Site Overlay

HBOCの遺伝子検査について

[管理番号:10076]
性別:女性
年齢:67歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2022年2月12日

今回は大変お世話になります。

 67歳女性。
昨年4月左乳癌全摘出術を施行しました。
その際には遺伝性乳癌の遺伝子検査の説明はありませんでした。
今さらですが、ご相談させていただきます。

  病理診断:大きさ1.6*1.2cm、0.3*0.3cm。
ER 90%, PgR 40%, Her2 (+1) 陰性、核グレード3,組織Grade III (3+2+3
=8)、Ki67 30%以上、センチネルリンパ陰性、リンパ・脈管浸潤なし。
 ステージI、ルミナルB?と考えられ、ホルモン療法に化学療法を追加するかどうか、OncotypeDXの検査を提出し、RSスコア19のため、ホルモン療法にて経過を見ております。

  一昨日ふとSNSを見ていて、疑問が芽生えました。
実は私の母親は、85歳の時乳癌を認め全摘出しています。
StageIIA,
センチネルリンパ陰性。
ホルモン感受性(-)、HER2(+)でした。
高齢のため悩みましたが、抗がん剤はせずハーセプチンの点滴のみ施行しました。
おかげさまで、10年経過しましたが、元気に生活しております。

 母が乳癌で、今回私が乳癌と診断されました。
家族性ではあっても遺伝性ではない??
 2020年4月から遺伝子検査は保険適応になり、私のケースも適応と考えられます。
確かにHOBCの乳癌の特徴は、45歳以下で乳癌発症・60歳以下のトリプルネガティブ・両側性・2個以上の原発乳癌ということで、私の場合は、あてはまりません。

 主治医から、確定診断がついた時点で遺伝子検査の説明はありませんでした。
 心配になり先日主治医の外来にアポを取るべく電話しましたが、乳癌専門Nsが対応し「可能性は低いと、主治医は言っている」との事です。
それっておかしいですよね。

色々説明を聞いたうえで、するかしないかを判断するのは、主治医ではなく患者だと思います。
とりあえず術式にも影響を及ぼすので、術前に説明をすべきだと思います。
(オンコサイトの検査を遺伝子検査だと思い込んでいて、HBOCのことは、私の頭から飛んでしまっていました。
勿論私にも非があるとは思っていますが)  
     こういうケースでは、遺伝子検査の説明はしないものなのでしょうか?
  よろしくご助言お願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「こういうケースでは、遺伝子検査の説明はしないものなのでしょうか?」
⇒皆さん、なにか勘違いされているのでは??

「興味本位」で調べるものでは「そもそも」ありません。
もしも希望するのなら、「何のために」目的が必要です。

目的としては以下の3つが想定されます。
1.再発した場合の「治療の選択肢(Olaparibの適応があるのか?)」を増やす為
2.対側の予防切除(全摘)を希望する場合 (必要な条件がありますが、それはコラムで取り挙げます)
3.家族(娘さんなど)への警鐘のため

質問者が、もしもBRACAnalysisをする場合は…
(再発ではないので1は除外)
もしも対側の予防切除を考えているのであれば(上記2として)適応があります。
★但し(予防切除をかんがえているわけではなく、何となく)3を目的とする場合には、自費で検査してください。

今回、コラムで取り挙げることとしました。

 
 


 

質問者様から 【結果2 】

BRCA analysisの目的について
性別:女性
年齢:67歳
病名:
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

管理番号(10076)
 2月12日、BRCA analysisについて質問させていただきました。早速回答いただき感謝しております。
 もちろん検査の目的は、「興味本位」ではありません。目的は、陽性の場合は、対側リスク低減乳房切除術・リスク低減卵管卵巣摘出術を考えております。(ちなみに、手術可能な病院も検討していました。)
 また、私は一人娘で、既婚ですが子供はいません。家族への警鐘は必要はありません。
 主治医に相談してみますが、保険適応ないという事であれば、勿論自費でも受けたいです。   

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

HBOCの遺伝子検査について
性別:女性
年齢:67歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2022年2月15日

再質問をする場合は、1週間以上あけてからお願いします。(次回から、1週間経過前に再質問をしても受付ません。)
Q&Aコーナーについてよくある質問はこちら

管理番号(10076)
 2月12日にHBOCの遺伝子検査について質問させていただきました。
お忙しいところ早速ご回答いただき有難うございました。

追記質問の仕方が解らず、こちらのフォームから失礼いたします。

 決して興味本位で検査を希望しているのではありません。
陽性であれば、リスク低減片側乳房切除術・リスク低減卵管卵巣摘出術を受ける覚悟です。
一度に手術可能な病院も探しています。

 一般的に保険適応で遺伝子検査をして、陽性になる確率は5~10%と言われています?私はこれを高い確率と受け取ります。

最終的に検査を受けるかどうかは、主治医ではなく患者が決めるべきなのではと考えますが。

本当に申し訳ありません。
お忙しいところ何回も。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「陽性であれば、リスク低減片側乳房切除術・リスク低減卵管卵巣摘出術を受ける覚悟」
⇒それならば、当然やるべきです。

「一般的に保険適応で遺伝子検査をして、陽性になる確率は5~10%と言われています?」
⇒そんなに高くはありませんよ。
 当院で行った結果は5%以下ですね。(近親者に卵巣癌がある場合には効率になりますが、そうでないと「かなり」低率です)
 ご参考に。