Site Overlay

再発でしょうか?

[管理番号:3213]
性別:女性
年齢:79歳
初めて質問させて頂きます。
5年前に母が70代で、温存手術。
右下、ステージ1 浸潤癌1.8mm、リン
パ転移無し、グレード2でした。
その後、抗ガン剤2回(急性腎不全、消化器系疾患で意識もうろう救急搬送)、放射線、ホルモン療法をしました。
その後も、患部周辺がみかんの皮状になって赤く腫れたり、ホルモン剤副作用の骨折や、手術跡周辺はずっと硬い、手足に水疱できたりとかありましたが、腫瘍マーカーは上限値前後を維持。
CEAは1.3~1.5。
腎不全後はQOLが著しく低下しましたが、ここまで再発せずにきました。
5ヶ月前の検診もクリアしました。
今は半年毎の受診で、ホルモン剤も飲んでません。
ところが数日前、右下の手術の傷跡が引っ張られるように乳房が少し2段腹のようになってるのに気づきました。
傷跡の一部がぐっとかなり凹んでいるとこがありました。
そこには5mm以下?の小さな硬い丸いシコリがいくつかあります。
リンパを取った傷跡も血管ような線ができ、シコリは感じませんが、その線が硬くなった感じです。
便秘はなかったのが最近常に便秘です。
5年間でこんな症状は一度もなかったです。
しかし現在本人は食欲もあり、便秘以外、特別不調はないようです。
再発でしょうか?
そうならば、どのような治療法が適切でしょうか?
本人は前回の大変重篤な副作用と高齢のため積極的な治療は希望していません。
別の高齢女性は10数年前温存手術(放射線、ホルモン剤、抗ガン剤なし)
リンパ転移2個ありでも再発なしでとてもお元気なので、今更ながらなぜ、70代の早期で抗ガン剤をさせたんだと痩せ細った小さな姿を見ると後悔で泣きそうになります。
素人目にもあの凹み方はとても心配です。
忙しいところ申し訳ありませんがどうか田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
70歳以上での「術後補助化学療法(術後の再発予防としての抗癌座位)」の有効性は証明されていません。
質問者(のお母さん)の場合は「早期」であり、しかも「ルミナールタイプ(ホルモ
ン療法をしていたことから推測)」なので「術後の化学療法の選択」には大いに「?」が付きます。
 
「今更ながらなぜ、70代の早期で抗ガン剤をさせたんだと
痩せ細った小さな姿を見ると後悔で泣きそうになります。」
⇒質問者の感覚は正しい。
 明らかに「過剰治療」と言えます。
 よっぽど「進行癌で、トリプルネガティブやHER2タイプ」ならば考慮しますが…
 
「傷跡の一部がぐっとかなり凹んでいるとこがありました。
そこには5mm以下?の小さな硬い丸いシコリがいくつかあります」
「再発でしょうか?」
⇒局所再発の可能性が高そうに思えます。
 
「そうならば、どのような治療法が適切でしょうか? 」
⇒迷う事はありません。
 「温存乳房の全摘」です。
 
「本人は前回の大変重篤な副作用と高齢のため積極的な治療は希望していません。」
⇒「乳房切除」は「最も安全で楽」な治療法です。
○局所再発だけであれば、「手術だけで終わり」です。
 余計な治療を術後にする必要はありません。
★もしも、(万が一)「他臓器転移」があったとしても「79歳で、過去に抗ガン剤による急性腎不全(溶血性尿毒症症候群でしょうか?)」からしても「化学療法は無し」でしょう。
 ホルモン療法(フルベストラントなど)をすることになります。(局所再発以外の病変があったとしても)