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ルミナルB 抗がん剤治療をやるべきか悩んでいます

[管理番号:2142]
性別:女性
年齢:50歳
初めてメールさせていただきます。
たいへんお忙しいとは思いますがよろしくお願いいたします。
12月中旬、右乳房全摘、術中センチネルリンパ節生検のうえ、リンパ節郭清しました。
病理結果が出ましたので先生のご意見をお聞かせ頂きたいと思います。
浸潤性入管癌
大きさ 6.5×4.7×1.5 cm
非浸潤癌を含めると
10.5×6.5×1.5 cm
悪性度 グレード2
リンパ節転移 センチネル
2/2
レベルⅠ 0/10
レベルⅡ 0/3
ER 90%
PgR 90%
HER2 スコア0 陰性
Ki67 20%
ルミナルB
しこりは術前の針生検では3ケ所からとり、その時の説明では別々のものなのか中でつながってるのかは手術をしてみないと何とも言えないとのことで、結果的につながっていたので(ひょうたんのようなものをイメージしてもらえれば…との説明でした)大きさはその端から端のものです とのことでした。
主治医はホルモンの感受性が90%ということ、リンパ節転移も2つ、Ki67も20%なので抗がん剤をどうしてもやらなければいけないということではない、とのことでした。
私があとは本人次第ということでしょうか、と言ったところ自分で決めるのも難しいですよね…
と前置きをして、これがもっと高齢の方なら迷わずホルモン治療の話のみにしますが、乳癌は再発すると完治することが難しいことを考えると心配しながら過ごすより、やるだけのことはやったんだからと思って過ごせるように抗がん剤をやるという選択の仕方もあります、と言われました。
抗がん剤をするのであれば3週間に1度の点滴を4回という説明でした。
私としては副作用のことを考えると積極的に抗がん剤をやる方向に気持ちがむかないのですが、しこりを病理結果通り1つと考えるとかなりの大きさがあること、そして実はもうひとつ気になってることがあり…。
4年半ほど前に早期胃癌を患い胃を半分切除しています。
今回の癌は前のものとは全く別のもので転移や再発ではないと説明されその点は納得はしているのですが、この歳で違う種類の癌に2回もなるというのは癌になりやすい体質で再発の可能性が高いのではないかと考えてしまい、やはり今回抗がん剤をやったほうがいいのだろうか…となかなか結論を出せません。
抗がん剤をした場合、やらなかった場合と比べて再発の可能性や生存率はどのくらい違うものでしょうか?
先生ならこの病理結果での抗がん剤治療をどのようにお考えかご意見を頂ければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT3(65mm), pN1, luminal type
「ER 90% PgR 90% HER2 スコア0 陰性 Ki67 20% ルミナルB」
⇒Ki67=20%であれば、luminalAでいいと思います。
 
「主治医はホルモンの感受性が90%ということ、リンパ節転移も2つ、Ki67も20%なので抗がん剤をどうしてもやらなければいけないということではない、とのことでした。」
⇒私も同意見です。
 luminalAでの「化学療法の追加の基準」は「リンパ節転移4個以上」となります。
 
「抗がん剤をするのであれば3週間に1度の点滴を4回という説明でした。」
⇒私も同意見です。
 Luminal typeでの抗がん剤は「TC療法x4」です。
 
「この歳で違う種類の癌に2回もなるというのは癌になりやすい体質で再発の可能性が高いのではないかと考えてしまい」
⇒これは考え過ぎです。
 「再発のリスク」とは全く無関係です。
 
「抗がん剤をした場合、やらなかった場合と比べて再発の可能性や生存率はどのくらい違うものでしょうか?」
⇒再発率の「上乗せ」は8%であり、生存率に対する「上乗せ」は4%となります。
 
「先生ならこの病理結果での抗がん剤治療をどのようにお考えかご意見を頂ければと思います。」
⇒ホルモン療法単剤です。
ただし、「浸潤径が大きい」ことが気にはなりますので、「ご本人が積極的であれば」TC療法をしてもいいとは思います。