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術後の治療について

[管理番号:12426]
性別:女性
年齢:41歳
病名:浸潤性右乳管がん
症状:
投稿日:2025年01月24日

お世話になります。
昨年10月下旬に右乳房の部分切除、今月 放射線治療20回を終えました。
術後病理検査の結果は以下です。

浸潤径14×10mm、リンパ節転移陰性
核グレード、組織学的グレード 2
ER+ 95%、PR+ 100%、HER2陰性
ki-67 23.9%
術後3日目からタモキシフェンを服用しています。

先日、放射線治療後の最終診察があり、一通りの治療が完了しました。次回は4ヶ月後です。
しかし今回の受診で主治医への不信感が増してしまい、これまでや今後の治療について急に不安になってしまいました。

そこで、以前から参考にさせていただいていたこちらのサイトで再度自分なりに勉強する中で、詳しく教えていただきたいことがあり、質問をさせていただきます。

●再発リスクについて
乳がん診断後、同じ右側にもう一つ小さい腫瘍が見つかりましたが、組織診の結果良性でした。
主治医や家族の勧めもあり、部分切除を選びました。最小限の手術で済んで良かったと感じる一方、ふと全摘しておけばよかった、と思ってしまうことがあります。良性の腫瘍が残っていることで、再発リスクは通常より高まるでしょうか。

●ホルモン療法について
以前よりチョコレート嚢胞があり、初診時に主治医に相談したところ「定期的に注射をすることで影響を抑えられる」と言われました。しかしその後その話はなく、現在までタモキシフェンのみ処方されています。
今のところ生理は毎月来ており、周期が遅れるどころか早まっています。(3週間ほどで来る)

副作用として生理が遅くなったり止まったりは理解していますが、「早まる」のも副作用でしょうか。
注射というのはどのような場合に適用され、どのくらいの頻度で打つのでしょうか。
私の場合タモキシフェンのみで問題ないでしょうか。

●オンコタイプDXについて
もともと抗がん剤治療は想定しておらず抵抗もあったため「検査してもグレーゾーンで結局悩みそう」と感じ、検査は受けませんでした。
しかしやはり受けておくべきか、今さら迷い始めています。結果を知って向き合うべきなのではないかという気持ちと、知るのが怖い気持ちがあり、いまだに決めかねています。

そもそもこれから抗がん剤治療を始めたとして、術後すぐと比較して効果は変わらないのでしょうか。
抗がん剤治療を望まないのであれば、オンコタイプDXを受けるメリットはないですか。今後転院するなら結果があったほうが役立つのではと考えていますが、間違いでしょうか。
閉経前の化学療法上乗せ効果について、卵巣抑制の効果によるものかもしれないとのことですが、その場合抗がん剤以外に同様の効果のある別の治療法はあるのでしょうか。

お忙しい中ところたくさん質問してしまい大変申し訳ありません。主治医となかなか噛み合わず、不安ばかり出てきてしまっております。
どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

良性の腫瘍が残っていることで、再発リスクは通常より高まるでしょうか。
⇒無関係です。

ただし…(こんなこと言わずに済めば一番なのですが…)
巷には「100%確定診断できない針生検下手糞医師が溢れている」のが事実です。
願わくば、その「良性が100%正しい事を願って」やみません。

以前よりチョコレート嚢胞があり、初診時に主治医に相談したところ「定期的に注射をすることで影響を抑えられる」と言われました
⇒これは事実です。

現在までタモキシフェンのみ
今のところ生理は毎月来ており、周期が遅れるどころか早まっています。(3週間ほどで来る)

⇒これは単純に…
(ホルモン療法の影響で)月経が不安定となっているということです。(遅れるだけが影響ではありません)

注射というのはどのような場合に適用され、どのくらいの頻度で打つのでしょうか。
私の場合タモキシフェンのみで問題ないでしょうか。

⇒無論それは「LH-RHagonist併用」のことです。

35歳以下ではないので、必ずしも(再発率低減目的では)行いませんが、(チョコレート嚢胞や子宮内膜症などを増悪させないために)卵巣抑制目的で行うことはあります。(担当医が行っていたのはコレです)
1か月製剤、3か月製剤、6か月製剤があります。

そもそもこれから抗がん剤治療を始めたとして、術後すぐと比較して効果は変わらないのでしょうか。
⇒変わりません。

抗がん剤治療を望まないのであれば、オンコタイプDXを受けるメリットはないですか。
⇒ありません。
(強いて言えば)抗癌剤しなくても済むとして(その可能性が高いとは思います)実際の再発率を知ることができる

今後転院するなら結果があったほうが役立つのではと考えています
⇒そんなことはありません。

閉経前の化学療法上乗せ効果について、卵巣抑制の効果によるものかもしれないとのことですが、その場合抗がん剤以外に同様の効果のある別の治療法はあるのでしょうか。
⇒それが「LH-RHagonist」ですが、そもそも「low risk」であれば「化学療法上乗せ効果」自体がありません。それであれば「卵巣を抑制しても再発率は変わらない」のです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/10
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