でも胸骨など骨の範囲までわかりますか?」
⇒わかりません。
「こうように数値が上がっていますが、それぞれの検査項目の意味などどのように解釈すればよろしいですか?これをご覧になって問題はないですか?」
⇒全く問題ありません。
 全くの正常範囲内です。(誤差範囲)
「田澤先生の元で次回の予約の診察日(12/10)に血液検査をお願いすることは可能でしょうか?」
⇒そのようにしましょう。
「骨転移のことでこの3~4ヶ月頭がいっぱいで眠れないし、毎日暗い気持ちで暮らしています。」
⇒無駄に心配するくらいなら、レントゲン撮影することをお勧めします。