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術後の病理結果で不安に

[管理番号:3278]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生、はじめまして。
どうぞよろしくお願いいたします。
今年5月に右乳房切除し、同時再建でエキスパンダー挿入中です。
その後の病理検査結果説明で、がん細胞が取りきれているのか不安になりました。
【術後病理結果】
浸潤性乳管癌
浸潤径18×11×30mm
sentinel lymph node 0/1
Nuclear grade2(2+2)
f、ly(+)、v(+)
ER陽性score7,90%、
PgR陽性score8,>90%
Her2 ; 2+(Fishで陰性)
MIB-1 LI ; 14%
断端陰性ですが、DCIS成分が大胸筋側垂直断端に直近(0.01-0.02mm)しています。
この、大胸筋側垂直断端に直近していたDCIS成分について、主治医の説明では、ギリギリではあるが
取りきれているので追加処置は必要無いでしょうとの事でした。
その後、不安で色々検索したところ、大胸筋被膜まで取れていれば大丈夫、との文言を見つけました。
次の診察時に、主治医に被膜の事をたずねたところ、同時再建するので、見映えを良くするために、被膜は残し気味にしました。
だだ、腫瘍のあった辺りは取りました、との回答でした。
腫瘍が深部よりにあった事、浸潤径が30mmと深い事を考えると、放射線も追加切除も
せず、このままでいいのか不安です。
私自身は、治療優先で再建は諦めてもいい覚悟です。
どうか、田澤先生のご意見をお聞かせ頂けますでしょうか?
現在、ノルバデックス服用中です。
この場合の再発率も教えて頂けますか?
あと、ly(+)v(+)が気になります。
リュープリン等の注射の併用は考える必要はないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「全摘」での「深部断端」に関しては「術者以上に状況を良く知る者はいない」というのが鉄則です。
術者が話している様に「腫瘍が深部にあったため」腫瘍の直下の部分は丁寧に切除しているのであれば「全く問題ない(この点は術者を信じるしかないです)」と思います。
「DCIS成分が大胸筋側垂直断端に直近(0.01-0.02mm)しています」
⇒「浸潤癌成分」であれば「大胸筋膜」まで浸潤している可能性が完全には否定できないが、「非浸潤癌成分」なのだから「乳腺がきっちり取れていれば(乳腺から外へ浸潤してはいないのだから)問題無い」と言う事です。
 
「このままでいいのか不安です。私自身は、治療優先で再建は諦めてもいい覚悟です。どうか、田澤先生のご意見をお聞かせ頂けますでしょうか?」
⇒問題ありません。
 
「現在、ノルバデックス服用中です。この場合の再発率も教えて頂けますか?」
⇒22%です。
 
「あと、ly(+)v(+)が気になります。」
⇒全摘しているし、リンパ節転移無しだから「気にする必要なし」です。
 
「リュープリン等の注射の併用は考える必要はないでしょうか?」
⇒ハイリスクではないので(私なら)勧めません。