[管理番号:6286]
性別:女性
年齢:55歳
いつも悩める乳がん患者のために貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
私は、ノルバデックスを服用し始めて5か月が過ぎましたが、先日、多量の不正出血がありました。
以下、これまでの経過です。
1990年 卵巣嚢腫摘出(卵巣温存)
2010年頃 子宮腺筋症(血行改善目的で、しばらく桂枝茯苓丸を服
用したが、特に治療なし)
2017年6月 しこりに気づく
7月 検査、告知(T1 N0 M0)
10月下旬 温存手術、放射線治療(25回)
しこり3.5× 1.8× 1.2cm ルミナルA
11月上旬 ノルバデックス開始 放射線治療
2018年4月○日 少量の出血
大量の出血(過多月経用のパッドを1~2時間おきに
交換する)
○日 婦人科、乳腺センター受診 乳腺は異状なし
婦人科エコー、内診、子宮がん検査実施 画像より4cm
の子宮筋腫と5cmの卵巣嚢腫(水分の嚢腫とチョコレート
嚢腫が半分ずつ)今週末MRI
生理は2017年7月を最後に止まっていました。
乳腺、婦人科どちらの医師も、ノルバデックスの影響であれば、それほど出血量は多くないと考えるので、生理の復活かもしれない。
薬の中断は、現時点で必要ないと
のことです。
家族歴は、母方祖母:脳腫瘍 父方祖母:皮膚がん、卵巣がん(いずれも90代で発症のよう)母:子宮筋腫,卵巣嚢腫(全摘) 妹:卵巣嚢腫(チョコレート、卵巣温存で摘出) 父:前立腺がん(完治)
婦人科学会では、チョコレート嚢腫は癌化しやすいとされていることや、親族に癌や婦人科系疾患が多いことで、経過観察よりも、子宮と卵巣を全摘した方が安心してノルバデックスを服用できる気がしています。
しかし、開腹手術による癒着等のデメリットのせいか、婦人科医師は、悪性でなければ手術をしなくてもよいとお考えのようです。
55歳で完全な閉経ではない状態ですが、経過観察となった場合、ノルバデックス以外の薬に変更することを検討すべきでしょうか。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「下血」と「卵巣のう腫」
間違いなく「ノルバデックスによる影響」です。
★ノルバデックスを中止すると卵巣は縮小して「下血も収まる」でしょう。
このケースでは「ノルバデックスを中止」してLH-RHagonistを行うことで収まります。
(年齢からすると)LH-RHagonist単独を暫く継続して、(その後真の閉経を迎えたら)アロマターゼ阻害剤に変更すればいいのです。
「完全な閉経ではない状態ですが、経過観察となった場合、ノルバデックス以外の薬に変更することを検討すべきでしょうか。」
⇒アロマターゼ阻害剤は(最終月経から1年以上経過しないかぎり)決して用いてはいけません。