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手術後の治療法について

[管理番号:6314]
性別:女性
年齢:41歳
3月、手術前に質問させていただいたことがありますが、手術後の治療法についてなので、新しく番号で質問させて下さい。
宜しくお願い致します。
3/(下旬)に、右乳がん、乳房温存手術を受け、本日、結果が分かりました。
センチネルリンパ節と、すぐ近くのリンパの(名前を忘れました)には、転移はありませんでした。
診断
invasive ductal carcinoma、scirrhous carcinoma、right breast、partial
resection
(RD tf3,na2,mc1,id 10×6mm,f,ly0(HE),margin is free)
所見
ER:TS(7)=PS(5)+IS(2)
PgR:TS(7)=PS(4)+IS(3)
HER2 score:0(陰性)
MIB1-LIは高いところで、約10.7%(56/516)
あきらかな血管侵襲およびリンパ管侵襲は見られません。
ごくわずかですが、脂肪組織に浸潤を示しています。
切除断端は、陰性。
(頭側20ミリ、尾側10ミリ)
核グレード1、組織グレード2
上記の結果で、ルミナールAと言われ、放射線25回照射、タキシモフェン五年間の服用となりました。
手術前は、8ミリと言われていたのに1センチでした。
しこりに気付いてから、手術までの1ヶ月で大きくなったのでしょうか?
田澤先生でしたら、どのような治療法を選択されますか?
脂肪組織に浸潤とは、深刻なのでしょうか?
切除断端、頭側20ミリとは、どういうことでしょうか?20ミリまで腫瘍があったと理解すればよいのでしょうか?
組織グレード2とは、どのようにとらえたらよいでしょうか?
お忙しいとは存じますが、ご回答宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(10mm), pN0, luminalA, NG1
完璧な早期癌です。
「しこりに気付いてから、手術までの1ヶ月で大きくなったのでしょうか?」
⇒冷静に良く考えてみてください。
 もしも(術前の)「画像診断の大きさ」と(手術後の)「顕微鏡での大きさ」がピタリ一致するものであれば…
 わざわざ「切除マージン(余裕をもって大きめに切除すること)は不要」となりますよね???
 ★画像診断よりも(顕微鏡でみれば)癌は(通常)拡がっているので、それを前提として「マージンをつけた手術」をするのです。
  
「田澤先生でしたら、どのような治療法を選択されますか?」
⇒全く同様です。
「脂肪組織に浸潤とは、深刻なのでしょうか?」
⇒?
 浸潤癌は脂肪織浸潤(深達度f)が普通です。
「切除断端、頭側20ミリとは、どういうことでしょうか?20ミリまで腫瘍があったと理解すればよいのでしょうか?」
⇒普通にイメージできると思いますが…
 目玉焼きをイメージしてみてください。
 腫瘍が黄身の部分と仮定すると、手術では(余裕をもって)白身の部分まで切除しているのです。
 頭側20mmとは 頭側方向に白身の部分(マージン)が20mmあるということです。
「組織グレード2とは、どのようにとらえたらよいでしょうか?」
⇒核グレード1です。
 大人しい癌です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 放射線とリュープリン注射】

性別:女性
年齢:41歳
先日は、ご回答ありがとうございました。
田澤先生のお答え、大変、心強いです。
リュープリン注射のことで質問です。
主治医の先生は、リュープリン注射の適用となるのは、リンパ節に転移がある方や、再発の可能性が高い人、35歳もしくは40歳以下の方とのことです。
幸い、私はリンパへの転移はありませんが、41歳です。
注射をして更に再発などへの不安を消せるのであれば、注射を希望したほうがよいのでしょうか。
オンコタイプという検査は、私には必要ありませんか。
4/(下旬)より放射線治療を始めることになりました。
25回照射ですが、ゴールデンウィークをはさむことで、5月はじめの週は3回照射(3日は祝日ですが、あまり照射の日をあけないほうがいいと、病院の判断で3日は照射があります)になり、最終週は2回照射になります。
暦の上で仕方ないことかもしれませんが、
今後(再発)にかかわることはないのでしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「注射を希望したほうがよいのでしょうか。」
⇒不要です。
「オンコタイプという検査は、私には必要ありませんか。」
⇒やって「悪い」とはいいませんが…
 本来Ki67(Mib1)が「グレーゾーンの場合にお勧める」ものです。
 
