乳腺は皮膚で覆われているし、無菌なので通常は炎症は起こりません。
(良く勘違いされることに)乳房痛があります。
乳房痛=乳腺炎では、決してありません。
★ 乳房痛の原因の99%はホルモンによる刺激(乳腺症)です。
乳腺炎は滅多にはないことは解ったよ。
それじゃー、本物の乳腺炎を教えて!
6-1.うっ滞性乳腺炎
これは、授乳中(特に初産で起こりやすい)に(乳管が詰まって)乳汁がうっ滞することで起こる。
初産では、乳管の発達が悪く(細いため)詰まりやすい
・ 診断 授乳中だから明白
・ 治療 搾乳できれば、それが一番
エコーで膿瘍となっていれば切開排膿
(膿瘍がなければ)抗生剤
6-2.乳輪下膿瘍
・ 原因 陥没乳頭による乳頭部の皮膚(角質)が慢性的に詰まることによる
◎陥没乳頭に起因する「角質(垢)」による炎症の機序
これが乳頭の全体像です。
解りやすいように、以下は点線部分(乳頭)のみを拡大して説明します。
正常な乳頭部です。
表皮(皮膚)の細胞は(ご存知のように)毎日剥がれ落ち(垢です)、洗浄されます。
陥没乳頭
皮膚が陥没した状態です。
本来「外へ出ているべき皮膚」が内部に引き込まれている様子がわかります。
陥没乳頭内部での垢の「貯留」⇒「感染」⇒「炎症」
皮膚から剥がれ落ちた角質(垢)が外へ洗い流されずに「乳管出口」に詰まり「乳管閉塞」を起こします。
角質部分(垢)は感染を起こしやすく、時に強い炎症を起こします。
♯ 「臍ゴマ」を思い浮かべるといいでしょう。
この炎症を繰り返すことによる「慢性炎症」=(乳頭直下にあるので)乳輪下乳腺炎
6-3. 肉芽腫性乳腺炎 これは、次の項(7)で独立して取り挙げます。