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1月初旬手術をし、現在抗がん剤治療中です。

[管理番号:4753]
性別:女性
年齢:67歳
田澤先生こんにちわ。
初めてメール発信させて、頂きます。
宜しくお願いします。
昨年秋、右乳房にしこり感じ12月に検診。
当初、ステージ0.5の初期の乳癌との所見だったが、その後の病理結果から悪性と判明。
1月初旬手術をし、現在抗がん剤治療中です。
1.手術前後の病理組織検査の他の情報と所見
1)手術前
・癌部位は8mmでステージ0.5との評価
・ER:J score2/PgR:J score2
・Ki-67 LI=ほぼ100%
2)手術後
「病理部位はきれいに切除、リンパ節への転移無」は主治医の口頭所見
*病理組織学的診断
 Right breast , partial resection: invasive ductal carcinoma, solid-tubular carcinoma,
Nuclear grade3, ly+,f+, surgical margin negative
*病理組織学的所見
・検体は肉眼的には割面では15×10×10mm大
白色、充実性,結界明瞭な結束性病変を認める
・組織学的に結節性病変では核小体明瞭の類円形腫大核および好酸性の胞体を有する異型
細胞が不整な胞巣を形成し増殖している、上皮の二相性は消失している。
以上は
invasive ductal carcinoma, solid-tubular carcinomaに相
当する。
・核異型度スコア2、核分裂像スコア3、核グレード3
・He染色上、リンパ管侵襲を認める。
・周囲脂肪組織への浸潤をみる。
・切除断片は陰性。
2.手術後の治療:抗がん剤6ケ月⇒放射線1.5ケ月⇒ホルモン治療
5年
主治医から、手術は成功したが現在の医療技術では転移の有無は判らないとの説明があり
上記治療法を提案された。
・抗がん剤治療::AC-P療法(アドリアマイシン・エンドキサン-パクリセキタルパクリセキタル)
3.質問
Q1:現在、AC治療の4回目を実施中で、再来週からP療法にはいります。
ホルモン療法を含め、一連の術後治療は適切でしょうか。
追加的な治療法があれば、教えて頂きたい。
Q2:当初ステージ0.5と言われ少し安心していましたが
Ki-67が高く、さらに核グレード3で悪性の高い腫瘍のようで怯えています。
  Ki-67 LI=ほぼ100% は「まれ」と主治医から言われました。
なにか、アドバイスがあれば宜しくお願いします。
Q3:今の段階での再発率、生存率を教えて下さい。
Q4:昨年春(6ケ月前)の人間ドックでは見つかりませんでした。
  このようなことはあるのでしょうか。
  6ケ月の間に癌化するようなことはありますか。
Q5:今後の生活上、注意すべきことはありますか。
以上、宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
それにしても世の中には「根拠のない脅し」としか思えないようなコメントを平気で発する医師がいる者ですね。
医師としてというか人間としてのセンスの問題ですね。
実際はpT1c(15mm), pN0, pStage1
あくまでも「早期乳癌」です。
「ホルモン療法を含め、一連の術後治療は適切でしょうか。」
⇒ルミナールBとしての化学療法はTC4回で十分でしょう。
「Ki-67が高く、さらに核グレード3で悪性の高い腫瘍のようで怯えています。」
⇒全く無駄な心配です。
 今すぐ忘れましょう。
 あくまでも早期なのです。
「  Ki-67 LI=ほぼ100% は「まれ」と主治医から言われました。」
⇒違います。
 担当医にとっては「稀」かもしれませんが、(多くの手術をしている)私にとっては「稀ではありません」
 実際には、予後とは無関係です。
「Q3:今の段階での再発率、生存率を教えて下さい。」
⇒再発率は12%
 10年生存率は80%です。(ただし、他病死11%を含んでいるので乳癌死のリスクは9%です)
「Q4:昨年春(6ケ月前)の人間ドックでは見つかりませんでした。  このようなことはあるのでしょうか。」
⇒ドックの内容によります。
 画像診断で8mmなのだから、
 半年前のマンモグラフィーでは見つからなくても何の不思議もありません。(というか、寧ろ当然でしょう)
 ただし、超音波ならば、(半年前でも)「小病変として認識できた」かもしれません。
「  6ケ月の間に癌化するようなことはありますか。」
⇒画像で写ることと癌ができる事は全く無関係です。
 癌は(画像で写る)5年位前に発生し、徐々に大きくなり「ある時点で画像で認識できるようになる」ということです。
「Q5:今後の生活上、注意すべきことはありますか。」
⇒特にありません。
 ★根拠のない「脅し」ではなく、「早期で見つかったこと」に目を向けることです。