[管理番号:5656]
性別:女性
年齢:61歳
異時性対側乳がんの手術を10月(中旬)日にいたしました。
今後のホルモン療法について田澤先生のご意見を伺いたくよろしくお願いいたします。
2011年9月右乳房全摘 ステージ2A
ER(+)PgR(-)HER2(-)Grade3
リンパ転移なし
化学療法FEC4回 タキソテール4回
その後アリミデックス6か月
(マーカー値高く検査するも異常なし)
フェマーラ5年+ボナロン 現在まで服用
2017年10月左乳房全摘 ステージ1A
ER(+)PgR(-)HER2(-)Grade1
リンパ転移なし 浸潤部2か所あり
乳頭下のため全摘を選びました
今後の治療について主治医の先生より3種類の提案がありました。
1. アロマシン
フェマーラと同種だが構造が違う
骨粗しょう症の副作用
2. ノルバデックス
骨に影響ないが子宮体ガンのリスク
3. ノルバデックス+UFT
標準治療ではないが飲む抗がん剤を上乗せ
私としては閉経後のノルバデックスは子宮体ガンのリスクが
上がると何かで読んだので心配です。
またUFTは微小転移に対してゆるやかでも効果があるのでしょうか。
田澤先生のご意見をお伺いしたいと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ポイントは「レトロゾール内服中に生じた対側乳癌のホルモン療法はどうすべきか?」です。
「今後の治療について主治医の先生より3種類の提案」
⇒レトロゾールを変更することは当然です。
通常はanother AI(別系統のアロマターゼ阻害剤)となります。
つまり、(non steroidal AIである)レトロゾールから変更するわけですから(同系統のnon steroidal AIである)アナストロゾールではなく、(steroidal AIである)エクセメスタンが最も適切です。
「1. アロマシン
フェマーラと同種だが構造が違う
骨粗しょう症の副作用」
⇒私なら…
これを選択します。(多分、乳腺外科医に多数決をとれば、最多となるでしょう)
♯アロマシンはエクセメスタンの商品名です。
「2. ノルバデックス
骨に影響ないが子宮体ガンのリスク」
⇒これを(エクセメスタンより先に)選択する根拠がありません。
骨密度が心配なら、積極的にデノスマブ(プラリア)を併用すべきです。
「3. ノルバデックス+UFT
標準治療ではないが飲む抗がん剤を上乗せ」
⇒全く根拠なし
「またUFTは微小転移に対してゆるやかでも効果があるのでしょうか 」
⇒根拠がありません。
私自身がUFTを(術後補助療法で)使用する事は絶対にありません。
「田澤先生のご意見をお伺いしたいと思います」
⇒エクセメスタンです。
質問者様から 【質問2 フェマーラ服用中に生じた対側乳がんのホルモン療法】
性別:女性
年齢:62才
以前、異時性対側乳がんの術後治療についてご相談した者です。
その節はありがとうございました。
フェマーラ服用中に生じた対側乳がんのホルモン療法として
その後アロマシンを服用していましたが、3か月目にAST
120IU/L、ALT184IU/Lとなり、1か月休止しました。
正常値に戻ったところで再開しましたが、また上がり始めています。
アロマシンが中止となった場合は、もうノルバデックスしか選択肢はないでしょうか?
何度も申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「アロマシンが中止となった場合は、もうノルバデックスしか選択肢はないでしょうか?」
⇒一度、ウルソを併用してみては?
それでも駄目なら、トレミフェン(フェアストン)もあります。