ドレーンを入れないことは「腕をすぐに挙げられる」とか「入院期間が短くできる」など「良いことづくめ」であり、入れないで済むに越したことがない。
それでは、何故(普通は)入れるの?
それは、術後に「(漏れた)リンパ液が貯留したり(出血による)血腫ができないように」それら(リンパ液や血液)を外へ排出するためです。
★逆に言えば「リンパ液を漏らさない」「出血させない」手術をすればいいのです。
ただ、(一般に)その自信がないからドレーンを入れるのです。
私も江戸川に来る1年前までは普通に全例ドレーンを入れていました。
ただ、(症例数を重ねていくうちに)「この程度だったら(入れなくても)大丈夫ではないか?」と、慎重に少しずつ(ドレーンを入れない)対象範囲を広げていき、今では「腋窩鎖骨下郭清(レベル3までの郭清)でさえ、全く必要を感じません。
☆☆ドレーンを入れなくて済む手術とは「術中のリンパ管や血管の損傷を最小限にする」手術であり、「体の負担の少ない手術」であることは間違いありません。
(乳がん治療の中で「手術が最も楽な治療」と言っているのも、そういう手術だからです)