[管理番号:4118]
性別:女性
年齢:45歳
十年前に血のような分泌物が出ました。
調べたらガンの疑いがあり細胞を摘出し調べるとガンではありませんでした。
それから定期検診でマンモとエコーをしていましたが、一年前に自己診でしこりをみ
つけ針生検をし陽性だっため様子を見ることになりました。
10月の検診でしこりが少しだけ大きくなってるので再度針生検し陽性でしたが、しこ
りの形が気になるとかで摘出手術をしました。
そのしこりを調べた結果ガンでした。
再度手術が決まってます。
温存も可能だが出来やすい体質かもしれないので全摘をす
すめられ、抗がん剤も考えておいてといわれました。
浸潤乳管がん、乳頭腺管がんの浸潤増殖がみられる
がんは乳頭内に限局
ER:Allred score PS5(/5)+IS3(/3)=8
PgR:Allred score PS5(/5)+IS3(/3)=8
HER-2:negative
核異型2、分裂数は8/10HPF
nuclear grade 2
最大浸潤径11mm
MIB-1:25%
今わかっているのはこれだけです。
質問させてください。
・十年前、陽性と診断が出たとき、先生がこの結果はアメリカだったらガンと診断される、日本のボーダーラインでは陽性です。
と言われました
陽性とがんのボーダーラインとは?
・今回しこりが見つかって陽性だと言われましたが結果ガンとの診断がつきました、これは再発でしょうか?
・陽性ががんになることはないと聞きました、1年前の針生検ですでにがんであったと言う事ですよね
針生検では正確な診断は難しいのでしょうか?
・出来やすい体質とかってありますか?
・温存は可能でしょうか?
・手術後、温存したとして放射線治療があると思いますが抗がん剤治療は必要だと思いますか?
陽性といわれたのに「がん」ですと言われても。。。
3度も胸を切られあげく全摘なんて気持ちが落ち着きません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず理解していただきたいことは
血性分泌だから、(当然考えるべきは)「乳管内乳頭腫」の存在です。
乳管内乳頭腫の場合は「現時点もしくは、将来的」に同一乳管に癌が発生するリスクがあります。
今回以下の時系列を考えると…
①10年前の血性(単孔?)分泌
②1年前 しこり形成
③今年10月摘出して浸潤癌と診断
①の時点では(さすがに)少なくとも浸潤癌ではなかったと考えますが、「乳管内乳頭腫もしくは異型を伴う乳頭腫~非浸潤癌」の何れかではあったでしょう。
①~②までの数年間で「非浸潤癌が成長」し、②の時点では「非浸潤癌の増殖~浸潤」だと思います。
「陽性とがんのボーダーラインとは?」
⇒この場合には…
「異型を伴う乳管内乳頭腫」なのか「非浸潤癌」なのか。というボーダーラインです。
「・今回しこりが見つかって陽性だと言われましたが結果ガンとの診断がつきました、これは再発でしょうか?」
⇒言葉の定義を勘違いしています。
「再発」とは「原発巣を手術して治癒(したかのように見える状態)」の(暫く)後に「でてくる癌」のことです。
この場合は「原発巣」が成長していくなかで、「どのタイミングで診断されたか?」という話です。
「・陽性ががんになることはないと聞きました、1年前の針生検ですでにがんであったと言う事ですよね」
⇒当然そうです。
「針生検では正確な診断は難しいのでしょうか?」
⇒乳管内乳頭腫は比較的、難しいと言えます。
○本来は「血性分泌」があったのだから、「乳管造影」⇒「乳管腺葉区域切除」で10年前に診断されるべきものです。
「・出来やすい体質とかってありますか?」
⇒ありません。
「・温存は可能でしょうか?」
⇒画像を診ないと判断不能です。
「抗がん剤治療は必要だと思いますか?」
⇒術後の病理結果でKi67を測定した上で
Ki67が30以上ならOncotype DXすることをお勧めします。(20代なら不要です)