[管理番号:1863]
性別:女性
年齢:50歳
10月末に右乳房全摘手術を受け、先週病理結果が出ましたが、不安
になり質問しました。
以下、担当医から説明され渡された手書きの病理結果です。
顕微鏡所見
浸潤性乳管がん 浸潤の範囲は3㎜
センチネルリンパ節に転移は認めませんでした。
女性ホルモンと関係のない腫瘍です。
HER2タンパクの過剰発現を認めました。
ki67:細胞分裂に関与している細胞の割合は47%
核の異型度2~3
今後の治療
手術:済み
放射線治療:お勧めしません
抗がん剤治療:お勧めしません
ホルモン治療:お勧めしません
初診時は非浸潤がん(石灰化が広範囲のため浸潤しているかもしれません)で、広範囲に硬結を認めます、との診断でしたが、術後家族に説明されたのは5.5㎝のしこりと言われました。
結果浸潤径が3㎜で今後は無治療になった訳ですが、HER2タイプである事、ki67が高い事、グレードが高い事、から再発が心配です。
主治医は臨床試験結果から「利益と不利益を考えると化学療法はお勧めしません」とおっしゃいますが、先生のお考えはいかがでしょうか。
似た様なケースをこちらで拝見して、またガイドラインも読み、浸潤径5㎜以下では、HER2タイプでも、トリプルネガティブでも化学療法の適用はないと認識していますが、私の場合もやはり化学療法はしないということなのでしょうか。
今後三ヶ月ごとの経過観察のみと言う事なのですが、不安で一歩前に進む事が出来ません。
また、主治医に確認していないのですが、私のステージは1なのでしょうか。
それから、脈管しんしゅうはあまり考えなくてよいとの事で調べていないそうです。後から調べての良いとの事でしたが、調べてプラスであった場合治療を考えた方がよいのでしょうか?
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1a(3mm), pN0, pStage1, HER2 type
十分すぎる「早期乳癌」です。
回答
「結果浸潤径が3㎜で今後は無治療になった訳ですが、HER2タイプである事、ki67が高い事、グレードが高い事、から再発が心配」「私の場合もやはり化学療法はしないということなのでしょうか」
⇒その通りです。
質問者が理解されているとおり、「5mm以下」であれば「化学療法の適応は無い」のです。
「私のステージは1なのでしょうか」
⇒その通りです。
pT1a(3mm), pN0, pStage1
「調べてプラスであった場合治療を考えた方がよいのでしょうか?」
⇒「脈管侵襲」など無関係です。
○不安な気持ちは解りますが「浸潤径の小ささ」は最大の武器です。
「ネットの余計な記事?」などに惑わされずに、正しい理解をしましょう。