[管理番号:5556]
性別:女性
年齢:57歳
田澤先生初めて質問させて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
9月中旬に乳ガンの手術を致しました。
自覚症状はなかったのですが、人間ドックの超音波検査で脇の下のリンパ節の腫れが見つかり、精密検査の結果で乳がんと分かりました。
胸の原発よりリンパ節の方が大きかったのですが、手術で念のためにリンパ節を12個切除しましたが、検査の結果リンパ転移は最初に見つかった1個だけでした。
と言うことで術前、術後ともIIaという事になり、ここで乳腺外科の先生から腫瘍内科の先生にバトンタッチとなり、今後の治療スケジュールを言い渡されました。
詳しい抗がん剤の説明はなく、後でパンフレットを渡された状態です。
実は私は本人ではなく、実の姉です。
本人はがん告知の時よりうつ病になっているため代わりに私が出来るだけの世話をしています。
ご了承ください。
精神的に不安定で抗がん剤治療にかなりの不安を持っています。
手術を受けた病院では抗がん剤の為の入院は絶対不可との事でしたので、治療が始まったら治療日に病院に通院し、終了後は家に帰り狭い部屋に一人でいることになります。
ご主人はサラリーマンの為平日は不在です。
私も仕事があり一緒にいることは
出来ませんので完璧に一人で狭い部屋で過ごすことになります。
妹がこの状態で下記の抗がん剤スケジュールを乗り切れるか大変心配しており、こちらに投稿させて頂きました。
下記の抗がん剤のスケジュールはスタンダードでしょうか。
抗がん剤の種類及び使用
期間をどのように思われますか。
特にパクリタクセルを毎週12回必要でしょうか。
そちらの病院では、最初の抗がん剤投与の時には入院を受けいれて頂けるのでしょうか。
このような抗がん剤の種類を決めるとき、もちろん患者には知識はないのですが、
まったく選択肢は与えられないのが普通でしょうか。
納得が出来ない場合、抗がん剤治療を
始める前に病院を変えたいと思った時、受け入れ側の病院に嫌がられるものでしょうか。
もしご回答いただけない質問でしたら、申し訳ございません。
その際はご放念頂けますでしょうか。
IIa (胸に1個で部分切除、リンパ節1個に転移あり。リンパ節12個切除済み。)
Ki67 -29.4%
ホルモン感 あり
断端 陰性
ER: 3+ >90 strong allred score 5+3=8
PgR: 3+ 50% strong allred score 4+3=7
Her2: Score 3+
浸潤径: 1.2cm
患者情報: 57歳 女性 閉経48歳
治療スケジュール
AC治療: 3週間毎 4回
その後、パクリタクセル+パーセプチン 毎週 12回
その後、放射線療法 毎日 25回
その後、ハーセプチン 3週間毎 4回
その後、ホルモン治療 (内服薬を毎日5年以上)
田澤先生の見解をお聞かせ頂ければ幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
HER2陽性乳癌では抗HER2療法が必要です。
1.一般的なレジメン(アンスラサイクリン+タキサン)
★AC(EC, FEC)⇒HER+DTX(もしくは HER+wPTX)
2.非アンスラサイクリンレジメン
2-1 TC+HER
2-2 weeklyPTX+HER
2-3 TCH
「下記の抗がん剤のスケジュールはスタンダードでしょうか。」
⇒冒頭でコメントした通り スタンダード★となります。
「抗がん剤の種類及び使用期間をどのように思われますか。」
⇒スタンダードと言えるでしょう。
ただし、「鬱」などで負担を減らす場合には上記レジメンの2を選択することになります。
「特にパクリタクセルを毎週12回必要でしょうか。」
⇒(アンスラサイクリンをやるにしろ、やらないにしろ)タキサンとしてパクリタキセルを選択したのなら12回は標準です。
「そちらの病院では、最初の抗がん剤投与の時には入院を受けいれて頂けるのでしょうか。」
⇒全くやっていません。(不要です)
「まったく選択肢は与えられないのが普通でしょうか。」
⇒普通かどうかは不明ですが(私は乳腺外科医なので腫瘍内科医とは違うのです)
「受け入れ側の病院に嫌がられるものでしょうか。」
⇒理由があれば、問題はありません。