[管理番号:6666]
性別:女性
年齢:30歳
初めまして、よろしくお願いします。
今年の4月に乳がんと診断を受け、現在術前化学療法中です。
以下は医師より口頭で聞いた容態ですので、間違っているかもしれません。
・右乳房に1cmから2.2cmの腫瘍を4つ
・腋窩リンパ節に4つ以上の転移(癒着はなくよく動く)
・右乳房と胸骨の間のリンパに転移あり(2cm前後)
・サブタイプはトリプルネガティブ
・ステージ3
先日、ドセタキセル2クールと3クール目の間に、エコーで腫瘍を確認しました。
しかし、腫瘍の大きさに変化は見られませんでした。
現在ドケタキセル4クールを終了後、1週間後に乳房MRIを行う予定です。
その後FEC治療を4クール開始する予定です。
ご質問です。
1.トリプルネガティブ の場合は、術前化学療法でガンが消えなければ、
ほぼ再発するようなことを、ガンの情報サイトで医師が書いているコラムを読んだのですが、本当でしょうか?
私の勘違いでしょうか?
田澤先生は術前化学療法をされないとの事ですが、ご意見頂けたら幸いです。
2.ドセタキセルが効果なく、FECではガンが消える程の効果がでる事はあるのでしょうか?
3.胸骨のリンパにも転移があるのでステージは3cなのでしょうか?
4.主治医から抗がん剤治療半年をしたら、全摘手術をし、それで治療終了と言われました。
私は放射線治療をするものだと思っていたのです
が、放射線治療はしなくて良いのでしょうか?
先生のお考えを教えて頂きたいです。
5.私の10年後生存率は50%程でしょうか?
今の状態だともっと下がりますか?
少ない情報で申し訳ありません。
少しでも、元気に長生きしたい。
あわよくば、90歳ぐらいまで生きて「若い時、乳がんだったんだー」と武勇伝のように語れる様になりたいと思っているのですが、やはり甘い考えでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「田澤先生は術前化学療法をされないとの事」
→勘違いしていますね?
実際に「現時点でも」術前化学療法をしている患者さんは複数名いらっしゃいます。(ちなみに、今週月曜日の手術の中でも2名が術前化学療法後の方でした。)
ただし、私は「無意味な」術前化学療法はしないというだけです。
術前化学療法の適応は
1.小さくして温存
2.(そのままでは手術が不能なので)抗がん剤を先行させて手術可能な状態にもっていく
それ以外の「HER2陽性だから…」とか「リンパ節転移があるから…」とか「先に全身をたたく」などという、「自分勝手な適当な理由では行わない」というだけの話です。
「トリプルネガティブ の場合は、術前化学療法でガンが消えなければ、ほぼ再発するようなことを、ガンの情報サイトで医師が書いているコラムを読んだのですが、本当でしょうか?」
→完璧な「誤り」です。
そんな「馬鹿なこと」を書いている医師は実際の診療経験が足りないだけの話です。
「2.ドセタキセルが効果なく、FECではガンが消える程の効果がでる事はあるのでしょうか?」
→「消える=完全緩解」となるかは不明ですが…
かなりの効果が出る可能性は十分あります。(タキサンとアンスラサイクリンは全くの別物だからです)
★ただし、私の個人的意見(つまりセカンドオピニオンということです)を言わせてもらうと…
術前化学療法を行うのであれば、もう少し「細心の注意を払うべき」だと思います。
つまり「ドセタキセル2クールと3クール目の間に、エコーで腫瘍を確認」「しかし、腫瘍の大きさに変化は見られませんでした。」という時点で、
①3クールは中止してアンスラサイクリンへ変更
②3クール終了後に再度エコーで評価→やはり「変化無or増大」ならば、4クールは中止してアンスラサイクリンへ変更
上記①もしくは②とすべきだったと思います。
「術前抗がん剤は(病勢が増悪して)最悪、手術不能となる」リスクのある治療であることを、医師自身が強く自覚すべきなのです。
「3.胸骨のリンパにも転移があるのでステージは3cなのでしょうか?」
→その通りです。
「4.主治医から抗がん剤治療半年をしたら、全摘手術をし、それで治療終了と言われました。」
「私は放射線治療をするものだと思っていたのですが、放射線治療はしなくて良いのでしょうか?」
→放射線は必須です。
「胸壁+鎖骨上」に加えて「胸骨傍にも必須」となります。
また、OlympiAへのエントリーについても相談するといいでしょう。
「5.私の10年後生存率は50%程でしょうか?今の状態だともっと下がりますか?」
→もっと高いと思います。