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抗がん剤をやった方がいいのか迷っています

[管理番号:2002]
性別:女性
年齢:52歳
初めて質問させて頂きます。
11月5日に右胸全摘をして先日病理結果が出ました。
今後の治療をどうするか悩んでいます。
詳しい結果は受けとっていませんが、先生の言った事を書き留めてと言われ書きました。
センチネルリンパ節生検の実施 あり
リンパ節転移の数 6個中2個
腫瘍の大きさ 6.5cm x 2 cm
浸潤ガン 乳頭線管がん 硬がん
高度ホルモン反応性 50% 以上
組織学異型度 グレード1
脈管浸潤 あり リンパ管 血管は多くない
HER2 スコア 2+ FISH法 陰性
増殖能 5% 以下
Adjuvantのシートを見せられ、病理検査を聞いた時の
印象より悪く、再発しない率がなにもしないが34%、ホルモン剤
単体で23%上乗せ、両方やると37%上乗せ出来るので、やった方がいいと言われました。
私はルミナールAかなと思うのですが、腫瘍の大きさが問題かと思います。
ただ、ごろっと大きな腫瘍では無く、乳頭の上が固いなぁと思っていたので、平べったいイメージがあります。
それでも、判断は腫瘍径5cm以上の判断になりますか?
もしルミナールAの危険度の高い方であればUFT 経口抗がん剤という選択はありますか?
宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検の実施 あり
リンパ節転移の数 6個中2個
腫瘍の大きさ 6.5cm x 2 cm
浸潤ガン 乳頭線管がん 硬がん
高度ホルモン反応性 50% 以上
組織学異型度 グレード1
脈管浸潤 あり リンパ管 血管は多くない
HER2 スコア 2+ FISH法 陰性
増殖能 5% 以下」
⇒pT3(65mm), pN1, luminalAですね。
 
「ただ、ごろっと大きな腫瘍では無く、乳頭の上が固いなぁと思っていたので、平べったいイメージがあります。それでも、判断は腫瘍径5cm以上の判断になりますか?」
⇒問題はそこです。
 質問者がおっしゃるように、 pT3といっても「腫瘍の大きさ」が「ゴロリと巨大なしこり」ではなく「平べったい拡がり」であることです。同一に考えるのはどうかとは思います。
 が、その違いをデータにすることはできません。
 
「Adjuvantのシートを見せられ、病理検査を聞いた時の印象より悪く、再発しない率がなにもしないが34%、ホルモン剤単体で23%上乗せ、両方やると37%上乗せ出来るので、やった方がいいと言われました。」
⇒「化学療法の上乗せ」が14%ですね。
 「腫瘍径」で引っ張られているような印象です。
 実際のところは「Ki67≦5%」となると化学療法の効果は限定的と思います。
 
「もしルミナールAの危険度の高い方であればUFT 経口抗がん剤という選択はありますか?」
⇒傾向抗がん剤(UFT)はエビデンスレベルが低いので、「TC療法」すべきと思います。
 「リンパ節転移2個だから、ルミナールAではホルモン療法単剤」としたいところですが、(質問者のおっしゃるように)「(平べったいとはいえ)pT3であること」と「それにより化学療法の上乗せが14%とでている」ことから、「化学療法を勧めない訳にはいかない」というのが、私の見解です。(そして勧める以上はTCなのです)