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広範囲の乳管拡張

[管理番号:12052]
性別:女性
年齢:40
病名:
症状:
投稿日:2024年09月13日

はじめまして。
検診で指摘されてから、乳がんプラザを拝見し勉強させていただいております。大勢の患者さんと真摯に向き合う先生のお姿、世の中にはこんなに素晴らしい先生がいるのかという驚きと同時に、大変尊敬いたしております。

実は左乳房の上半分くらいの広範囲な乳管拡張を指摘されております。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ぜひ私にも先生のご意見をお聞かせいただけたらと思います。

1ヶ月弱前の8月中旬
前医にてマンモ、エコーを受けました。マンモは異常なく、エコーで左乳管拡張の診断でした。乳管拡張は癌が原因のこともあるため、悪性を否定するために念のために細胞診を実施し、結果は良性、半年おきの経過観察となりました。
しかし子宮頚部上皮内癌の既往があり、細胞診を100パーセントは信用できない気持ちがあります。細胞診を毎年していましたが、軽度異形成で引っかかり、普通は1度の軽度異形成では経過観察のようですが、病院の方針で組織診をしたところ癌だった。という経験があるからです。
医師の診断や対応で気になる点がいくつもあったため、転院を決めました。
転院するために一昨日データをもらいに行ったついでに、再度エコーをしていただきました。結果は前回のエコーとは変化なく、1か所に乳管拡張がある。との診断でした。

そして翌日に転院先に初めて受診し、改めてエコーをしていただきました。前医で指摘されていた乳管拡張は1か所ではなく、実は左乳房の上半分くらいの乳管に拡張が診られるとの診断でした。
何本の乳管拡張かは聞いていませんが、絵に書いていただき、2時方向と12時方向あたりに乳管拡張があるようです。そして拡張の中に一部モヤモヤが見えるが、血流もなく、腫瘍というより液体がドロッと固まったような物に見えるとのことでした。
「私としては良性所見に見えます。悪性を疑うような所見もありませんが、1ミリなど小さい癌はエコーで分からないので、一部分にだけ癌細胞が隠れている可能性もあります。確定診断にマンモトームもありますが、広範囲に拡張があるのでマンモトームも診断には適していません。代わりとして造影MRIもあるが、悪性が良性と出ることあるため診断には適していない。造影MRIで悪性と出たところにマンモトームをするという手もあるが、これも確実ではない。つまり現状では経過観察がベストだと思います。」との診断でした。ちなみに反対側の乳房にも乳管拡張はあるそうですが、それは生理的な変化で異常ではないそうです。

経過が長くなってしまい、申し訳ありませんが、いくつか田澤先生へ質問させてください。

・乳頭分泌はありませんが、田澤先生が日頃から多孔性は気にしなくてよい、複数の乳管に同時に病変ができることはまずありえないことだとおっしゃられていたと思いますが(私の解釈違いだったら申し訳ありません。)私の乳管拡張でも同じことが言えますか?つまり良性と思われますか?

・広範囲の乳管拡張はご経験ありますか?ネットで調べてもあまり出てこないのです。乳腺症によるものの可能性が高いでしょうか?

・実は腫瘤非形成の癌で、それが広範囲の乳管に広がり、拡張があるという可能性はありますか?

・拡張内のモヤモヤした部分が腫瘍だったらと思うと心配ですが、腫瘍と液体が固まった物の違いはどのようにエコーで区別がつくのでしょうか。

・確定診断をしたい気持ちもありますが、マンモトームも意味がなさそうだとなると摘出生検かなと思っているのですが、主治医曰く摘出生検となると乳房の半分を取らないといけないので、傷痕も広範囲となるのでおすすめできないそうです。私は白黒つけるためであれば傷痕など気にしませんが、摘出生検までは必要ないでしょうか。
やりすぎでしょうか。

子宮頚がんの既往もあり、小学生の子どもも2人もいるため、癌であれば0期で早期発見したいと強く思っています。乳頭や乳輪下に拡張した部分をコリコリやゴリゴリと自分自身でも触れるためどうしても気になってしまいます。
どうかご意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず重要なこととして、「広範囲=(寧ろ)癌では無い可能性がかなり高い」という大前提を提示します。
例えば石灰化を例に挙げると…
微細石灰化でも「1か所」であれば(癌の可能性もあるとして)カテゴリー3となりますが、これが広範囲だと「びまん性」として(癌の可能性はない)カテゴリー2となるのです。

お解りでしょうか?
広範囲であるという(転院先の所見は)私から見れば、「広範囲の乳腺症の所見ですね。(寧ろ)大変安心できる良かったですね」となります。

・乳頭分泌はありませんが、田澤先生が日頃から多孔性は気にしなくてよい、複数の乳管に同時に病変ができることはまずありえないことだとおっしゃられていたと思いますが(私の解釈違いだったら申し訳ありません。)私の乳管拡張でも同じことが言えますか?つまり良性と思われますか?
⇒全くその通り。癌を疑う根拠は「全く」ありません。

・広範囲の乳管拡張はご経験ありますか?ネットで調べてもあまり出てこないのです。乳腺症によるものの可能性が高いでしょうか?
⇒まさにその通り! 乳癌が原因で「広範囲の乳管拡張」など見たこともありません!

・実は腫瘤非形成の癌で、それが広範囲の乳管に広がり、拡張があるという可能性はありますか?
⇒これは全く考えすぎ

・拡張内のモヤモヤした部分が腫瘍だったらと思うと心配ですが、腫瘍と液体が固まった物の違いはどのようにエコーで区別がつくのでしょうか。
⇒動きがあったり、エコー濃度から鑑別可能です。

・確定診断をしたい気持ちもありますが、マンモトームも意味がなさそうだとなると摘出生検かなと思っているのですが、主治医曰く摘出生検となると乳房の半分を取らないといけないので、傷痕も広範囲となるのでおすすめできないそうです。私は白黒つけるためであれば傷痕など気にしませんが、摘出生検までは必要ないでしょうか。
やりすぎでしょうか。

⇒全く無用です。
気にしないようにしましょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
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