[管理番号:13291]
性別:女性
年齢:60
病名:乳がん(トリプルネガティブ)
症状:右胸乳房に3.5cmの乳がん(腰骨への遠隔転移あり)
投稿日:2025年12月10日
昨年夏に腰の痛みで歩けなくなり、レントゲンでの異常発見から検査を行いました。
10月に乳がん(トリプルネガティブ3.5cm)からの骨転移の診断がありました。
腰への放射線治療、ドセタキセル、ACによる治療を実施しましたが、胸についてはAC終了後やや増悪が見られたため、トロデルビの投与に移行しました。4サイクル終了の現時点で、腫瘍マーカー3.6となり、効果があるとの診断でした。トロデルビ開始後、今日までCTによる確認はなく、今後も不要とのこと。
ただし、これ以上の転移を防ぐためにトロデルビの治療は長期継続、手術の予定も無しとの話でした。
積極的な治療の考え方として、手術を含めた、抗がん剤治療以外の対処について選択肢はないものでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
このような話を聞くたびに、医師によって患者さんの人生がこうも変わってしまう現実に愕然としてしまう今日この頃です。
一言でいうと、薬物療法の進化により「遠隔転移は根治を目指しても無駄」という古からの言い伝えが崩れていることに気づくか気づかないか?
物事の過渡期には(癌治療に限らず)容易に起こることなのかもしれません。
過渡期に正しい判断をするには、量(沢山の患者さんの治療に直接かかわっていること)と質(本気で治療に向き合っているのか)その両方が必要なのです。
これ以上の転移を防ぐためにトロデルビの治療は長期継続、手術の予定も無しとの話でした。
積極的な治療の考え方として、手術を含めた、抗がん剤治療以外の対処について選択肢はないものでしょうか?
→無論、私であれば…
最初の時点で
①まずは腰椎への放射線
→これはもともと疼痛があったわけだから治療の優先順位は、ダイレクトに腰椎転移への局所治療となります。
②手術
③抗がん剤
→anthracycline+taxaneでまずはcCRを狙います。
これでcCRとならなかった場合には(患者さんのモチベーション次第ですが)
sacituzumab govitecanの登場となります。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2026/1/1
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