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術前化学療法 自分は適応者か?

[管理番号:1726]
性別:女性
年齢:47歳
クリニックで
針生検の結果
右乳癌
浸潤性乳管癌 乳頭腺管癌+化性癌
グレード?
ER 陽
PgR 陽
HER2 陰
Ki67?24.9%? 20%
乳房МR 葉状腫瘍も否定できない
○○リンパ節に明らかな転移なし
 ↑
手書きで読めない
しこり 7×9センチ
ここまで調べて市民病院を紹介されました。
市民病院でエーコーで脇に2つ点が見えるとかなんとか
今の所ここまでしかわかってないのですが、
私はここまでしこりが大きいので再建や温存の希望はしてません。
どうせ全摘はするらしいので。
主治医はメリットとして
しこりが小さくなり、またはなくなる場合もある
抗がん剤でしこりが小さくなればこの薬が効いているという安心につながる。
抗がん剤がきくかきかないか2回でわかる
ただし、その間癌の転移などあるんではないかという不安な気持ちが付きまとう。
とおっしゃってました。
手術は2016年5月頃と言ってました
田澤先生はやはり先に手術をおすすめしますか?
しこりが大きのが気になってます。9センチもあるものが無くなるのか?
ステージとか知りませんこれからの検査でわかるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
47歳 子供なし 既婚 身長150cm 体重71キロ
私はサブタイプはどれかわかりますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
術前化学療法を無理やり勧めている事例には「いささか、呆れを通り越して、怒りも通り越して」無関心になりつつあります。
但し、今回の質問者のケースは「あまりにも酷い」と言わざるをえません。
「全く無意味、どころかリスクが高くて」見ていられません。
この担当医の意見には全く賛成できません。
「最初から全摘を希望している時点」で「術前化学療法の適応外」です。
『抗がん剤が効くか、効かないか解る』
⇒「術前抗癌剤を無理やり勧める、伝家の宝刀」がでましたね。
⇒もう、言い飽きたので「好きな人はご自由にどうぞ」としか言う気も失せました。
(術前術後に適応のある抗がん剤はアンスラサイクリンとタキサンしかないのです)
 ○更に今回問題なのは
 「ルミナールタイプ(しかもA)」
 「腫瘍径が9cm」
    ↓
 危険すぎます。
 「抗がん剤が効くか効かないか」みたいな悠長な事を言っていないで、「手術できる内に、手術すべき」です。(一歩間違うと手術不能となってしまいます)

回答

「田澤先生はやはり先に手術をおすすめしますか?」
⇒勿論です。
 100%どころか「1000%間違いありません」 一昔前に、「君は1000%」という歌詞がありましたね。同年代なのでご存知の筈(余談でした)
 
「しこりが大きのが気になってます。9センチもあるものが無くなるのか?」
⇒(ルミナールタイプということもあるし、)無くなる可能性はほぼ無いと思います。
 しかも(万が一無くなったとしても)「全摘した方が安全」です。
 とても「9cmの腫瘍が画像上消失」したとしても「全摘しない」などリスクが高すぎます。
 そうなると「尚更無意味」です。
 
「ステージとか知りませんこれからの検査でわかるのでしょうか?」
⇒ステージは「腫瘍径」と「リンパ節の程度」です。
 「腫瘍径=9cm」「リンパ節転移なし」のようなのでcT3, cN0, cStageⅡBとなります。
 
「私はサブタイプはどれかわかりますか?」
⇒ルミナールAです。
○私にできるアドバイスは(普通に)「手術先行」するべき
 この一ことにつきます。
 決して後悔しない選択を望みます。