 質問者は10.7%なのでルミナールAと考えるべきです。
「暦の上で仕方ないことかもしれませんが、今後(再発)にかかわることはないのでしょうか。」
⇒「ゴールデンウィーク」や「年末年始」
 そんなことは日本全国当然のように沢山いらっしゃいます。
 考え過ぎです。
 
 

 

質問者様から 【質問3 手術後の治療について】

性別:女性
年齢:41歳
いつも的確なアドバイス、お答えをありがとうございます。
4/(下旬)より放射線治療がはじまりました。
今のところ、副作用もでておりません。
放射線の機械について教えて下さい。
私の通院している病院では、
True Beamという最新のものと、CLINAC600Cと2台あるようです。
乳房には、後者のタイプで充分ということで治療していただいておりますが、
最新のものと比べて、治療効果などに、本当に違いはないのでしょうか?予後に変わりはでないと考えていいのでしょうか?
お忙しいのに、申し訳ありませんがご回答、宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「最新のものと比べて、治療効果などに、本当に違いはないのでしょうか?予後に変わりはでないと考えていいのでしょうか?」
⇒私は「放射線科医ではない」ので、放射線機器には詳しくありませんが…
 ただの予防照射で「機器を気にする必要はない」くらいのことは断言できます。
 
 

 

質問者様から 【質問4 手術後の治療法】

性別:女性
年齢:41歳
こんにちは。
いつも、ご回答ありがとうございます。
大変、心強いです。
4月(下旬)日より、放射線治療がはじまり、順調に進んでおります。
先日、乳癌学会が、患者さんのためのガイドラインというものを掲載しているのを、ネットで拝見したところ、
取り除いた腫瘍の断片が陰性でも、追加照射(ブースト照射)すれば、
再発のリスクは下がるとあります。
50歳以下であれば、追加照射の対象ということですが、
私の年齢だと、追加照射をしたほうがよいのでしょうか?
放射線科の先生に質問したところ、
肺炎や血管腫、反対側の乳房に腫瘍ができるリスクがあがる、と、説明していただきました。
30歳代だと、追加照射はおすすめはしているが、40歳代だと、追加照射のおすすめはしていない。
でも、気になるようでしたら、追加照射をしてもらいいですよ。
とのことです。
私自身、副作用やいろんなリスクを除けば、再発を防ぐためには、できる限りのことはしておきたいと思っています。
もちろん、治療する際は、リスクや副作用のことは理解した上で、追加照射をお願いするつもりです。
田澤先生の患者様で、私とよく似た病状の方は、追加照射されていますか?
お忙しいとは存じますが、ご回答、宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「取り除いた腫瘍の断片が陰性でも、追加照射(ブースト照射)すれば、再発のリスクは下がる」
「私の年齢だと、追加照射をしたほうがよいのでしょうか?」

⇒一般論で片付ける問題ではありません。
 担当医が病理を確認して判断すべきものです。
「田澤先生の患者様で、私とよく似た病状の方は、追加照射されていますか?」
⇒そもそも・
 当院では放射線科医の方針で、「全例、追加照射あり」です。(トモセラピーだから、それに伴う有害事象も少ないので、私は敢えて反対はしていません)
 
 

 

質問者様から 【質問5 手術後の治療法について】

性別:女性
年齢:41歳
いつも、的確なお答え、ありがとうございます。
大変、感謝しております。
将来的な副作用などを考えると、かなり迷いましたが、
再発のリスクを少しでも下げれるのならと思い、本日、ブースト照射2回目が終わりました。
放射線治療は、毎日同じ時間に照射しないと意味がないのでしょうか。
ノルバデックスを服用中です。
副作用もなく元気に過ごしております。
今の私に、できることは、もう他にないでしょうか。
リュープリン注射は、必要ないと、前のご回答にありましたが、
自ら希望し、接種することは、どう思われますか。
お忙しいとは存じますが、ご回答宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
もう少し冷静になって、「常識的に」考えましょう。
「放射線治療は、毎日同じ時間に照射しないと意味がないのでしょうか。」
⇒?
 (常識的に考えて)そんなことはありません。
「今の私に、できることは、もう他にないでしょうか。」
⇒その通り。
「自ら希望し、接種することは、どう思われますか。」
⇒不要です。
☆私が不要と回答したことを質問者が行うことは(勿論)問題ないことですが、(私が不要と言ったことを)「質問者が行った場合、それについてどう思いますか?」と聞くのは止めましょう。(そういう質問は、それを勧めた主治医にすべきなのです)