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全摘後のホルモン療法

[管理番号:9077]
性別:女性
年齢:43
病名:粘液癌
症状:
投稿日:2020年12月24日

先生はじめまして。
お世話になります。

当方12月頭に右胸全摘手術を行いました。

昨日病理検査の結果が出て、
粘液癌
2.2cm&0.5㎜
ER+
PgR+
HER2ー
ki-67 14.1%
リンパ転移なし

今後はホルモン療法のみだと思っていましたが、摘出した腫瘍の大きい方は末端まで2㎜、小さい方は1腺管に癌細胞があったとのことで放射線を追加した方が良いとのことでした。

大きい方の2㎜というのも気になりますが、主治医曰くそちらだけだったら放射線は見送るがとのことで、小さい方の再発防止のためということでした。

そこで質問ですが、
①全摘+放射線治療は有り得るか
(腫瘍が大きくなく、リンパ転移が無い場合にも)

②放射線を拒否する場合、取り残してしまったという解釈で、再度手術をして取ってもらうか

③放射線療法は部分切除の方にくらべて厚みがない分体への影響も増えるのか(肺炎リスクや骨へのダメージなど)

④手術の際電動メスを使うため熱で細胞が
変化しやすく取りづらいとはどういうことか(粘液癌だからなのか)

⑤放射線療法をした場合、今後再建はインプラントは不可能で自家組織ならば可能なのか

以上です。

正直なところ、全摘をして悪い物は取れたので、今後はホルモン療法を頑張ろうと思っていた矢先、実はまだ取り切れていない物があったのかと思うと悔しく悲しく前向きになれません。

お忙しいと存じますが、先生どうかお力をお貸しください。
よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「①全摘+放射線治療は有り得るか
(腫瘍が大きくなく、リンパ転移が無い場合にも)」

⇒通常は行いません。(術者がきちんと切除していると確信がある場合には)

「②放射線を拒否する場合、取り残してしまったという解釈で、再度手術をして取ってもらうか」
⇒部位が特定できるのであれば、それが一番いいでしょう。

「③放射線療法は部分切除の方にくらべて厚みがない分体への影響も増えるのか(肺炎リスクや骨へのダメージなど)」
⇒変わりません。

「④手術の際電動メスを使うため熱で細胞が変化しやすく取りづらいとはどういうことか(粘液癌だからなのか)」
⇒そんなことは通常ありません。

「⑤放射線療法をした場合、今後再建はインプラントは不可能で自家組織ならば可能なのか」
⇒無論、自家組織であれば問題ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

全摘後の放射線治療
性別:女性
年齢:43
病名:
症状:
投稿日:2021年1月5日

田澤先生、先日はお忙しい中ご回答ありがとうございました。

前回、全摘をしたにも関わらず断端陽性となってしまい、田澤先生のところに駆け込もうと思っていたのですが、先生のご回答では[手術をした先生が再手術をするのが
一番ベスト]とのことでしたので、主治医に意思を告げ再手術の運びとなりました。

尚、前回0.5mm と記載しましたのは0.5cmの間違いです。

そこで質問です。

①全摘出にも関わらず断端陽性となる理由は何なのか。
また、それはよくあることなのか。
(勿論田澤先生に言わせれば、有り得ない!ことだと思いますが、実際に田澤先生レベルの方はそう居ないと思いますので…)

②主治医には再手術はしてみるが、体が治ろうとして組織が硬くなってしまっているから取りづらいかもしれないと言われましたが実際そうなのでしょうか。

③取った組織は病理検査には出すが腫瘍が
小さすぎて結果が出ないと思うと言われました。
そうなると私は先生が取り切ったかそうでないかという持論を信じるしかないのでしょうか。

又その場合、結局放射線治療も追加すべきだと思われますか。

④万が一今回も取り切れていなかった場合、数年後再発という形で現れた際に同じ場所かどうかで判明するものなのでしょうか。

⑤今回の術後、放射線治療はせずにホルモン療法のみにした場合でも、仮に取り切れていなかった腫瘍に対しても再発防止効果はあるのでしょうか。

⑥一旦切ってくっつこうとしている体をもう一度開けるため、様々なリスク(感染症や皮膚の壊死など)の話をされました。

その際皮膚側をカットする際は壊死を防ぐため電気メスでは無く普通のメスでやるとのことですが、それは壊死防止になりますか。

⑦私の状況で再手術はせず、放射線治療を
行った場合と、再手術をするかで予後の違いはどう思われますか。

以上です。

何故自分は本来一度で終わったことを再度やらなくてはならないのかと後悔ばかりです。

体への負担も金銭面もマイナスしかありませんよね。

ジタバタせずに素直に放射線治療をした方が良かったのかもと未だ悩みます。

田澤先生にアドバイスを頂き今回再手術に踏み切ったので、成功することが第一ですが、正直不安の方が先行しています。

お忙しいとは存じますが、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

再手術は(無論)正解だと思います。当たり前のことですが、(効くかどうか不明である)放射線で済ますより、ダイレクトに(手術で)摘出するわけだから。

「①全摘出にも関わらず断端陽性となる理由は何なのか。」
⇒手術の際の細部への注意力でしょうか?

「また、それはよくあることなのか。」
⇒ありません。

「②主治医には再手術はしてみるが、体が治ろうとして組織が硬くなってしまっているから取りづらいかもしれないと言われましたが実際そうなのでしょうか。」
⇒それはありません。

主治医は術後瘢痕のことを言っているようですが、このケースで再手術するからには
(その怪しい部位の)表側の皮膚及び裏側の筋肉も含めた切除とすべきだからです。
(そうでなければ、手術の意味がない)

「そうなると私は先生が取り切ったか
そうでないかという持論を信じるしかないのでしょうか。」

⇒そうならないような手術をすべきです。(上記②)

「又その場合、結局放射線治療も追加すべきだと思われますか。」
⇒無意味

「④万が一今回も取り切れていなかった場合、数年後再発という形で現れた際に同じ場所かどうかで判明するものなのでしょうか。」
⇒手術するなら、「そんな無意味な想像」をすることは控えましょう。

「⑤今回の術後、放射線治療はせずにホルモン療法のみにした場合でも、仮に取り切れていなかった腫瘍に対しても再発防止効果はあるのでしょうか。」
⇒不確実性が増すだけですよ。

「⑥一旦切ってくっつこうとしている体をもう一度開けるため、様々なリスク(感染症や皮膚の壊死など)の話をされました。

その際皮膚側をカットする際は壊死を防ぐため電気メスでは無く普通のメスでやるとのことですが、それは壊死防止になりますか。」
⇒普通に電気メスで大丈夫ですよ。

「⑦私の状況で再手術はせず、放射線治療を行った場合と、再手術をするかで予後の違いはどう思われますか。」
⇒何度もいうように…
 (効くかどうかわからない)放射線では不確実性が増すだけです。
 本当に心配ならば、きちんとマージンを取った切除(手術)が確実です。