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トリプルネガティブの治療について

[管理番号:6906]
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳がん
症状:トリプルネガティブ、腫瘍、4.1センチ

田澤先生

お忙しいところ恐れ入ります。

浸潤性乳管がん(右)術後の治療についてご相談させていただきたく、
よろしくお願いいたします。
これまでの経緯ならびに術後病理検査結果
は下記のとおりでございます。

病名:浸潤性乳管がん(右)
性別・年齢:女性、48歳
状況:アメリカ在住、アメリカの病院にて右胸全摘及びリンパ節郭清
(術前化学療法なし)、今後化学療法を予定。

経緯:
8月-9月
右胸にしこりを発見
現地ブレストセンター受診(マンモグラフィー、エコー、針生検)
<結果>
3.5 cm、乳房より約6cm 約10-11時位置、触知可能なリンパ3.7 x12.0 x 3.7cm
細胞診:Modified Bloom Richardson Scoreグレード8/9(腺菅形成3/3、核異形2/3、核分裂像3/3)
DCIS: 検出なし、リンパ管浸潤:検出なし、腫瘍壊死:あり
サブタイプ:トリプルネガティブ
10月
10/(上旬) 右胸全摘及びリンパ節郭清
10/(中旬) ドレーン除去
<肉眼所見、病理結果>
・浸潤性乳管がん、非特殊型 (右)
・皮膚及び乳管周囲 所見なし
・腋窩リンパ節 転移性癌腫 所見なし(0/8)
腫瘍存在部位:右上下外側、乳房より4.0 cm、
腫瘍サイズ:4.1 x 3.1 x 2.8 cm、リンパ節サイズ:0.2 x 0.2 x
0.1 cm ~ 1.7 x 1.1 x 0.8 cm
組織グレード:Nottingham組織スコア 9/9 (腺菅スコア3、核異形ス
コア3、核分裂像スコア3)
腫瘍壊死:あり
局在性:Single focus
DCIS: 腫瘍近傍のみあり
Negative for EIC.
Size/Extent of DCIS: DCIS composes of less than 5% of the tumor volume 0.3cm in greatest width.
Number of blocks with DCIS:2
Number of Blocks expmained:13
Architectural pattern: Solid and comedo.
Number of grade: Grade 3 (High)
LCIS: Not Identified所見なし
皮膚・乳房:Not involved by tumor異常なし
骨格筋:Not involved by tumor異常なし
Margins(断端):
Invasive carcinoma margins: invasive carcinoma extends up to 0.55cm from the deep margin and more than 1.0cm from remaining margins.
DCIS margins: DCIS is clear by more than 1.0cm from all margins.

リンパ節:Uninvolved by tumor cells がん細胞露出なし
リンパ節検体数:9
センチネル検体数:0
リンパ管浸潤;なし
皮膚リンパ管浸潤:なし
ステージ(pTNM, AJCC 8th edition): pT2 pH0
その他(Breast prognostic markers)
ER: Positive, weak, 1-5%
PR: Negative
Her2 by IHC: Negative, Staining intensity 0

化学治療は手術後傷が癒えるまで1ヵ月半くらい待つとのことで腫瘍外科医と腫瘍医には来月11月(下旬)日に予約がいれてあります。

それまでには BRCA 1&2 SEQ & COM DUP/DELの遺伝子検査の結果も出ると思われます。

腫瘍外科医と会ってから4日で手術となったので他の検査はまだしておりません。
必要になった場合のため、腫瘍外科医が保険会社に
了承を要望したため、
1. PET image W/ST Skull-thigh
2. CT ABD & PELV 1/>REGNS
3. CT THRAX W/O & W/DYE
4. MRI 両胸
5. 放射線医
上記の了承が届いてます。

質問:
1. 上記の検査はすべて必要でしょうか? 放射線をあてる必要もありますか?

2.トリプルネガティブなので抗がん剤のみと思いますが、病理検査の結果から田澤先生がご選択なさる化学治療について教えてください。

3.ホルモンはERがほんの少しでてますが、私の場合、ホルモン治療をしても上乗せは期待できないのでしょうか?

4. 腫瘍外科医との初診の触診では6-8cmあるようだと言われましたが、私のステージは2Aになるのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1. 上記の検査はすべて必要でしょうか? 放射線をあてる必要もありますか?」
⇒不要。

「2.トリプルネガティブなので抗がん剤のみと思いますが、病理検査の結果から田澤先生がご選択なさる化学治療について教えてください。」
⇒アンスラサイクリン+タキサン(トリプルネガティブの標準治療)

「3.ホルモンはERがほんの少しでてますが、私の場合、ホルモン治療をしても上乗せは期待できないのでしょうか?」
⇒数値的には(勿論)不明。

適応はあります。

「4. 腫瘍外科医との初診の触診では6-8cmあるようだと言われましたが、私のステージは2Aになるのでしょうか?」
⇒その通り。

「触診のサイズ」は無関係です。 腫瘍の大きさとは「顕微鏡レベル」の浸潤径なのです。

 
 


 

質問者様から 【結果2 】

トリプルネガティブの治療
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳官がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

アメリカでの乳ガンの治療ということで不安を感じていましたが先生のご意見を聞くことができて感謝しております。
BRCAの検査結果もネガティブでした。
12月下旬よりAC、その後ドセの治療で5月末にすべての抗がん剤治療を終えることができました。
ドセになってからは白血球の値が下がり、毎回3日間の注射にはなりましたが、比較的副作用は軽かったと思います。今は手の指先が少しシュワシュワしているような感覚ですが、味覚障害もなくなりました。
今週、放射線科のドクターとのアポがあります。標準治療ではないので副作用のことも考えながら決定したいと思ってます。
これからは6ヵ月に一度エコー、一年に一度マンモになります。ポートを入れたので腫瘍医のところには2ヶ月ごとにポートのメンテナンス、時々それにあわせて血液検査になるようです。

このような相談の場を設けて頂いてありがとうございました。

<Q&A結果>