[管理番号:1541]
性別:女性
年齢:47歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
おはようございます。
昨日 検査の結果が出て、乳管ガンで浸潤しているとの事でした。
ホルモン受容体100%、ER陽性、PgR陽性、HER2 陰性で ルミナールBタイプでした。
田澤先生がおっしゃった通り遠隔転移はありませんでした。
ただ PETの画像で リンパ節への転移がはっきりと確認でき、また、しこり自体も2センチ程度だけど広がりが大きいので左乳房の全摘手術を受ける事になりました。
ここからが質問なのですが、担当医からは手術先行か抗ガン剤先行かを決めるように言われました。
担当医はどちらかというと 抗ガン剤先行を押しているように感じました。
理由はよく田澤先生がこのQ&Aでおっしゃっている
抗ガン剤の効き目を確認したいのと、リンパ節転移部分を小さくしてから手術に臨みたいということのようです。
(小さくなればリンパ節の郭清をしなくても済むかもといわれました。)
もし 抗ガン剤がきちんと効いたとして、小さくなったリンパ節をとるのと、今の大きさのままリンパ節をとるのとでは術後の体調に大きな変化はあるのでしょうか?
お忙しい中大変申し訳ないのですが、アドバイス頂ければ…
と思っています。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
一番気になったことは「小さくなればリンパ節の郭清をしなくても済むかもといわれました」
⇒これは「完全な誤り」です。
術前化学療法前に「転移陽性」と判断された場合には(術前化学療法の効果がどう
であろうと)「腋窩郭性の省略はすべきではない」と乳癌ガイドラインにあります。
回答
「抗ガン剤がきちんと効いたとして、小さくなったリンパ節をとるのと、今の大きさのままリンパ節をとるのとでは術後の体調に大きな変化はあるのでしょうか?」
⇒変化はありません。
冒頭でもコメントしたように「郭清範囲」は「化学療法前後で変えてはいけない」のです。
つまり(リンパ節が小さくなったとしても)「同じ範囲を郭清」するわけです。
 
○乳房切除を前提としているのに「術前化学療法を行う意味」はありません
「手術先行すべき」と思います。
質問者様から 【質問2】
おはようございます。
昨日はご回答いただきまして ありがとうございました。
家族とも話し合い 手術先行の気持ちが固まりつつあります。
お忙しい所申し訳ないのですが、再質問です。
手術をした後に 抗ガン剤治療をすることになると、
その抗ガン剤の効果があるかな 無いかは 何をもって判断するのでしょうか?
すでにリンパ節に転移している事が判明しているので
手術後にリンパ節に転移しているかもしれないガン細胞を
退治できたのかどうか 判るものなのでしょうか?
後、手術先行となる場合、12月に手術と言われているの
ですが、あと1ヶ月 このままでも大丈夫なものでしょうか?
この間 進行を遅らせるような処置は無いのでしょうか?
色々心配事を質問させていただいて申し訳ありませんが
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「手術をした後に 抗ガン剤治療をすることになると、その抗ガン剤の効果があるか
な 無いかは 何をもって判断するのでしょうか?」
⇒「抗がん剤の効果は不明」です。
そもそも「抗がん剤の目的」は「再発しないこと、再発リスクを極限までへらすこ
と」です。
♯決して「どうせ摘出する腫瘍や郭清する筈のリンパ節を小さくするため」に、
行っているわけではありません。
○結果として、「再発しなかった」こと。 これが目的であり、『それが達成され
た時に、効果があった』となります。(無論、抗がん剤をしなくても,もともと再発
しない運命にあった可能性はありますが、それは誰にも解らないのです)
●誤解し易いこととして
術前抗がん剤の場合は「効果が見える」とありますが、「それが本当の効果」な
のでしょうか?
「腫瘍が小さくなったからといって、最終的に再発する」かもしれないし、逆に
「腫瘍の縮小効果はなかったからといって、生涯再発しない」こともよくあります。
「すでにリンパ節に転移している事が判明しているので 手術後にリンパ節に転移し
ているかもしれないガン細胞を退治できたのかどうか 判るものなのでしょうか?」
⇒それは誰にも解りません。
ただ、抗がん剤を「術前に行おうと、術後に行おうと」将来、「リンパ節であれ、
他臓器であれ」根治できたかは(どちらにせよ)解りません。
♯質問者は勘違いされていますか?
「術前抗がん剤が良く効いた」としても、「根治できたかは不明」だし、「術前
抗がん剤があまり効かなかった」としても、「根治できたかは(同様に)不明」なの
です。
「手術先行となる場合、12月に手術と言われているのですが、あと1ヶ月 このままで
も大丈夫なものでしょうか?」
⇒その位なら、全く問題ありません。
術前抗がん剤が効かなかった場合には「その何倍も放置する」ことになるのです。
「この間 進行を遅らせるような処置は無いのでしょうか?」
⇒ルミナールBなので「ホルモン療法しておく」という方法はありますが、「一般的
には1カ月程度なら、行いません」
質問者様から 【感想3】
おはようございます。
昨日 主治医と話をして 手術日が12月10日に
決まりました。
田澤先生には このQ&Aで的確にまた解りやすく
アドバイスを頂き、大変感謝しております。
手術日まで1ヶ月少しありますが、健康に気をつけて
必ず治ると信じて、無事にその日が迎えられるようにしたいと
思います。
また、心配事 疑問点があったら相談させて頂きたいと
思っておりますので、その節はよろしくお願いします
先生もお忙しいとは思いますが、お体ご自愛ください。
本当に 本当にありがとうございました。