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抗がん剤について

[管理番号:4647]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、いつもこちらのQ&A読ませて頂いてます。
1月末に乳ガン ステージⅠと診断され現在は、術前化学療法で 週1でパクリタキセルを投与しています。
非浸潤癌と診断だったのですが、1部に浸潤癌も見つかり、抗がん剤治療になりました。
腫瘍は、両方とも10ミリ程で HER2陽性・ki-67 39%です。
今、かかってる病院はそんなに大きな病院ではありません。
セカンドに大きな病院に行って来ました。
今の、主治医を信頼してないわけではありません。
他のドクターの
意見が聞きたくてセカンドに行きました。
今の主治医は、Weeklyパクリタキセルをしていきながら腫瘍の様子をみていきましょう。
と言っていて 私が、セカンド行ったドクターは とにかくパクリタキセル投与後アンスラサイクリンを追加で投与と決まりがあるかのように言われました。
今の主治医に聞くと、必要であれば 勿論追加ですが必要でなければ、する必要はないと言います。
腫瘍は、今 半分近く縮小してきています。
田澤先生に診て頂いている訳ではないのですが、 やはりきちんとパクリタキセル投与後アンスラサイクリン投与した方が良いのでしょうか?
パクリタキセルのみ投与の場合と追加のアンスラサイクリン投与もした場合、再発率・予後の違いはかなり違いますか?
何%ですか?
お忙しいところ 申し訳ごさいません。
先生のご意見、聞かせて下さい。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は「一体何故、術前化学療法」を受けているのでしょうか?
私は『小さくして温存』以外での「術前化学療法は認めません」
○担当医が「HER2陽性だから」みたいな理由で術前化学療法を行っているとした
ら、(私には決して受け入れられない)治療なので、そのような治療に対し「私がコメントする事自体、不適切」となります。
(参考に) 乳癌診療ガイドライン 2015より
 手術可能な浸潤性乳癌に対して術前化学療法は勧められるか?
 ⇒推奨グレードB(腫瘍径が大きく乳房温存手術が困難な浸潤性乳癌で乳房温存手術を希望する患者に対しては、乳房温存を目的に術前化学療法を勧めてもよい)
 
  これに対し・
  推奨グレードC1(上記以外でも、術後に化学療法が必要と考えられる患者に対しては、術前化学療法を考慮してもよい)
 お解りでしょうか?
 質問者は「推奨グレードC1」の理由で(私から見れば)無意味に「術前化学療法を受けている」わけです。
「やはりきちんと パクリタキセル投与後アンスラサイクリン投与した方が良いのでしょうか?」
⇒low risk では(術前にしろ、術後にしろ)「非アンスラサイクリンレジメン」でいいでしょう。