[管理番号:2222]
性別:女性
年齢:48歳
はじめまして。
昨年末に、左乳房切除術を受け病理の結果、硬癌 腫瘍10×10㎜ 乳管内を拡がっており、72×26㎜で、一部乳管外に浸潤、血管浸潤もありました。
組織診では、ホルモン受容体ER100% PgR80%
HER2 0 Ki67 36%で、術後の結果待ちの状態です。
センチネルは2個、転移はありませんでした。
今後、病理の結果で抗がん剤と言われましたが、出来れば避けたいと思っており、本を読むと、オンコタイプDX検査があるというのを見ました。
保険適応はないですが、私の場合、それを受ける意味はないでしょうか?血管浸潤がある為、再発、転移を考えたら、抗がん剤をした方が良いのでしょうか?
現在、手術前より、タモキシフェン内服してますが、それだけでは、無理でしょうか?
相談出来る人がなく、こちらを拝見して、お忙しいとは思いましたが、問い合わせさせていただきました。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(10mm), pN0, luminal type
文句なしの「早期乳癌」ですね。
この位の「早期乳癌」となると例え「luminal B」でも「抗がん剤による上乗せ効果」は高くありません。
おそらく、「術後にKi67など免疫染色を再度おこなっている」ようですね。
「今後、病理の結果で抗がん剤と言われました」
⇒その理由は(針生検での)Ki67値により「luminal B」との判断からですね。
「出来れば避けたいと思っており、本を読むと、オンコタイプDX検査があるというのを見ました。保険適応はないですが、私の場合、それを受ける意味はないでしょうか?」
⇒いいと思います。
「血管浸潤がある為、再発、転移を考えたら、抗がん剤をした方が良いのでしょうか?」
⇒「脈管侵襲」は私は全く重視しません。
「手術前より、タモキシフェン内服してますが、それだけでは、無理でしょうか?」
⇒それでも十分だと思います。
核グレードが不明ですが、「抗がん剤の上乗せ効果」は「4%程度」だと思います。
質問者様から 【質問2】
お忙しいのに、度々の問い合わせ、申し訳ありません。
先日の先生のご回答を拝見し、抗がん剤の上乗せ効果は高くないとのことで、4%ぐらいとのことですが、これは、再発率が20%だったら、16%にしかならないということでしょうか?手術での結果ER95% PgR90%HER2 1+ ki67 25%で前回書きませんでしたが、核グレード3です。
主治医の先生は、グレードが高いこと、増殖率が高めなこと、脈管浸潤があることから、抗がん剤をしても良いのではとのことで、考えるようにと言われました。
オンコタイプDXの話もされましたが、高リスク、低リスクの基準で結果が出れば、治療方針がはっきりするが、32から18の間で却ってくることも多いので、その時どうするかというのが、自分で判断をしないといけないとのことで、高額であるので、はっきりとした治療方針を立てられないのであればと、迷っています。
核グレードが高いと、再発のリスクは高いでしょうか?
今回、抗がん剤をしないで様子をみて、万一、転移した場合、その時抗がん剤をしても遅く、やるなら、2~3カ月以内が良いとのことで、先生にご回答頂いた時は、安心したのですが、少しでも、リスクを減らすのは、抗がん剤をした方がいいか、術後すぐに仕事復帰出来たので、抗がん剤の副作用で仕事に支障が出る方がリスクが大きいのではないか?などまた悩んでしまい、先生のご意見を伺いたくメールしました。
タモキシフェンだけでも、とご回答いただきましたが、それ以外に完治出来る治療はありますでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「核グレード3です。主治医の先生は、グレードが高いこと、増殖率が高めなこと、脈管浸潤があることから、抗がん剤をしても良いのでは」
⇒「核グレード3」として計算しても、やはり「抗がん剤の上乗せは4%」となります。
私は「脈管侵襲は重視しません」
「核グレードが高いと、再発のリスクは高いでしょうか?」
⇒質問者の場合には「核グレード2」と「核グレード3」での再発率は「2%」しか違いません。
「また悩んでしまい、先生のご意見を伺いたくメールしました。」
⇒私の意見は「前回と変わりません」
核グレードが「2でも3でも」化学療法の上乗せ効果は「4%」と変わらないのです。
「タモキシフェンだけでも、とご回答いただきましたが、それ以外に完治出来る治療はありますでしょうか?」
⇒他にやるとすれば…
LH-RHagonistですが、「SOFT試験の結果では質問者には恩恵が少ない」と思われます。
ただ、「どうしても」と言うのであれば、「LH-RHagonistを検討」してもいいでしょう。