[管理番号:1577]
性別:女性
年齢:43歳
初めまして。
以前から拝見させていただいております。
よろしくお願い致します。
昨年の8月(42歳)に乳がんにより左側乳房の全摘手術→抗がん剤EC療
法4回→ドセタキセル+ハーセプチン4回→現在はハーセプチン単独の治療
を受けています。
尚、右側には7年前に針生検で結果が出ている線維腺腫があります。
こちらは大きさ約1.5mmで年1回の検診でも大きさは変化なしです。
今回の乳がんは、この検診を受けていて見つかったものです。
私の乳がんは、
浸潤性乳管がん
病理結果は、
腫瘍の大きさ1.2㎜
ハーツー陽性(3+)
ホルモン受容体(-)
リンパ節転移15個のうち1つに転移有
グレード1
Ki67は説明が無かったように思います。
結果的に腫瘍は1.2mmで温存も可能な大きさでしたが、腫瘍が乳頭近く
にあった事と、少しでも再発等のリスクを少なくしたいとの私の希望で
もあり納得をした上での全摘です。
そしてここからが先生にご質問です。
現在3週間に1回のハーセプチン治療中(11月末までの予定です)です
が、2ケ月に1回 採血時に主治医の先生が腫瘍マーカーとハーツー蛋白
定量の数値を調べてくださいます。
腫瘍マーカーの数値はずっと基準値内なのですが、ハーツー蛋白定量が
数回前より徐々に上昇しており、とうとう今月は基準値を少しですが超
えてしまいました。
主治医は、健康な方にもハーツー蛋白は存在しているけど、ハーツー蛋
白陽性の乳がん患者の数値が上がるのはやはり少し心配だと…
少し様子を見て、このまま上昇が続くようだと1回 頭のCT(ハーセプ
チンは頭には効かないので)とかの検査したほうが良いかも…とチラッ
と言われビクビクしています。
再発転移等は絶対にしたくありませんし、気持ちも1年前より前向きに
なってきたのに 上がらなくてもよい数値が上がる不安…
先生からの助言をいただきたく、質問させていただきました。
お忙しいのにこのような機会をいただき、私たちのような患者は心強い
です。よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
血中HER2ですね。
腫瘍マーカーは「あくまで目安」であることをまず認識していただきたい。
私自身は「以前はHER2陽性患者さんにスクリーニングとしてCEA及びCA15-3と共に測定」していました。
その経験からすると、「CEA, CA15-3が正常」であれば「血中HER2の(細かな)変動」は「無意味」というものです。
♯それで、現時点ではHER2陽性患者さんでも「術後のスクリーニングとしては(血中HER2は測定せず)CEA及びCA15-3のみ」としています。
○私が経験上学んでいることは「血中HER2は、(再発後の)HER2陽性患者さんへの(ハーセプチン併用化学療法による)治療効果判定には有用」ということです。
結論として『CEA, CA15-3が正常であれば、血中HER2の(微妙な)増減は気にする必要なし』と思います。