[管理番号:10363]
性別:女性
年齢:43
病名:ルミナールBタイプ、乳管がん
症状:
投稿日:2022年6月15日
田澤先生、こんにちは。
海外に住んでおり、いつも田澤先生のQ&Aを参考にさせて頂いております。
再発予防のために認可された、ルミナルタイプへのベージニオに対するご相談です。
以下、簡単ですが術後の私の病理検査の結果です。
腫瘍サイズ:最大4センチ(他、複数あり)
グレード:2
エストロゲン、プロゲステロン:ともに80%
HER2:陰性
リンパ節転移:センチネルのみの微小転移(最大0.5ミリ)、2/4、リンパ節郭清なし
Ki-67:50%
現在までの治療経過としては全摘手術、TC療法(4サイクル)、放射線治療を行ってきており、2022年2月よりリュープリンとAIのホルモン療法を行っております。
(閉経前の患者には日本ではAIは使用できないこと理解しております。)
上記の病理結果のみでは私はベージニオを使える条件には該当しないかと思いますが、術後の病理で腫瘍なのか不明な部分があり、その部分を含めると腫瘍計は7センチとのことでした。
今までの治療は4センチということをベースに治療を行ってきました。
再発予防のためのベージニオについて、私も使えるのであれば是非とも使用したいと思い、担当のドクターに
お願いして現在は保険会社からの承認を待っている段階です。
そこでご相談なのですが、
①ベージニオを私が使えることになった場合、再発時など今後の治療に対して何か懸念事項は考えられますでしょうか。
②腫瘍計が4センチの場合と7センチの場合では、再発予防のためのベージニオに対す
る期待できる効果は異なるものなのでしょうか。
③私の状況を踏まえて、先生であればベージニオの使用をお勧めしますでしょうか。
以上お忙しい中恐れ入りますが、宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
①ベージニオを私が使えることになった場合、再発時など今後の治療に対して何か懸念事項は考えられますでしょうか。
⇒ありません。
皆さん「〇〇のために、とっておく」みたいな言い方をしますが(一部の医師も)、それは誤り。
使うのであれば、「敵は小さいうちに」が最も有効なのは間違いありません。(術後補助療法はまさに「敵が見えない(そもそも無いのかもしれないが)うちに」という考え方なのです)
②腫瘍計が4センチの場合と7センチの場合では、再発予防のためのベージニオに対する期待できる効果は異なるものなのでしょうか。
⇒違います。
適応基準はあくまでも「認可の根拠となった臨床試験デザイン」によるのです。
つまりmorarchEのデザインが「そのまま、適応要件となった」だけであり、5cmに特別な根拠はそもそも無いのです。
③私の状況を踏まえて、先生であればベージニオの使用をお勧めしますでしょうか。
⇒強くは勧めません。
下痢の副作用があることを踏まえた上で「患者さん自身がチャレンジしたい」場合には行うというスタンスです。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/6/23
***