[管理番号:4503]
性別:女性
年齢:36歳
田澤先生、よろしくお願いします。
4年程前から右脇にしこりがあります。
乳腺外科で診てもらうと副乳と言われたり脂肪の固まりと言われたりで、ハッキリしません!
見つけたのは第1子の妊娠5ヶ月の時でした。
いつの間にか消えていましたが、また膨らんできて生理の時に痛みがあったりしました。
現在、第2子妊娠中で痛みが増してきて、少し硬くなってきた感じです。
副乳か脂肪の固まりと、2つの意見がありどっちなのか知りたいです。
1年おきに乳がん検診を受けており、異常を指摘されたことはありません。
また両胸(主に左胸が)チクチクと張りで刺されたような痛みがあり不安です。
田澤先生質問させてください。
1.脇のしこりや、胸がチクチクするのは乳がんの可能性はありますか?
2.副乳がんや乳がんの転移の可能性はありますか?
3.乳腺外科の先生でも副乳と脂肪の固まりは区別つきにくいでしょうか?
4.現在、妊娠中ですが以前の乳がん検診より1年経っており、また検診を受けたいですが、妊娠中は乳がん検診を受けれますか?
出産後の方が診やすいですか?
見落としや見逃しなくエコー検査を行えるのは、妊娠何ヶ月まででしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず回答前にご指摘したいことがあります。
1.質問者は「副乳と言われたり、脂肪の塊と言われはっきりしない」と言っていますが…
⇒(質問者が不安、不満?に思うのは無理はないのですが)「癌では無いという意味では全く一緒」のことを言っています。
2.「見つけたのは第1子の妊娠5ヶ月の時」「いつの間にか消えていましたが、また膨らんできて生理の時に痛み」「第2子妊娠中で痛みが増してきて、少し硬くなってきた」
⇒この経緯だけ見ても「100%癌とか転移性リンパ節ではない」ことが解りますよね?
どう考えても「ホルモンの影響をうけている」⇒「副乳」 これ以外に考えられません。
癌が「こんなにホルモンの影響を受けて、出たり消えたりする」なんてこと想像できますか??(私には全く想像できません)
♯癌は(治療しない限り)「大きくなったり、小さくなったり」しません。
3.お解りでしょうか??
上記1及び2だけみても、「1000%癌では無い」ことが解るし、「1000%副乳である」ことまで明白です。(1%でもこの回答に破綻は見つけられません)
「副乳か脂肪の固まりと、2つの意見がありどっちなのか知りたいです。」
⇒答えは解りましたね?
明らかに「副乳」です。
副乳は(医師も、学生時代習うわけではないので)認識していない医師には「脂肪の塊」にしか見えません。
♯ちょうど、一昨日診察した紹介患者さんが、「腋窩副乳原発の線維腺腫」でした。
この方は(前医で)「乳腺の端にある線維腺腫」という診断名での紹介でした。
つまり、この医師も「副乳を意識していないのだなぁー」と思ったのでした。
(腋窩副乳の概念があれば、迷うことなく副乳原発の線維腺腫という診断名となっていたでしょう)
「両胸(主に左胸が)チクチクと張りで刺されたような痛みがあり不安です。」
⇒乳房痛を不安に思う必要は全くありません。
乳房痛は「ホルモンによる刺激症状」であり、「妊娠期のホルモン刺激症状」です。
「1.脇のしこりや、胸がチクチクするのは乳がんの可能性はありますか?」
⇒1000%ありません。
「2.副乳がんや乳がんの転移の可能性はありますか?」
⇒これも1000%ありません。(冒頭の指摘でお解りですね?)
「3.乳腺外科の先生でも副乳と脂肪の固まりは区別つきにくいでしょうか?」
⇒これも冒頭で指摘しましたが…
「区別がつかない」とかではなく、「腋窩副乳」という概念が無いのです。(知っていれば副乳と判断できたでしょう)
「妊娠中は乳がん検診を受けれますか?」
⇒受けられます。
「出産後の方が診やすいですか?」
⇒変わりません。
「見落としや見逃しなくエコー検査を行えるのは、妊娠何ヶ月まででしょうか?」
⇒いつでも大丈夫です。