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術前薬物療法について

[管理番号:9388]
性別:女性
年齢:56歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2021年5月13日

田澤先生 はじめまして
よろしくお願いします

1ヶ月程前にしこりを感じ初診 組織検査実施
先日
乳がん 核グレード1
ホルモン感受性 陽性
HER2 陽性
ki67 20%
腫瘍の大きさ5センチ
MRIでは今のところリンパ節転移は写ってはいません
との診断がでました

担当医は
術前薬物療法
パージェタ?ハーセプチン+ホルモン療法を
6ヶ月
3ヶ月くらいで効果がない場合は
ホルモン療法を化学療法アグラキサンに変更してさらに3ヶ月
その後 手術
術後 ホルモン療法5年
を勧めるとおっしゃってます

(先に手術. 乳房全摘
術後 ハーセプチン一年間と
アグラキサン3ヶ月
ホルモン療法5年
と言う方法もあるとはおっしゃってますが)

この術前薬物療法は効果が大きいのでしょうか?

いろんなサイトではハーセプチンは化学療法とセットで使用する
方がよいとか 術後も半年は続けた方がよいとか
色々情報があふれていて混乱しています。

また術前薬物療法のメリットデメリット
先に手術した場合のメリットデメリットも知りたいです。

情報を上手く伝えきれてないかもしれませんが
田澤先生のお考えを伺いたいです。
よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「術前薬物療法
パージェタ?ハーセプチン+ホルモン療法を
6ヶ月」
⇒そもそも(抗がん剤無で)分子標的薬だけ(trastuzumab及びpertuzumab)を行うこ
と自体、誤りです。
 ★抗HER2療法は「必ず」抗がん剤と併用しなくては無意味です。

HER2陽性だからといっても「無意味に」術前抗がん剤を行う理由にはなりませ
ん。
ただ、もしも質問者が(現在は5cmだから温存できないとして)「術前抗がん剤を
行って、小さくして温存手術をしたい!」と希望しているのであれば、術前抗がん剤
(この場合には抗HER2療法)を選択する理由にはなります。
★ただ、その場合には「正しい」抗HER2療法
(pertuzumab+trasutuzumab+docetaxelなど)を選択しなくてはいけません。