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乳がんと不妊治療

[管理番号:5138]
性別:女性
年齢:39歳
37歳の時に不妊治療を開始しようとしたところ、子宮筋腫があるとの事で産婦人科で開腹の手術を受けました。
半年後、不妊治療に入ろうとしたところ子宮筋腫の取り残し?(8センチ位のもの)があるとの事で一旦不妊治療を中断。
最初の病院で予約が取れなかったため、他の個人病院で手術を依頼しましたが、そちらでは当日の体調不良や手術直前に血圧が下がる等のトラブルに何度か見舞われたため個人病院での手術を断念し、都内にある大学病院での治療を選択しました。
大学病院では子宮筋腫の手術をする前に一度がん検診をとのことで検査をしていただいた結果、昨年末に子宮頸がんを宣告されました。
今年の1月、手術前のPET検査で子宮頸がんとは別に乳がんの疑いと言うことでしたが、その時点ではまだ幸いな事に胸の方は非浸潤がんでした。
その後、子宮頸がんの手術は無事に終了しましたが問題は非浸潤がんだった方です。
半年経った今現在こちらの方が進行してしまい、現在初期の乳がんになってしまいました。
主治医の話だと、まだリンパには転移していないだろう、との事です。
1月末の子宮頸がんの手術の際には子どもが諦められず、リスクを承知で子宮を温存しています。
そこはそことして、問題はその後です。
主治医から非浸潤がんだった時に言われたのが〝今後乳がんの治療をするなら、乳がんの手術後5年はホルモン治療をしたりしないといけない。
そうすると年齢的に妊娠自体が厳しいから乳がんと言うことを黙って不妊治療に入るのはどうか?今ならまだ黙っていればわからない。
そのかわり出産するまでに乳がんが進行する可能性があるのでリスクが無いわけでは無いが〟と言うことでした。
なので、その時は藁をもすがる思いで医師の言うことを信じ、一旦非浸潤がんに対しては(抗がん剤が体質にあわなかったため)放射線照射のみの治療を行なってもらっております。
しかし、放射線治療の甲斐なく進行して乳がんになってしまっております。
結果的にがんが進行してしまいましたが、医師の言う選択が極端すぎて自分自身が不安だったこと、この話を聞いた友人が色々調べてくれて江戸川病院さんのサイトに辿り着きました。
田澤先生、私は今後どのようにしたらよいのでしょうか?
①乳がんの治療をせずに、このまま不妊治療をしてしまうのが本当にいいことなのか?
②乳がんの治療に専念し、年齢的にも赤ちゃんを諦めた方がいいのか?
出来ることであれば、我が子を諦めることはしたくありません。
どうか、回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私がメール内容を理解した限りでは、とても残念な選択をされたことです。
非浸潤癌の時点で「乳癌術後は5年間ホルモン療法が必要なので、不妊治療ができない」という誤った情報が問題でした。
非浸潤癌であれば、手術(全摘であれば放射線照射さえも要らない)で、その後のホルモン療法は不要だったのです。
ただ、今からでも遅くはありません。
無治療など、「とんでもない」暴挙です。
「手術(放射線照射後なのだから、全摘しか選択肢はありません)」⇒「不妊治療」
⇒(出産授乳後などに)「術後療法」とすべきです。
「①乳がんの治療をせずに、このまま不妊治療をしてしまうのが本当にいいことなのか?」
⇒とんでもありません。
 乳癌を手術することは、大した負担ではないし、その後すぐに不妊治療開始すればいいのです。
「②乳がんの治療に専念し、年齢的にも赤ちゃんを諦めた方がいいのか?」
⇒どちらも諦める必要は全くありません。
 乳癌手術は大した侵襲ではありません。
 術後翌週からでも不妊治療を開始すればいいだけの話です。