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抗がん剤の上乗せについて

[管理番号:3954]
性別:女性
年齢:39歳
右乳がんのため、10月下旬に乳房全摘し(センチネルリンパ節生検実施)、先日、病理診断の結果が出ました。
二つの結節があり、いずれも硬癌の所見とのこと、二つには明らかな連続性は確認できないそうです。
1
腫瘍径1.7センチ
核グレード3
ホルモン受容体いずれも
陽性
HER2陰性
Ki67:30%
腫瘍切除断端陰性
リンパ管侵襲が軽度見られる、静脈侵襲なし
リンパ節転移0
2
腫瘍径1センチ
核グレード2
Ki67:40%
ホルモン受容体、HER2、
腫瘍切除断端、リンパ管侵襲、静脈侵襲の状況は、上記同様。
主治医より、ホルモン療法に加え抗がん剤治療の併用の提案がありましたが、できればやりたくないというのが正直な気持ちです。
推奨治療かとは思いますが、先生であれば、抗ガン剤の併用をどのようにお考えになりますでしょうか。
なお、二年前に父が肺腺癌で亡くなっています。
姉も32歳で悪性リンパ腫をしていますが、おかげさまで元気です。
家族の癌既往歴等も考慮する必要があるでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「推奨治療かとは思いますが、先生であれば、抗ガン剤の併用をどのようにお考えになりますでしょうか。」
⇒腫瘍1のOncotype DXを推奨します。
 Ki67=30%ならば「上乗せは殆どない=実際はルミナールA」という可能性も十分にあります。
 是非『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』を参照してみてください。
 ♯逆に、もしもhigh riskとなったら「モチベーションをもって」抗癌剤を併用すべきです。
「家族の癌既往歴等も考慮する必要があるでしょうか。」
⇒不要です。