[管理番号:7586]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:ステージ1グレード3トリプルネガティブ
化学療法で迷っています。
右乳がん 温存手術後、放射線→化学療法予定です。
ステージ1、1.3×1.2センチ、リンパ転移なし、断面陰性、
脈管侵襲なし、グレード3、kei67が90%、トリプルネガティブです。
主治医にTC療法を薦められました。
ただホルモン療法もきかないし、グレードも増殖度も高いので再発がこわいと言うと、
若いうちにガツンとやっておいてもいいかもしれないと、
AC療法+パクリタキセルでも良いと言われました。
それぞれメリット、デメリットが知りたいです。
先生ならどちらを選ばれますか?
また末端神経の副作用がドセタキセルの方がマシだと書いてあってので
EC療法+ドセタキセルがやりたいですが、
主治医からの提示はありませんでした。
提案しても良いものでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず題名の「TCかACか」というのは(この場合)誤りであり、正しくは『TCか、AC+Taxanか』と理解しましょう。
「それぞれメリット、デメリットが知りたいです。」
⇒シンプルに言えば
アンスラサイクリン(AC)+タキサンは「ゴールドスタンダードとして効果のエビデンスが高い(信頼性が高い)」けれど、(TCが3か月に対して)6か月なので治療が大変。
「先生ならどちらを選ばれますか?」
⇒アンスラタキサン(当院ではECx4⇒DTXx4)です。
トリプルネガティブは化学療法が唯一の治療なので、(最も信頼性の高い)「アンスラタキサン」が標準と思います。(TCはルミナールBでの治療)
「EC療法+ドセタキセルがやりたい」「提案しても良いものでしょうか。」
⇒標準治療なので、問題ありません。
質問者様から 【結果2 】
回答ありがとうございます。
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
今日主治医にEC療法+ドセタキセルの提案をし、了承を得ました。
とても迷い困っていたので、明確な回答をくださり本当に安心しました。
本当にありがとうございます。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問3 】
タキサンを使わない選択肢
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:ステージ1グレード3トリプルネガティブ
前回は回答くださり本当にありがとうございました。
前回の追加情報で、充実がんです。
今回は以下の記述についての質問です。
・ガイドラインに「術前化学療法中にしこりが大きくなる乳がんがまれにある」
・ネット内の記述に「EC療法で腫瘍が小さくなったものがタキソールを使い出したら突然大きくなった」という記述や、それに対する回答で「あくまでもがんの増殖する力が強くて大きくなっているわけで、タキサン系の薬剤に副作用によって増悪する訳ではない」とあります。
・同じくネット内に「タキサン系薬剤をトリプルネガティブに使用することに疑問視する見方もあります」
以下が質問です。
私は現在、放射線治療中です。
①科学療法を後からするので、タキサンを使うことで乳房内にがん細胞が残っていた場合、
また増殖してしまうのではないと不安です。
このような可能性はあるのでしょうか?
(ガイドラインで再発率、生存率が変わらないことは書かれていますが)
まだ増殖しても放射線が後なら安心だったのですが。
それとも放射線を先にすることでそういったリスクが減ったと考えた方が良いのでしょうか。
②腫瘍は12月マンモで見つからず翌年4月にエコーで発見されました。
短期間で急速に大きくなった可能性がありますが、化学療法中にエコーで腫瘍がないか定期的に検査してもらえるものなのでしょうか。
③管理番号1586で答えられているように「その場で増殖」だけのタイプ、また7077の「早期で見つかった時点で「予後良好群」」と考えて、そこまで心配しなくても良いのでしょうか。
④上記の心配や、浮腫などの副作用も考慮して、あえてタキサンを使用しない選択肢もあるのでしょうか。
(管理番号7077に3月コースと6月コースでは「再発率は殆ど影響ない」とありますので)
タキサンを使用した時としなかった時の再発率はどれくらい変わるのでしょうか。
⑤タキサン無しだとAC療法、EC療法、FEC療法のどれかになると思いますが、どれが良いのでしょうか。
トリプルネガティブでグレードや増殖度が高いとはいえ、転移や脈管侵襲もありませ
んので、
手術で取り切れていると信じていますし、心配しすぎかもしれませんが、不安が頭から離れてくれません。
祖母が卵巣がんで、自身は若年、トリプルネガティブと、BRCA1も考慮した方が良いのかと思ってしまいます。
遺伝子検査はしておりませんが。
(BRCA1はタキサンが効かない場合があり、
温存した胸に放射線を当てるとそこに再発しやすいとのこと)どうかよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「①科学療法を後からするので、タキサンを使うことで乳房内にがん細胞が残っていた場合、また増殖してしまうのではないと不安」
⇒意味不明です。
ネットのどうでもいい情報ではなく、(トリプルネガティブなのだから)粛々とアンスラタキサンすればいいのでは?
「化学療法中にエコーで腫瘍がないか定期的に検査してもらえるものなのでしょうか。」
⇒通常は行いません。
乳房内再発がそんなに早く起こることは常識的にありません。
ご安心を。
「③管理番号1586で答えられているように「その場で増殖」だけのタイプ、また7077の「早期で見つかった時点で「予後良好群」」と考えて、そこまで心配しなくても良いのでしょうか。」
⇒ステージ1なのだから再発率は(ケモすれば)10%以下だと思います。
「④上記の心配や、浮腫などの副作用も考慮して、あえてタキサンを使用しない選択肢もあるのでしょうか。」
⇒前回、回答したように…
トリプルネガティブではあくまでも「アンスラ」+「タキサン」が標準です。
選択肢は無論ありますが、それを勧める根拠はありません。
「タキサンを使用した時としなかった時の再発率はどれくらい変わるのでしょうか。」
⇒直接比較が無いので…
回答できません。
「⑤タキサン無しだとAC療法、EC療法、FEC療法のどれかになると思いますが、どれが良いのでしょうか。」
⇒『NSABP B-36において、リンパ節転移陰性T1-T3乳癌の術後補助化学療法において、FEC100 6サイクルとAC 4サイクルの間にDFS, OSに有意差が認められなかった』ことを参考にしてもらえば…
FECをわざわざ6回やるよりもACやECを4回やった方がいいんじゃないですか?
質問者様から 【結果4 】
タキサンを使わない選択肢
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
受診が遅れ結果送信が遅くなり申し訳ありません。
また回答ありがとうございました。
タキサン先行、あとからアンスラをしてもうらことにしました。主治医は効果は変わらないが、ドセタキセルの方がきついから、ECを最後までできなくなる可能性があると言われましたが、少しでも不安感が解消する方を選択しました。
<Q&A結果>