Site Overlay

分子標的薬

分子標的薬 がんの増殖や転移に必要な分子に標的を定めて設計された薬剤
 
・乳癌では①HER2受容体に関係するもの②VEGF阻害剤③mTOR阻害剤などがある。
 
*これらの中で唯一予防的投与(術後補助療法)の適応があるのはトラスツズマブ(ハーセプチン)のみであり術後1年間投与を行う。
 
*治療的投与(再発治療)では、これらを単剤投与することは無く、先に示した「化学療法」や「内分泌療法」との併用で投与を行う。
 

①HER2(human epidermal growth factor receptor 2)阻害剤

トラスツズマブ HER2蛋白(受容体)に抗体として細胞外で結合して抗体依存性細胞障害を起こす。
ラパチニブ 分子量が小さく細胞内に入り、HER2とEGFRに共通の チロシンキナーゼドメインに結合し、その活性を阻害する。
ペルツズマブ トラスツズマブとは別部位に結合しHER2-HER3結合を阻害することで増殖シグナルを阻害する。
T-DM1 トラスツズマブにエムタンシン( DM1)を結合させたもの

 

②VEGF (vascular endothelial growth factor )阻害剤

ベバシズマブ VEGFと結合しVEGFの受容体への結合を阻害することで、腫瘍血管退縮及び、残存血管の正常化を促進する。

 
 

③mTOR(mammalian target of repamycin)阻害剤

エベロリムス  細胞内シグナル伝達系に関与するセリン・スレオニンキナーゼを阻害 、内分泌療法剤であるエキセメスタンとの併用でのみ使用する。

 
 
分子標的薬1.fw