[管理番号:1279]
性別:女性
年齢:42歳
8月に、右温存手術を受けました。術前は1㎝くらい、0期か1期かはっきり分からない
とのことでした。しこりを触れていたので浸潤してると思い込み、生存率は変わらな
いと温存を選びました。
1月後の病理結果で非浸潤と説明がありましたが、詳しい大きさ、広がりは分からない、ももう一度、病理の先生に聞かないとのこと。いつもこの調子です。
ホルモンどちらも陽性、her2陰性、放射線5週は必須、ノルバは選んで下さいと。
しかし、何気ない雑談から切除画像を見せていただいたときに、8㎝も切ったと知
り、不安です。
これは温存の許容範囲なのでしょうか?こんなに広く広がり、しかも非浸潤なら、絶対全摘にしていました。
放射線は15日からの予定ですが、もしできる
なら、もう一度全摘手術を受けたいのです。再建はしません。
転院すれば可能か、今の大学病院でできるのか。
放射線は8週間以内が推奨されているようですが、また手術の順番待ちを2ヶ月するよ
り、照射を始めた方がよいですか。
子供が小さいこと、主人が6年前腎臓がんで手術
しているので、再発、転移のリスクは少しでも低くしたいのです。
先生の意見をお聞かせください。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「8㎝も切ったと知り、不安です。これは温存の許容範囲なのでしょうか?こんなに
広く広がり」
⇒質問者は勘違いをされているようです。
「3cmの拡がり」に対して「8cm切除した」かもしれません。
○断端を陰性とするためには、少なくとも「拡がりの範囲以上の切除が必要」なのです。
「これは温存の許容範囲なのでしょうか?
⇒「十分なマージンをとった状態で整容性が保たれれば」温存の許容範囲内と言えます。
「転院すれば可能か、今の大学病院でできるのか」
⇒どちらでも可能です。
ただ、「断端陰性」なのに「何故、再手術して全摘を望むのか?」なかなか理解し
てもらえないかもしれません。
「先生の意見をお聞かせください」
⇒ご本人の望むままでいいと思います。
「非浸潤癌であれば、乳房全摘すれば根治となる」という事実は「再発転移のリス
クをゼロにする」こととなるのです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、早速の回答ありがとうございます。
4月に紹介状を持ち、大学病院を受診して、8月に手術、9月に結果が出るまでいつも
いつも待っていたので、こんなに早くお返事があり、うれしいです。
右乳頭の真下6時方向に見つかり、変形が目立つかもと言うことで、乳房下側を横に
開いて、縦方向に扇状?円状?にマージンを取り、切ったら8㎝だったそうです。
画像には2.5㎜×1㎜の黒い点がひとつあるだけでした。エコーやMRIに写っていた
1㎝くらいのかげはどこに行ってしまったのでしょうか?
しこりを形成しないタイプとのことで、私がしこりと思っていたものはただ乳腺が固
く触れていただけらしいのですが。
黒い点は一つだけれど、がんの成分が長く広がっていて8㎝も切ったのかと恐怖を感
じたので、どのくらいマージンを取り、広がっていた範囲を知りたいのですが、病理
レポートには普通は記載されないものなのでしょうか?
こちらで様々な回答を見て、落ち着きを取り戻しました。
再手術ではなく、放射線にします。今朝からノルバデックスを飲み始めました。
私の問いかけに応えてくれたと、前向きになれました。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「黒い点は一つだけれど、がんの成分が長く広がっていて8㎝も切ったのかと恐怖を
感じたので、どのくらいマージンを取り、広がっていた範囲を知りたいのですが、病
理レポートには普通は記載されないものなのでしょうか?」
⇒病理レポートに付属する「マッピングに記載が有る筈」です。
摘出乳腺に、病理医が「癌の拡がり」を手書きでマーキングしたものです。(全て
の病理医が、この操作をやってくれるのかは不明ですが…)